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資生堂のSDGsの取り組み!企業・国籍・性別の垣根を超えた取り組み

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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 (資生堂HPより)

2020年度の世界化粧品メーカー売上高ランキング4位(参照元:業界動向リサーチ)の株式会社資生堂(以下、「資生堂」)。
世界レベルの化粧品メーカーである資生堂の特徴は、企業・国籍・ジェンダーの垣根を超えた取り組みの数々です。
この記事では、そんな資生堂の特徴やSDGsへの取り組みについてご紹介します。

資生堂の会社の特徴

まずは、資生堂の会社の特徴についてお伝えします。
化粧品販売のイメージの強い資生堂ですが、実は多角的な視点から「美」の価値を提供しており、様々な事業を展開しています。
こでは、そんな資生堂の特徴を3点に絞って見ていきましょう。

1. 相反する2つの価値を融合させる『DYNAMIC HARMONY』

DYNAMIC HARMONYは、資生堂が1872年に創業されたときから100年以上にわたって受け継がれてきた考え方です。
以下のように一見両立不可能に見える2つの価値を融合させることで、今までにない新しい美を創造することに常にチャレンジしています。

研究アプローチ 内容
 Inside/Outside
(肌の内側/外側)
体内、心、肌、外部環境などを繋ぐメカニズムを解明し、多角的な角度からの美を実現
 Functionality/Japan Quality
(機能性/安全性)
期待を上回る機能性と日本製品ならではの安心・安全を両立させる
 Science/Creativity
(科学で感性や気持ちを解明)
科学の力で人間の感性や気持ちを解明し、これまでにまだ誰もが感じたことのない美や心地よさの感覚・体験を創出
 Premium/Sustainability
(満足感/サステナビリティ)
顧客の満足感とサステナビリティを両立させる。製品の効果やデザインとともに、地球に優しい製品を作る
 Individual/Universal
(膨大なデータをパーソナライズ)
長年蓄積してきた世界中の膨大なお客さまデータを活用し、お客さま一人ひとりにパーソナライズした最適なソリューションを生み出す
 Human/Earth
(人/地球)
外界からの刺激がもたらす影響を解明、正しく理解し、環境と肌・身体・こころが美しく調和する、人と地球との新しい関係性を提案

資生堂HPより)

2.世界の国と地域のお客様の声を収集・解析できるシステムの開発・導入

資生堂では、2020年9月より品質情報管理システム(Global Quality Infomation Management System)を導入。自社のネットワークを活かして、欧州・中国・日本・アジアパシフィック・米州といった世界中の国と地域から寄せられた顧客の意見をリアルタイムで収集しています。

この品質情報管理システムでは、収集した情報に対して設計・生産・販売の情報を加えて解析することが可能です。解析された情報は、商品企画部門・研究開発部門・生産部門・品質保証部門などで共有され、商品の企画や改良に役立てられています。

そして、企画・改良された商品に対する顧客の声を集め、さらなる品質の改善・サービスの向上を行うというサイクルを実現しています。

3. BEAUTY INNOVATION FOR A BETTER WORLD

「BEAUTY INNOVATION FOR A BETTER WORLD」。この言葉は資生堂が掲げる企業理念です。「美」を通して社会課題を解決し、世の中の人たちを幸せにすることを表しています。

この企業理念は事業にも表れており、資生堂は化粧品事業だけでなく、レストラン事業や美容室事業・教育事業・保育事業など幅広く事業を展開しています。

この事業活動を「ビューティーイノベーション」と呼び、見た目の美しさだけでなく健やかさ・生き方・精神面など、さまざまな角度から「美」の価値を提供しています。このように多角的な視点から捉えた「美」の提供こそが資生堂の真価です。

資生堂のSDGsへの取り組み

ここからは、資生堂のSDGsへの取り組みについてご紹介します。SDGsの取り組みを参考にしたいという方は、ぜひチェックしてみてください。

企業の垣根を超えた3社協働でのサーキュラーエコノミーへの取り組み

SDGs11
sdgs12
SDGs14 海の豊かさを守ろう
SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」

プラスチック製の化粧品容器には、再資源化しにくい原因があります。その原因は、中身の保護・使いやすさ・デザイン性が重視される化粧品容器には多種多様なプラスチックが使用されるため分別が難しいことです。

この問題を解決するために資生堂は、積水化学工業株式会社(以下、「積水化学」)・住友化学工業(以下、「住友化学」)と協働しプラスチック製化粧品容器の再資源化に取り組みました。具体的には、以下のような取り組みを行っています。

企業 役割
資生堂 化粧品容器の回収
ポリオレフィン使用
積水化学 エタノールへ資源化
住友化学 エタノールをポリオレフィンへ変換


資生堂が回収したプラスチック製化粧品容器を、『積水化学』がエタノールへ資源化。その後『住友化学』が、エタノールをポリオレフィン(プラスチックの一種)へ変換するといったサイクルです。

このリサイクルによって作られたポリオレフィンを資生堂で使用することで、プラスチック製化粧品容器の循環型モデルが完成します。資生堂では、将来的には同業他社への参画も働きかけたいとし、循環型リサイクルの実現のため取り組んでいるとのこと。

プラスチック製化粧品容器のゴミ問題は、資生堂以外の同業他社でも問題視されており改善の取り組みが行われています。しかし、資生堂・積水化学・住友化学の3社協働という企業の垣根を超えた取り組みは、環境に配慮するだけでなくSDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」も同時に実現した参考となる取り組みです。

国籍・ジェンダーの平等性を実現!管理職の女性比率58.3

SDGs5.ジェンダー平等を実現しよう
sdgs8.働きがいも経済成長も
SDGs10人や国の不平等をなくそう

『「多様なプロフェッショナル人財」の活躍こそが、価値創造を牽引する』

これは、資生堂の人財に対する考え方です。資生堂では、ジェンダーや国籍に関わらず社員一人ひとりに平等にチャンスが与えられています。

実際に、グループ全体における女性管理職の比率は58.3%、従業員は約100の国と地域の人々が働いています。また、女性や外国人が執行役員として昇格していることも特徴的です。(以下の表参照)

女性管理職比率 58.3%
従業員の国籍 100の国と地域
エグゼクティブオフィサー 女性比率35%
外国人比率18%

(参照元:統合レポート2021|資生堂

特に管理職の女性比率は、同業他社である花王株式会社(以下、「花王」)や株式会社コーセー(以下、「コーセー」)と比較しても高い数値となっています。(以下の表参照)

企業名 女性管理職比率
(2021年度時点)
資生堂 58.3%
花王 30.2%
コーセー 28.2%

世界初化粧品つけかえ容器「LiquiForm®︎」を開発

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」
SDGs11
sdgs12
SDGs14 海の豊かさを守ろう
(参照元:資生堂HP

LiquiForm®︎は、ボトルの製造と中身の充填を同時に行える新しいタイプのつけかえ容器です。このLiquiForm®︎を使用することで、従来のつけかえ容器に比べて1容器あたり約70%のプラスチック使用量削減と、約70%のCO2排出量削減を実現できます。

従来のつけかえ容器の場合、ボトルの製造と中味の充填は別工程となります。しかし、LiquiForm®︎の場合は、どちらも同時に行うことが可能です。

そのため、製造した空ボトルを中身を充填するための工場へ運搬するコストや、その際にトラックから排出されるCO2の削減が可能となります。また、シンプルな設計となっているのでリサイクル適正にも優れています。

さらに、LiquiForm®︎は従来のつけかえ容器と比較して薄い設計にできるため、デザイン性の幅が広がり顧客満足度のアップにつながる可能性もあるとのこと。まさに、資生堂のDYNAMIC HARMONYの考え方の一つであるPremium/Sustainability(満足感/サステナビリティ)を実現した取り組みだと言えます。

まとめ

この記事では資生堂の特徴やSDGsへの取り組みについてご紹介しました。企業・国籍・ジェンダーの垣根を超えた取り組みは、パートナーシップが重要なSDGsにおいてお手本のような姿勢だと言えるでしょう。

自社だけではどうしても解決できないことがあれば、資生堂のように同業他社や他業種の企業と協働することも一つの手です。もしSDGsの取り組みに躓いてしまっているなら、資生堂の取り組みや姿勢は参考になると思います。

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ライター:

Webライター。Webサイトを10年以上運営。ブログ記事・コラム記事・メルマガ・LINEステップ配信文など、これまでに1000記事以上を執筆。現在は、企業HPに掲載するコラム記事の執筆を中心に活動中。プライベートでは、大好きなコーヒーを中心にサステナブルなライフスタイルを実践。自分の好きなことを活かして、地球・自然・人の役に立てるよう日々活動している。運営サイト:https://ethica-life.com/

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