気候変動対策は、企業にとってコストと捉えられがちだが、新たな収益源を生み出すビジネスチャンスと考える向きもでてきている。9月に全国各地で開催された「気候アクションウィーク2024」では、約8000人が参加し、再エネ100%の公正な社会の実現に向けた機運の高まりを見せた。この動きは、企業にどのようなビジネスチャンスをもたらすのか。
全国各地で様々なアクションを展開
「気候アクションウィーク2024」は、国際環境NGO FoE Japanなどが参加する「ワタシのミライ」が主催し、9月14日から29日までの2週間にわたって開催された。期間中は、気候変動対策の強化を求めるイベントやアクションが全国36カ所で実施され、子どもから大人まで幅広い世代が参加した。特に、大阪や長野では気候マーチが開催され、沿道の人々の注目を集めたほか、石炭火力発電所のある愛知県や兵庫県では、発電所の停止を求めるスタンディングが行われるなど、地域ごとの課題に合わせたアクションが展開された。
再エネ100%で経済効果と社会課題の解決を
「ワタシのミライ」は、気候変動対策として、2050年までの再エネ100%の達成を訴えている。この目標達成は、経済にも大きなプラスの影響をもたらすと期待されている。例えば、再エネ関連産業の創出や、エネルギー自給率の向上によるエネルギー安全保障の強化などが挙げられる。さらに、地球温暖化の抑制による気候変動リスクの低減や、大気汚染の改善による健康被害の減少など、経済的なメリットは多岐にわたる。
企業は積極的な取り組みでビジネスチャンスを創出
こうした中で、企業は再エネ100%への移行をビジネスチャンスとして捉え、積極的に取り組むことが求められている。特に、太陽光発電や風力発電などの再エネ関連ビジネスは、今後ますますの成長が見込まれている。また、省エネ技術の開発や導入、環境負荷の低い製品開発など、企業が取り組むべき課題は山積している。これらの課題解決は、新たな市場の創出や競争力の強化にもつながり、企業の持続的な成長を支える重要な要素となるだろう。
気候変動対策は企業の成長戦略に
気候変動対策は、地球全体の課題であると同時に、企業にとっても大きなビジネスチャンスを秘めている。企業は、「気候アクションウィーク2024」で示された市民の声を真摯に受け止め、持続可能な社会の実現に向けて積極的に行動していくことが求められる。