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古絵本が繋ぐ未来への架け橋 田村ビルズグループ、地域貢献と持続可能な社会へのコミットメント

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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愛児園平川保育所で児童たちに本を寄贈する様子
提供:田村ビルズグループ

建設・不動産事業、環境リサイクル事業を展開する株式会社田村ビルズグループ(山口県・山口市)は、2024年10月29日、山口市の愛児園平川保育所に古絵本20冊を寄贈したという。

この活動は、単なる寄贈に留まらず、同社の地域貢献への姿勢と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを象徴するものとなっている。

社内回収で実現した古絵本寄贈:環境配慮と子育て支援の両立

愛児園平川保育所の児童たちが絵本を楽しく読んでいる様子
提供:田村ビルスグループ

今回の古絵本寄贈は、山口県教育庁地域連携教育推進課が推進する「地域の保育所・幼稚園への古絵本寄贈」の取り組みに賛同したことがきっかけだ。同社は、環境リサイクル事業に加え、サステナブルな取り組みを模索する中でこの活動を知り、社内での絵本回収を開始。約1ヶ月で目標の20冊を集め、寄贈に至った。

この取り組みは、子どもたちの読書環境の充実を図るだけでなく、古絵本を再利用することで環境負荷を低減する効果も期待できる。田村ビルズグループは、環境配慮と子育て支援を両立させた地域貢献活動として、今後も定期的に実施していく方針とのこと。

経営理念「ともに豊かに」:すべてのステークホルダーとの共存共栄を目指す

田村ビルズグループは、「心を高める、経営を伸ばす」という社是のもと、「ともに豊かに」という経営理念を掲げている。これは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、地域・業界の進歩発展に貢献するという強い意志の表れだ。

代表取締役の田村伊幸氏は、「社員には『この会社に入ってよかった』、お客様には『この会社に頼んでよかった』、取引先様には『この会社と取引してよかった』、地域の方には『この会社があってよかった』と思ってもらえるような会社にしたい」と語る。

すべてのステークホルダーとの共存共栄を目指す同社の姿勢は、今回の古絵本寄贈にも色濃く反映されている。

フィロソフィ経営:揺るぎない価値観を軸とした成長戦略

田村ビルズグループの成長を支えるのは、「フィロソフィ」と呼ばれる独自の経営哲学だ。コーポレートサイトで開示されているインタビューによると、フィロソフィは、京セラ創業者の稲盛和夫氏の経営哲学をベースに、田村氏が独自に発展させたものとのこと。社員一人ひとりがフィロソフィを理解し、実践することで、会社全体のベクトルを合わせ、持続的な成長を実現しているようだ。

組織コンサルタントの坂東孝浩氏(株式会社ブレスカンパニー代表取締役社長)は、田村ビルズグループの変革について、「組織が若返り、社員も3倍に増え、業績も良くなった。見た目だけでなく、中身も大きく変化した」と評価している。

創業以来、建材事業を主力としてきた同社は、現在、不動産事業へと大きく舵を切り、柔軟な変化適応力を見せている。

変化への対応と普遍的な価値観の両立:未来を見据えた田村ビルズグループの挑戦

田村氏は、「経営とは時流適応業」と語る。時代や状況に応じて変化していく部分は柔軟に変えながらも、普遍的な価値観である社是や経営理念は揺るぎなく守り続ける。この両立こそが、同社の持続的な成長の鍵となっている。

古絵本寄贈という一見小さな活動を通して、田村ビルズグループは、地域社会への貢献、持続可能な社会の実現に向けた具体的な行動を示した。同社の挑戦は、未来への希望を育む活動として、これからも続いていく。

サステナブルな取り組みの真価

加藤俊

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

認可保育所や社会的養護の児童養護施設、障害児通園施設等への物品の寄贈は、企業のCSR活動としてポピュラーなものとなっている。一方で、企業側が忘れてならないのは、一方的な善意の押し付けであってはならないことだ。同社の今回のケースでは、そういった懸念はないだろうが、多くの施設を見て、使われずに行きどころを失った物品が多いことを感じる。

また、企業のCSR活動やSDGsの取り組みで最も重要なことは、その取り組みを通して参画した社員は何に触れ、何を感じ、何を学び、それがどのように自社の活動に影響を与えるのか、ひいては企業価値向上に寄与していくのかのアウトカムを企業が把握することである。

とくに、上場企業の場合は近年、サステナブルな取り組みを、制度開示である有価証券報告書以外に、統合報告書やサステナビリティレポートなどの任意開示データブックで開示する傾向にある。株主が知りたいのは、単なる取り組み紹介ではなく、その企業の持続可能性である。田村ビルズグループは非上場の会社だが、こうした素敵な取り組みをやっているのだ。ぜひ、多くの上場企業にも積極的に取り組んでもらいたいものだと感じた。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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