「豊島区が大好き」という思いを胸に、豊島区の地域課題に20年以上向き合い続けている特定非営利活動法人としまNPO推進協議会(以下、としまNPO推進協議会)代表理事の柳田好史氏。
「HIRAKU IKEBUKURO 01-SOCIAL DESIGN LIBRARY-(以下、SDL)」のファウンダーとしても設立に一役買っている。
20年以上の付き合いだという松本社長との出会いや、SDLへの思い、柳田氏から見たマテックスなどについて伺った。
自己紹介
としまNPO推進協議会ではどのような取り組みをしているのですか?
柳田
豊島区の課題を解決することを目的として、地域活動を継続的に行っている人たちを支援しています。
私たちは、地域課題を解決するには皆で手を取り合って取り組んでいく必要があると考えています。
行政だけでなく、街の人たちにできることもたくさんあるはず。それに、同じ活動をバラバラにしていては、進むものも進みません。
そこで、豊島区エリアで活動しているNPO法人や企業、行政のネットワーク構築をおこなっている中間支援組織です。
柳田
1998年に特定非営利活動促進法(NPO法)が成立したことを機に、社会貢献活動が単なるボランティア活動ではなく、事業として法人格を持ってできるようになりました。
それによりたくさんのNPOが立ち上がったのですが、同時にいろいろな課題も浮かび上がりました。
行政と何かしたいけど手を結べない、人員の確保ができない、資金繰りがうまくいかない、ネットワークがない…。
対する行政側も、地域の方々と一緒に取り組むことを目指していたのですが、それぞれがすれ違って上手くいっていなかったのです。
それなら、皆で寄り合えるような中間支援組織を立ち上げれば良いのではないか。そこでできたのがとしまNPO推進協会です。
柳田
やはり豊島区が大好きだからですね。私は大企業の出身で、当時は転勤で住まいも全国を転々としてきました。
そんな中で、初めて腰を据えて住民となり、居を構えたのが豊島区でした。そして地域の住民として暮らしてみて初めて、地域には課題が沢山あることに気がつきました。
実は池袋は放置自転車が全国ワースト1位で、二重三重にも重なって自転車が当たり前に放置されていて道路はめちゃくちゃでした。
歩道は狭くなり、点字ブロックは塞がれ、車いすや緊急車両が通りづらくなるなど、さまざまな弊害を引き起こしていました。
それで実際に20年ほど放置自転車問題に取り組みました。ほかにも、数年前までしていた不動産賃貸業ではマンション問題にも直面しました。
こうして地域の課題を知り、取り組むのと同時にだんだん街への愛着がわいてきました。そうすると、街への愛着を持った人たちがたくさんいることにも気がつくわけですね。
そういう方々と繋がりながらまた活動していくうちに、ますます愛着がわいていって。気づけば豊島区が大好きになっていました。
柳田好史さんとマテックス
柳田
最初の出会いは20年ほど前に遡ります。当時、豊島区で地域活動に積極的なCSR企業がないか探していたんです。
というのも、当時は本質的にCSRに取り組めている企業はまだまだ少なくて、私自身も「本当のCSRとは」というものを追っていました。
そんな時に知人から松本社長を紹介していただいて、当時私が担当していた都内の大学での講義に来ていただきました。
その時に話を伺って、社員もお客様も、関わる人皆をすごく大事にしていることに何よりも驚きました。「三方よし」を地で行っている人だと思いました。
その中で松本社長は「社会においてマテックスが存在する意義がどこにあるのか」をとことん突き詰めていました。
リーダーとしての資質があるだけではなく、本当のCSRの意味と意義を充分に理解されている方だと思いました。その時に「この人はすごい経営者になるだろう」と思いました。
実はすでに素晴らしい経営者だったのですが、もっと洗練されていくだろうと。そんな松本社長の魅力に惹かれて、かれこれ20年以上お付き合いが続いています。
柳田さんはSDLのファウンダーのお一人ですが、どのような経緯で一緒に立ち上げる事になったのでしょうか。
柳田
同じくSDLのファウンダーである立教大学名誉教授の中村陽一さんから、私が相談を受けたことがきっかけでした。中村さんは定年にあたって、自らの蔵書を活用したいということでした。
それで、松本社長ならもしかすると何かご相談できるかもしれない、と思い話してみたんです。
すると、「実はちょうど本を置いてみたい場所があるんですよ」と、どんどん話が進んでいって、今こうしてSDLという場所になりました。
SDLは豊島区においてどのような存在になってほしいですか。
柳田
地域と融合し、地域に根差した場所になってほしいですね。
街の皆が知っていて、街の情報が集まっているような、そんな場所にしたいです。今の時点でラボとして十分ひらけていますし、何か足りないものもなく、既に拠点として形作られてきていると思います。
ただ、もっと先を見た時に、地域の人たちから受け入れられていないものは継続的な普遍性を保てないと思うので、地域の方々から評価される場所としても同時に実現していきたいです。
これからはより地域にひらかれた場所づくりへ、一緒にチャレンジしていきたいと思っています。
柳田好史さんから見たマテックス
柳田
社員一人ひとりを見ていて、本当にワンチームという感じがしますね。それは他の会社にはない、マテックス最大の強みだと思います。
松本社長が何よりも大事にしていることがあって、そのうえで社員一人ひとりをものすごく大事にしていて、社員の皆さんもそれを充分理解している。
本当にすごいと思います。他の企業には絶対にできないですよ。
社長が見ている方向に社員も一緒に向くことって、ものすごく難しいことですから。
多くの場合は同じ方向に向いてくれない。でもマテックスさんは「社長が進んでいる方向はきっと間違っていないからついていこう」と、納得して一緒の方向を向く社員が多いのではないかと思います。
松本社長は、社員が納得できるように一人ひとりに合わせた話し方や接し方ができるのだろうと思いますね。
それができるだけの理論や知識が彼の中にあったうえで、そこに心の豊かさがあるからこそ、そんな企業文化ができているのでしょう。
マテックスの4つのマテリアリティである「依(よりどころ)」「自分ごと化」「脱炭素」「経済成長至上主義からの脱却」のうち、最も納得するものはどれですか。
柳田
「経済成長至上主義からの脱却」です。
「窓から日本を変えていく」という言葉がまさにそれを体現していると思います。経済成長至上主義からの脱却がない限り、日本の先はないと松本社長は言い切っていると思いますし、私もそう考えています。
お金はあって困ることはないですが、ありすぎる必要もないですし、ありすぎるなら何かに使うべきだと思うんですね。
お金は使って価値が生まれるものですから。それがどうしてか、どこかに集まって流れていかなくなってしまっている。そもそもこの仕組みを見直すべきなのではないかと思います。
こうした部分で松本社長と同じようなことを考えていますし、良い考えだと思うので、とても共感できますね。
柳田
これからやりたいことは、会社で探してみるのも良いと思います。マテックスさんは、きっとあなたのやりたいことが見つかる会社です。
学生時代に夢を持つのももちろん良いですが、社会人になってから変わることもたくさんあります。
その中で考え方や、付き合う人も変わり、お金以外の部分で自分が楽しいと思えることに出会える。そうして、やりたいことが見つかっていくかもしれません。
そして、その思いが本気なら全力で応援してくれる会社だと思います。本気でないと松本社長にはきっと見破られてしまうと思いますが、本気で自分の言葉で話したらそれが叶う。
自分のやりたいことを見つけて実現できる会社が、マテックスさんだと思います。
◎プロフィール
柳田 好史
特定非営利活動法人 としまNPO推進協議会 代表理事
池袋駅前放置自転車対策、マンション問題などをきっかけに、社会貢献活動に参画。地域活動を活性化するために、社会貢献活動団体の中間支援組織の必要性を痛感し、民設民営の中間支援組織としまNPO推進協議会を設立。地域サロン「みんなのえんがわ池袋」などを運営する。自称【池袋お助けマン】
◎法人情報
特定非営利活動法人:としまNPO推進協議会
https://www.toshima-npo.org
所在地:〒171-0041東京都豊島区池袋3丁目30番21号マルモビル1F
代表者:柳田 好史
TEL:03-5951-1508
FAX:03-6754-5468
メールアドレス:en@toshima-npo.org
設立年月日:2009年3月17日