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生活者のカーボンニュートラル意識、経済的メリットが行動の決め手に 電通調査

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カーボンニュートラルに関する生活者調査
電通より

株式会社電通は、5万人規模の「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を実施した。

調査の結果、2023年の世界の年間平均気温の上昇を「具体的な数値を含めて知っていた」人は約1割にとどまる一方、「地球が住めない環境になる」といった危機感を抱く人が多いことが分かった。

しかし、カーボンニュートラルに向けた行動の理由としては、「経済的なメリット」を重視する傾向が顕著に表れた。

気温上昇の認知度は低い

 電通が2024年5月に実施した「カーボンニュートラルに関する生活者調査」(全国15~79歳の男女5万人対象)によると、2023年の世界の年間平均気温が、産業革命前に比べて約1.5℃上昇したことを「具体的な数値を含めて知っていた」人はわずか10.6%にとどまった。「具体的な数値までは分からなかったが、内容は見聞きしたことがあった」と回答した人を含めても62.1%という結果であり、パリ協定の目標数値である「1.5℃」が現実のものとなる中で、生活者へのさらなる情報浸透が課題として浮き彫りとなった。

 年代別に見ると、「具体的な数値を含めて知っていた」と回答した人の割合は70代が18.2%と最も高く、次いで15~19歳が16.6%と、若年層と高齢層で比較的高い数値を示した。一方、20~60代は軒並み10%前後にとどまっており、情報接触の機会や関心の度合いに世代間での差が見られる。

カーボンニュートラルに関する生活者調査
電通より

危機感抱く声多数

 同調査では、2023年の気温上昇に対し、どのようなことを感じるか、自由回答形式で質問している。その結果を、テキストデータを分析し、トピック別に分類する「トピックモデリング」を用いて分析したところ、「地球が住めない環境になる」という危機感を示す意見が5.5%と最も多く、地球温暖化による生活への影響を強く懸念する声が一定数存在することが明らかとなった。

 続いて、「政府・企業・個人みんなで取り組むべき課題」 (3.8%) 、「地球温暖化への対策や取り組みに関する具体的な意見」 (3.5%) と、問題解決に向けて主体的な行動を求める意見や具体的な提案が多く挙がった。

カーボンニュートラルに関する生活者調査
電通より

行動理由に経済的意識

 具体的な行動としては、「ゴミの削減・分別」の実施率が79.2%と最も高く、次いで「食事を食べ残さない」(76.7%)、「節電・節水」(76.4%)と続いた。これらの行動は、日常生活の中で比較的容易に取り組めること、経済的なメリットを意識しやすいことが、高い実施率に繋がっていると考えられる。

 一方、「太陽光発電の導入」(9.0%)、「電気自動車(EV)への乗り換え」(6.1%)など、高額な初期投資が必要となる行動の実施率は低く、経済的なハードルが行動の障壁となっている実態が浮き彫りとなった。

カーボンニュートラルに関する生活者調査
電通より

 カーボンニュートラルに向けた行動理由については、15項目中12項目において「取り組んだ方が経済的にメリットがある・得だと思ったから」と回答した人が最も多かった。この結果は、環境問題に対する意識の高まりはあるものの、具体的な行動に移す際には、経済合理性を重視する傾向が強いことを示唆していると言えるだろう。

カーボンニュートラルに関する生活者調査
電通より

【調査概要】
・目的:日本におけるカーボンニュートラルに関する「認知・理解」や「興味・関心」などの現状を把握、今後の浸透策の検討
・対象エリア:日本全国
・対象者条件:15~79歳
・サンプル数:50,000 ※
・調 査 手 法:インターネット調査
・調 査 期 間:2024年5月31日~6月3日
・調 査 機 関:株式会社電通マクロミルインサイト

※ 50,000人に対し、人口構成比に合わせてウエイトバック集計を実施。「%」はウエイトバック後のスコア、「n」はウエイトバック前(回収時)のサンプル数を掲載。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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