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株式会社アライブメディケア

https://www.alive-carehome.co.jp/

東京都渋谷区神宮前6-19-20第15荒井ビル3F

03-5485-0855 (代表)

介護業界の新潮流!アライブメディケアが実現するQOL向上と旅行支援

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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アライブメディケア 安田雄太さん
アライブメディケア 安田雄太氏 (提供:アライブメディケア)

東京都渋谷区に本社を構える株式会社アライブメディケアが、介護業界における革新的な取り組みで注目を集めている。2014年以降の業績低迷を乗り越え、ウェルビーイング経営を掲げて企業改革に成功。

介護現場の質を向上させるだけでなく、従業員の幸福度を高めることに注力し、業界全体の未来を見据えた取り組みを進めている。

 

経営の低迷と改革への挑戦

アライブメディケアは創業以来、高品質な介護サービスを提供してきたが、2014年頃から組織内の慢心や業務のマンネリ化により業績が低迷。2017年から2019年にかけて3期連続の営業赤字を記録した。こうした状況の中、2021年に代表取締役に就任した安田雄太氏が「アライブの再生」を掲げ、大胆な経営改革に乗り出した。

「当時の私は介護の現場には詳しくても、社会全体の視点での経営は未熟でした。しかし、現場の声を適切に届けることの難しさを痛感し、ウェルビーイング経営という考え方に出会ったことで方向性が明確になりました」と安田氏は振り返る。

同社は従来のトップダウン型の経営から脱却し、株主だけでなく、入居者、従業員、パートナー企業、地域社会の六方を見据えた経営に舵を切った。「人を大切にする気持ち」を基本とし、社員の幸福を追求することが結果的に入居者の幸福につながるという信念のもと、組織の再構築を行った。

セコムグループ入りと現在の関係性

アライブメディケアは元々独立した企業として運営されていたが、親会社である荒井商店の意向により、セコムグループ入りを果たした。荒井商店とセコムの創業者同士が大学時代の先輩・後輩という関係にあったことが、この経営統合の背景にある。荒井商店は不動産事業を展開しながら、病院運営や介護事業も手がけていたが、より確実な経営基盤を求め、セコムへと事業譲渡を決断した。

現在、アライブメディケアはセコムグループの一員として、セキュリティや医療サービスとの連携を強化し、より包括的な介護サービスを提供している。セコムが持つ見守り技術や病院ネットワークを活用しながら、アライブ独自の介護ノウハウを掛け合わせることで、業界内でも独自の地位を確立している。

 

他の介護事業者との違い

ホワイト企業大賞の推薦証を受賞
社員を大切にする経営が評価されて、2025年2月2日にホワイト企業大賞推進賞を受賞(提供:アライブメディケア)

アライブメディケアの最大の特徴は、単なる介護サービス提供ではなく、入居者の「生活の質(QOL)」を向上させることに重点を置いている点にある。多くの介護施設では、入居者が介護を受けながら静かに余生を過ごすことを前提としている。

しかし、アライブメディケアでは、身体の状態を整える「自立支援ケア」と認知症による心理状態の改善を目指す「認知症ケア」、そして「ケアの倫理」の3つを掛け合わせたケアを行うことで、入居者が自立し、可能な限りアクティブな生活を送ることを支援する。自立支援型介護の導入により、要介護状態からの回復や社会復帰の可能性を最大限に引き出している。

ホワイト企業大賞推薦賞を受賞した際の様子(提供:アライブメディケア)
ホワイト企業大賞推進賞を受賞した際の様子(提供:アライブメディケア)

また、人員配置にも大きな特徴がある。法令基準では入居者3人に対してスタッフ1人の配置が定められているが、アライブメディケアでは入居者3人に対して2人のスタッフを配置し、より細やかなケアを実現している。さらに、最先端のAI技術を活用し、入居者の行動分析や健康状態のモニタリングを専門性と人間性の高いスタッフが行うことで、未然にトラブルを防ぐ体制を整えている。

旅行支援プログラムの詳細

アライブメディケアでは、介護施設としては異例の「旅行支援プログラム」を実施している。このプログラムは、入居者の身体的・精神的健康の向上を目的とし、医師や介護士が同行することで、安全かつ快適に旅行を楽しめるよう設計されている。

アライブメディケアの入居者の旅行の様子
入居者が旅行支援プログラムを体験している様子。沖縄旅行(提供:アライブメディケア)

旅行前には、入居者一人ひとりの健康状態を詳細にチェックし、適切なサポート体制を整える。例えば、持病を持つ入居者には医療スタッフが特別なプランを用意し、食事の管理や服薬スケジュールも事前に調整する。また、移動手段についても、車椅子対応のバスや専用の移動サポートが完備されており、負担を最小限に抑えた形での旅行が可能となる。

旅行先の選定も慎重に行われ、入居者の希望を反映しながら、温泉地や観光地、自然豊かな地域など、心身のリフレッシュが期待できる場所を選ぶ。旅行中は、入居者が安全に楽しめるよう、スタッフが常に寄り添いながらサポートを行う。

「介護施設に入ったらもう外には出られないという常識を変えたい。入居者が行きたかった場所に行けることは、人生の満足度を大きく向上させます」と安田氏は語る。この旅行支援プログラムは、すでに100名以上の入居者が参加しており、多くの参加者から高い評価を受けている。

 

未来への展望

今後のビジョンとして、アライブメディケアは「アライブ品質のサブスク契約」を構想している。複数の拠点を用意し、季節ごとに異なる地域で快適に暮らせるような仕組みを構築。例えば、「夏は北海道、冬は東京」といったライフスタイルを実現し、より自由度の高い介護サービスを提供することを目指している。

「介護=ネガティブなものではなく、より良い生活を実現するための選択肢の一つとして認識されるようにしたい。介護業界全体のイメージを変え、社会全体のウェルビーイングを高めることが私たちの使命です」と安田氏は展望を語る。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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