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株式会社エコリング

https://ecoring.co.jp/

〒672-805 兵庫県姫路市飾磨区 恵美酒213 錦ビル 本社[3階]

079-243-1777

「人想い」のアイデアから生まれた、カフェのような買取店

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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エコリングたまプラーザ店
(写真提供:エコリング)

 不用品の買取など、リユースサービス事業を日本とアジアで展開する株式会社エコリング(以下、エコリング)は2024年1月、神奈川県横浜市にある「たまプラーザ店」を新デザインの買取店舗としてリニューアルオープンさせた。「お客様と従業員の声を数多く反映させた、こだわりの詰まった店舗」として、女性社員から構成される「D&I推進チーム」がプロデュースしたという。

 同社は2021年、B Corp認証も取得。「エコリングに関わる全ての人が幸せになるように」と、リユース事業を通じて、社会問題の解決に貢献することを使命としている。

 ひとつの買取店舗から、どのような変革が起こされようとしているのか。たまプラーザ店のプロデュースを担当したD&I推進チームのリーダーである宅配買取部 部長代理 田渕晃子さん、そして同チームに所属する買取部 関東第二エリア 西浦美咲さんの2名に、設計に込めた「人想い」へのこだわりを聞いた。

「入りやすさ」と「働きやすさ」を兼ね備える、カフェのような買取店舗に

 東急田園都市線、たまプラーザ駅。北口を出て街路樹の並ぶ道を5分ほど歩くと、その店舗にたどり着く。ブラウンを基調とした木を想起させるやわらかなアースカラーのファサードに、看板を照らすのはミニマルなアイアン素材のスポットライト。一部に磨りガラス加工がされたウインドウの向こうには、人の気配が感じられる。まるでカフェのような佇まいだが、ここはエコリングの買取専門店である。

 同社の店舗外には、イメージカラーである彩度の高い黄色が用いられることが多い。だが、たまプラーザ店については「お客様が入りやすい雰囲気を目指して、やわらかい色合いにしました」と、変更の理由を西浦さんが語る。

エコリングたまプラーザ店待合室
店舗内もアースカラーで統一されており、待ち時間もリラックスして過ごせる。(写真提供:エコリング)

 こだわりは外観だけに留まらない。店内にはゆったりと広い待合スペースが取られており、パーテーションによってプライバシーが確保されている。買取査定のカウンターにもパーテーションが存在するため、誰がどんな品物を持ち込んでいるのかがわかりにくくなっている。高額の品物が持ち込まれることもあるため、「帰り道も安心できる」と顧客からも好評だという。

 カウンターの椅子も変わった。従来の座面高のあるカウンターチェアから、年齢や体格を問わず座りやすい座面の低い椅子に変わり、立って接客していた従業員も座って接客が行えるスタイルになった。「買取依頼をしやすい」顧客視点と「働きやすい」従業員視点。これらを兼ね備えていることが、リニューアルされたたまプラーザ店の大きな特徴だ。

エコリングたまプラーザ店内
隣の様子が見えない接客スペース。座面高が低いチェアは、お年寄りでも安心して利用できる。(写真提供:エコリング)

「人想い」の細やかなアイデアを反映

 リニューアルにあたっては、顧客からのアンケートの声が多く反映されたという。前述のパーテーションも、「持ち込んだ品物が見えてしまうのが心配だ」という実際の顧客の声から設置されている。

 アンケートのみならず、D&I推進チームが発案したアイデアも多く反映されている。例えば従業員用のトイレは、作業をするバックヤードから離れた場所に設置した。男女を問わず、周囲を気にせず使用できるようにという配慮である。

 買取した品物を分野ごとに段ボールで仕分け管理する、バックヤードの動線の見直しもD&I推進チームのアイデアだ。持ち込まれる中には重たい品物もある一方で、収納スペースが狭く限られていると、時には仕分け用の段ボールを頭上まで高く積み上げる必要も出てくるという。そこでたまプラーザ店では、上下2段で段ボールを置ける棚を確保。これにより、従業員の上げ下ろしの作業負担を軽減し、仕分け管理がスムーズに行えるようになった。些細な調整のようでも、日々の業務で積み重なれば大幅な効率アップにつながる。顧客にも従業員にも、とことん「人想い」な店舗だ。

買取部 関東第二エリア 西浦美咲さん
買取部 関東第二エリア 西浦美咲さん。D&I推進チーム所属。リユースサービスにおける“仕入れ”にあたる、鑑定士の業務を担っている。現在8年目になるといい、「買取の仕事が好き」と語ってくれた。(写真提供:エコリング)

ひとりの女性社員の発案から生まれた、部署横断のサステナビリティ専門チーム

 たまプラーザ店のプロデュースを担当したD&I推進チームは、ひとりの女性社員の提案から発足したという。もとより風通しのよい社風ではあったが、「働きやすさやサステナビリティに取り組む専門チームがあれば、さらに良い環境にできる」「もっと面白いこともできるかもしれない」という思いから生まれた組織なのだそうだ。

 まだリニューアル後1ヶ月と間も無いこともあり、様子を見る必要もあるのだろう。従業員の反応について聞いたところ、西浦さんは「たまプラーザ店は、特に来客数が多い店舗」であるとして、「適切な作業動線の見直しなど、運営する中で少しずつ改善を重ねているところです」と語った。従来の店舗とは異なる動線である以上、当然ながらオペレーションのチューニングも必至だ。しかし、顧客からの「安心できるようになった」の言葉にあるように、心地よい店舗へと生まれ変わる兆しが見えている。

 D&I推進チームによりプロデュースされた、「人想い」な買取店舗。リーダーとしてこのプロジェクトを推進した田渕さんに、これから他店舗へも同様の方針のリニューアルがなされていくのかを聞くと、「好評であれば、どんどん他店へも広げていきたいですね」と微笑んだ。

D&I推進チームのリーダー 宅配買取部 部長代理 田渕晃子さん
宅配買取部 部長代理 田渕晃子さん。D&I推進チームのリーダーを務める。「エコリングを通して社会貢献ができることが誇らしく思います」(写真提供:エコリング)

 顧客へも従業員へも、「人想い」にこだわりを貫くのは、決して容易ではない。たまプラーザ店の店舗設計のほかにも、エコリングではD&Iに関する取り組みが数多く行われてきているという。部署を横断してD&Iを推進するこのチームに、次回は自社内における「働きやすさ」への取り組みをインタビューする。

◎会社概要
会社名:株式会社エコリング
URL:https://ecoring.co.jp/
住所:〒672-8057 兵庫県姫路市飾磨区 恵美酒213
代表者:代表取締役 桑田一成
設立:2001年
従業員数:521名(2024年1月時点) ※契約社員・パートタイマー含む
事業内容:買取事業、ブランド品専門店運営販売事業、インターネット販売・業者間取引販売事業、貴金属販売及び古物オークションへの販売事業

◎インタビュイー(部署や役職は取材時点のもの)
宅配買取部 部長代理 田渕晃子さん
買取部 関東第二エリア 西浦美咲さん

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ライター:

人のあらゆる営みを有機的に描くことを目指す、フリーランスのライター・編集者。ブランディングエージェンシーにてプランナー・ディレクターとしてプロモーション企画やコンテンツ制作に従事。やがて自身の文章への執着心に気づき、PR会社勤務を経てライター・編集者として独立。人の動機や感情に焦点を合わせながら、伝わる言葉を紡ぐことを目指している。

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