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澤田経営道場×ネクストプレナー協会で日本の未来を担う経営者を|渡邉拓斗氏×河本和真氏

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澤田経営道場×ネクストプレナー協会で日本の未来を担う経営者を|渡邉拓斗氏×河本和真氏
日本企業のおよそ99.7%を中小企業が占めています。中小企業が担う従業員は約3200万人、全雇用人口の7割を占める日本の経済・産業を支える大きな土台です。しかし長引く不況と度重なる災害、そして経済危機の中で中小企業は減少を続けており、1999年に483.7万社が、2016年には357.8万社に減少、さらに2020年の休廃業・解散件数も前年比で6350件増の4万9698件になっています(東京商工リサーチ調べ)。

しかし休廃業・解散した中小企業の損益別構成比をみると、そのうち実に6割を超える企業の前期純利益が黒字なのです(2019年、同調べ)。

つまり、廃業した会社の半数以上が、経営を維持していく上での体力・技術力を持ちながらも、その後を継ぐ経営者が不在のために暖簾を下ろしているのです。

この状況を憂う人々が今、動き出しています。

今回は新世代の経営者を育成する澤田経営道場の事務局長・渡邊拓斗さんと、事業承継に新たな風を吹き込む一般社団法人ネクストプレナー協会の代表理事・河本和真さんにお話を伺いました。両者は今、手を取り合って新しい経営者のための枠組みを作ろうとしています。

中小企業は起業10年後の存続率が7割、20年後では5割といわれています(中小企業白書より)。彼らがこの現状にどのような危機感を抱いているのか、そして将来にどのようなビジョンを持っているのかを伺いました。

経済の活性化は起業家の育成にあり

Q.本日はよろしくお願いします。まず渡邊さんから澤田経営道場の理念についてお尋ねします。

渡邊:澤田経営道場の母体である財団公益財団法人SAWADA FOUNDATIONは株式会社エイチ・アイ・エスの創業者・澤田秀雄によって、文化芸術、教育振興を目的として発足しました。その後2015年に、より理想的な社会を実現するための指導者の育成を目指し、起業家・経営者・政治家の育成機関として新たにスタートしました。当財団では2年間の研修を用意しており、卒業後に自ら事業を起こしていただきます。2015年に第1期生が入門し、今年2021年の4月からは第7期生が入門しています。現在までに30名ほどが卒業していますが、その中から12、3名が商社・金融・ヘルスケアなどの事業を立ち上げています。政治家も1人輩出しています。

Q.続いて、河本さんにネクストプレナー協会についてお伺いします。そもそも、ネクストプレナーとはどういった意味なのでしょうか。

河本:ネクストプレナーとは、アントレプレナーとかイントレプレナーという日本に広がりつつある言葉に対して、次の承継者、次の起業のスタイルという意味から接頭語ネクストを付け、ネクストプレナー「次の実業家」と命名しています。「日本には後継者不在の企業が多い」という問題意識が根源にあります。後継者難の企業に有望な経営者を紹介し、事業承継を支援することが目的です。

日本の中小企業は減少を続けています。今後はさらに127万社が後継者不在のまま、黒字で廃業しなければならないといわれています。それは遠い未来ではなく、2025年までには到来すると予想されている。GDPベースで22兆円の損失、そして650万人もの雇用が失われてしまうほどのインパクトです。いわゆる「大廃業時代」の到来です。この問題を解決するための1つのソリューションを提供していきたい、と考えたのがネクストプレナー協会を発足させた理由です。

Q.起業する時のファーストステップを事業承継でスタートしていくと。

河本:起業はどうしてもゼロから立ち上げていくのが一般的なイメージだと思います。しかしネクストプレナー協会では承継を望んでいる後継者不在企業を引き継ぎ、そこから実際に自分の経営をスタートさせていくモデルを提案しています。

また当団体では、そのためのマインドセット、事業承継のポイントやノウハウを学ぶための「ネクストプレナー大学」も運営しています。ネクストプレナー大学で経営の基礎を学んでもらい、また実地の研修も受ける。そしてそれらのカリキュラムを終えてから後継者不在企業とマッチングします。

マッチングの段階で必要になる資金についても、当団体が調達の窓口になっています。事業承継は形としてはM&Aなので、どうしても資金が必要になります。それを個人の負担とするのではなく、承継する企業の価値に応じて投資家から資金を募る。これもモデルの中に組み込んでいます。

起業したい、と心の中で思っていても日々の仕事に忙殺されていつの間にか30代、40代になってしまったという人は多い。そこから改めてゼロから起業するとなるとエネルギーも必要だしきっかけやチャンスも少ない。そういう人たちの支援をするために創設したモデルです。

Q.ネクストプレナー大学にはどういった人たちが多いのでしょうか。

河本:主に大手企業で会社員をしていた人が多いですね。またゼロからの起業を考えていたけれども、このモデルなら効率がいいのでは、と考えて来られた人が1割、現在すでに経営に携わっているが、もっと新しい事業のポートフォリオを持ちたいと考える人が3割ほどです。

とはいえネクストプレナーの概念が生まれたのが2020年の10月なので、現在はまだ第0期生13人がやっと実地の研修に入っている状態です。2021年6月に第1期生40人が入学してきます。

Q.事業承継の対象となる企業とはどのようにしてマッチングしていくのでしょうか。

河本:企業のマッチングルートについてはいくつか想定しています。1つは当団体の母体であるM&Aコンサルティング会社のGrowthix Capital株式会社です。私はこの会社の取締役CFOも務めているのですが、このGrowthix Capital株式会社が探してきた案件からマッチングするルートが1つ。そしてもう1つが、こちらも私が理事を務めるサステナ社団(一般社団日本事業継続支援機構)。サステナ社団では対象企業自体も承継しやすい形を整えておく必要がある、という観点から事業承継をするためのパッケージを作る事業を行っています。これらの組織でデューデリジェンスなどを行い、それからマッチングします。さらにネクストプレナーに資金を提供するためのファンドを2021年7月にスタートさせます。そこも1つのマッチングルートになるでしょう。

Q.実際に事業承継を行うとなると、様々な利害関係者がからんでくるでしょうから、難しい面もでてくるのではないかと思います。

河本:おっしゃる通りです。実は私自身もネクストプレナーとして保育園の事業承継をした経験があり、その時に多くの困難に直面しました。すでに出来上がっている他人の城を引き継ぐのですから、従業員やクライアントである保護者との信頼関係の構築など、問題が次々に起こった。ゼロからの起業とはまた違った難しさがありました。私自身がネクストプレナーとして実際に事業承継をした経験も踏まえて、難しいと感じた点、そして重要と感じた点をネクストプレナー大学で提供していきたいと考えています。

両者が手を組むことで相乗効果が生まれる

Q.事業承継を主とするネクストプレナー協会と起業家を育てる澤田経営道場がどのようにして繋がることになったのでしょうか?

渡邊:澤田経営道場の第2期生だった東小薗光輝さん(現H.I.F株式会社代表取締役)を介して紹介していただきました。つい最近、2021年の初頭だったと思います。

河本:東小薗さんは凄くスピーディな方で。お会いして2回目くらいだったのですが、私が「後継者不在企業が多いという社会的課題を解決するため、ネクストプレナー協会はもっと経営人材を育成していかなければならない」と伝えたら、東小薗さんから「澤田経営道場の理念と近いものがあります」と言っていただき、ご紹介いただきました。

渡邊:私もネクストプレナー協会さんの理念をお聞きして、起業家を育てることと事業継承を主とする点の違いはありますが「ゴールは一緒ではないか」と感じました。そこで双方の強みを生かして、お互いに補い合える活動を目指したいと考え、今の形でスタートすることになりました。

例えば澤田経営道場ではゼロからの起業を目指す経営者を育てているので、経営者として必要な財務会計や法務・労務の知識、そして何より創業者・澤田秀雄氏が考える人間力の高い人材育成を行っているのですが、ネクストプレナー協会のような事業を受け継ぐためのノウハウなどを学ぶ機会はありません。

河本:ネクストプレナー協会としてはやはり、歴史の浅さが弱点です。その点、澤田経営道場さんは現在第7期生まで輩出しており、経営者を育成するためのカリキュラムが充実している。そこに2年間脱サラしてまでも経営を学びたいと考えているマインドの高い方々が集まっている。こういうマインドの高い方々とネクストプレナーに興味を持ってきた方々がミックスすることによって生まれるマインドの醸成、コミュニティが強化される点は大きい。

やはり経営者を目指すハードルはそれほど低くないと思います。やっていく中で様々な障害にぶつかって途中であきらめてしまったり、次に再挑戦しようかと思っているうちにどんどん機会を逃していくケースも多くある。その時に同じ志を持って集まっている人たちと触れあうことで踏みとどまることができる。そういう精神的支柱にもなると思います。

また事業承継をしようと思ってネクストプレナー大学に入ってきた人の中から学んでいくうちに自分もゼロから起業したい、と思う人も現れるでしょう。そういった時に澤田経営道場さんとジョイントしていれば、z背ろからの起業を支援していくこともできると思います。

渡邊:その点については澤田経営道場生が起業後に事業譲渡をする、ネクストプレナー生が事業承継をされた後に新規事業を立ち上げるケースも今後でてくるかと思います。そんな時にお互いに上手くカバーしあえる関係性で作っていければいいですね。

Q.今、お話に出てきた東小薗さんのH.I.F株式会社とも、今後提携を強めていくと伺っています。

河本:ファイナンスの面で大きく絡んでいく形になると思っています。例えば事業承継する時にファンドからも資金提供をしますが、さらにLBOのような形でH.I.F株式会社さんとも協力していきたい。経営に必要な人・物・金の「金」の部分について、特にAI定性与信領域にH.I.F株式会社は強みを持っていますから。

ネクストプレナー協会と澤田経営道場さん、そしてH.I.F株式会社さんとGrowthix Capital株式会社の4社が手を取り合って、新しい経営者を育成していくという座組になっています。

実地でのカリキュラムを充実させ、事業承継の成功率を高める

Q.カリキュラムについてはどのような内容になるのでしょうか。

河本:マネジメントゲームを取り入れる予定です。これはボードゲームの1種で、ゲーム内で5カ年計画で経営を回していくというものです。こういうゲームを使って遊び感覚で経営の仕組みと面白さを知ってもらいたい。またその中で澤田経営道場の方々も交えて経営マインドの啓蒙をしていきたいと思っています。

渡邊:良い意味でライバル心をもって、お互いに高め合っていければどちらにとってもプラスになると考えています。澤田経営道場メンバー対ネクストプレナー協会メンバーで切磋琢磨できるといいですね。

河本:お互いカリキュラムの中に実地研修が組み込まれていますので、利用し合うのも面白いと思っています。澤田経営道場さんの実地研修では、例えばハウステンボス内にある店舗を実際に経営する、というものがあります。一方ネクストプレナー協会の実地研修では実際の中小企業の経営に参加し、経営企画室を組成します。これは、先ほどお話したサステナ社団が行っている経営企画室設計パッケージという商品を利用して、ネクストプレナー大学の実地研修生が実際にコンサルティングを行うものです。

なぜ経営企画室を作るのかというと、中小企業の経営は基本的に社長の頭の中だけにノウハウが詰まっていて、これを見える化しないまま次世代に引き継いでしまったり、M&Aをしたりして、それ以前の経営とギャップが生まれてしまうケースが非常に多いからです。M&Aや事業承継の成功率はわずか36%で、64%が失敗しているのは、経営の実態が見える化されないまま引き継がれているからです。そこで私たちは経営企画室設計パッケージによって、まず社長の頭の中を見える化し、さらにそれを仕組みに落とし込みます。そして仕組みに落とし込んだ権限を各部署に移譲する。こうすることで社長が1人で孤軍奮闘してきた経営から脱却して、周囲の人材が自走して稼働していく会社に変えていく。社長とは別に、会社の司令塔を作るのがこのパッケージの目的です。ネクストプレナー大学ではそれを実地研修に組み込んでいます。

将来の日本のために何ができるか

Q.M&Aの取材をしていると、黒字で業界オンリーワンの企業でも、事業承継をせずに廃業してしまうケースを目にすることがあります。その理由は様々ですが、例えば今後需要が減少し、業界全体がシュリンクしていくことを鑑みて、「身内に継がせる気はない」「今辞めたら誰にも迷惑をかけない」と考える方も多く見受けられます。いうなれば日本人ならではの美学、引き際の哲学があります。こういった事業承継を選択する売り手側の意識、価値観についてはどうお考えでしょうか。

河本:そういう考えの経営者は多くいます。しかしそういった企業の経営者は企業のコアバリューを理解していないのではないか、と思っています。例えば富士フイルム株式会社は、元々は写真屋だった会社が、写真の技術を転用して今は化粧品の会社として生まれ変わりました。これは「奇跡のイノベーション」と呼ばれていますが、まさにこれを実現しようと挑戦するのがネクストプレナーだと思っています。

私が最初にM&Aのディールを組んだのは創業170年の歴史がある和菓子屋さんでした。当社はとても美味しい和菓子を製造していたのですが、ブランディングや販売チャネルなどの売り方に課題がありました。そこで、当社をブランディングが得意な企業がM&Aをして、その和菓子屋さんは店舗の内外装をリノベーションしたり、インスタグラムを活用したり、そして若い人が興味を持つような様々な商品開発を行いました。その結果2年間で黒字転換を実現したのです。しかも黒字化しただけでなく、工場を新設し、渋谷などの都心でも販売できるまでに拡大した。

さすがブランディングが得意な会社だ、と思っていたのですが、和菓子屋さんの社長に「河本さん、誰が当社のプロジェクトマネージャーだと思います?」と問われて、紹介されたのがまだ普通の大学生のような新卒2年目の女性社員だったのです。彼女が全てを仕掛けていたのです。

彼女は和菓子屋さんの持っていた丁寧な工程や鮮度などの良いところ、つまりコアバリューを残しながら、そこにひと手間を加えることで全く新しい会社にイノベーションしてしまった。いうなれば「新しい温故知新」を成し遂げていた。

そういう事例を見てきたからこそ私は思います。業界がシュリンクしていくから店じまいだ、と話す社長には「いやいや、御社のコアバリューは、もしかするとそこではないのではないでしょうか」と。それを常に問いかけていきたいです。

渡邊:将来を展望した時に、中小企業がどんどん廃業していく流れの中で、イノベーションが生まれづらくなり、新しい企業も出て来なくなることを危惧しています。この悪循環が続くと日本の経済全体がグローバルの波に乗り遅れていってしまう。そんなことになってはいけない、という想いの下で澤田経営道場は生まれました。道場の創立者・澤田秀雄が起業家として活躍していた頃は、今より格段に規制が厳しく、起業のハードルが高かった。しかしそれにもかかわらず、チャレンジする人は少なからずいた。対して今はどうでしょうか。ネットを活用して、起業し易くなっているにもかかわらず挑戦する人は少なくなっている。

ネクストプレナー協会さんが考えているような企業を受け継ぐことも含めて、新しい道を拓いていくことが将来の日本を豊かにするためには必要だと思います。今両者は人材の交流や実地研修の受け入れ、情報共有、コミュニティの形成などの活動を行っていますが、これらが最終的にはより良い世の中をつくるというミッションに繋がっていく。いずれは澤田経営道場とネクストプレナー協会さんだけでなく、他にも色々巻き込んでいければ面白いですね。

河本:私は1989年生まれの32歳です。この世代は生まれた時には不況のただ中にいた、いわゆる「失われた30年」を共に歩んできた人々です。大学生の時にリーマンショックを体験しましたが、その時はまだ「失われた20年」でした。それがいつの間にか30年になってしまっている。これを放っておくとすぐに40年、50年となっていくのではないか、と想像すると、まるで「自分の人生が全て負けている」と言われているかのように感じることがあります。だからこれをなんとかして止めたい。私はM&A業界の人間なので、これからの大廃業時代を指をくわえて見ていることはできません。だから多くの経営人材を生み出して、幾多の中小企業を引き継ぎ、エネルギッシュな人材に溢れる日本にしていきたいと考えています。

澤田経営道場さんと共に、同じ想いを持っている方々と協力しあって新しい日本を、失われた30年からの脱却を目指していきたいですね。

死ぬ時までずっと「失われた〇年」と言われているのは嫌ですから。

 

<団体概要>

澤田経営道場

運営母体:公益財団法人SAWADA FOUNDATION

https://sawadadojo.com/

所在地:〒163-6034 東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー34階

設立:2013年6月17日

道場開講:2015年4月1日

理事長(代表理事):澤田 秀雄

事務局長:渡邉 拓斗

事業内容

・経営道場の設置と運営

・その他本財団の目的を達成するために必要な事業

 

一般社団法人ネクストプレナー協会

https://association.nextpreneur.jp/

所在地:〒103-0026 東京都中央区⽇本橋兜町22-6 東京セントラルプレイス6階

代表理事:河本 和真

設立:令和2年9月1日

事業内容
・事業承継コンサルティング

・補助金活用

・各種専門家紹介

・権限移譲におけるアドバイザリ―サービス

・経営企画室構築支援

・事業承継者育成のための「ネクストプレナー協会」の運営

 

H.I.F.株式会社

住所: 〒160-0023東京都新宿区西新宿6-21-1 アイタウン・プラザ2F

代表者: 代表取締役 東小薗光輝

設立: 2017年11月

資本金: 2,112,499,850円(資本準備金含む)

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WRITER
シニアライター
菰田 将司
このライターの記事一覧

1980年千葉県生まれ 筑波大学大学院博士課程中退(台湾留学経験有り)。専門は中国近代政治外交史。その他、F1、アイドル、プロレス、ガンダムなどのジャンルに幅広く執筆。特にガンダムに関しては『機動戦士Vガンダム』blu-ray Box封入ブックレットのキャラクター・メカニック設定解説を執筆(藤津亮太氏と共著)。

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