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株式会社HRイノベーション

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〒660-0872兵庫県尼崎市玄番北之町26−1−1218

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株式会社 HRイノベーション松本秀樹代表|物販は「価格以上の価値を届ける」仕事

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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人生には思いもよらぬ転機が訪れることがあります。それは、必ずしもプラスではなく、病気やケガなど予期せぬ困難からもたらされることも。

今回ご紹介するのは、職人として独立するも、体調不良により第一線から退いたことで、物販という畑違いの分野で身を立てた株式会社 HRイノベーション代表の松本秀樹さんです。

自分が作っていないものを販売して、お金をいただくことに最初は罪悪感があったという松本さんですが、1分に1個以上売れる大ヒット商品「発電するソーラーテーブル」により、テレビやタイアップのオファーが舞い込んでいるのだそうです。

そして、多くのお客様からの「ありがとう」の感謝の言葉いただくなかで、「お客様ありき」の商売の在り方に目覚め、現在はネットで物販のスクールを運営し、物販に対する社会の意識を変えたいと語ります。

職人から挫折して……畑違いで飛び込んだ物販業への道

-どういったきっかけで現在のお仕事を始められたのでしょうか?

もともと、私は建築関係の職人でした。屋外の仕事だったので、雨天時など天候で仕事ができないことがあり、従業員たちに安定した仕事を与えることが難しかったんですね。そこで、天候に左右されない仕事をと考え、物販を始めました。

その後、私が体調を崩して現場で働くことが難しくなってしまったのです。屋外にいると熱中症のような症状が出て、片頭痛が収まらない。体が動かなくなり、ひどい時は戻してしまったりして何もできなくなってしまいました。自分の会社なのに、社長が現場に出られないなんて、従業員に対して示しがつかない……悩んだ結果、それまで職人たちに任せていた物販業を自分が行うことにし、これまでの事業については取引先も含めて従業員に譲ることにしました。物販一本で生きていこうと決めたのです。

現在は、私と妻が経理を、パートの方が1名という3名体制で事業に取り組んでいます。

自分で作っていないものを売ることに抵抗があった

-それまでとは随分異なる業種に事業を転換されて、新しい発見などがありましたか?

気持ちの切り替えに時間がかかりました。

職人時代は「モノづくり」の立場。お客様に優れたものを作って提供するのが仕事でした。前職のメーカーでは3年連続で表彰いただくなど、自分の作るものには自信があったので、それでお金をいただくことは何の抵抗もなかったのです。しかし、いざ卸売や小売を始めてみると、自分の作っていないものを販売することに対しては、なかなか自信が持てませんでした。値付けに対しても「この価格で販売していいのだろうか?」「お客様からお金を不当にいただいてしまっているのでは?」そんな気持になってしまって……

ですが、自分が販売したお客様から「こんな商品が欲しかった」といった感謝のメッセージをいただくようになり「自分の考えはもしかして間違っているのでは?」と認識するようになりました。

「誰も損をしない」自分ありきではない「優しさ」を届ける

-現在は、ネットで物販のスクールも行っているそうですが、受講生の方に対してどのようなことをお伝えしているのでしょうか?

今の世の中、「自分」が主になっている人が圧倒的に多いと感じます。

私が常に言い続けているのは「誰も損をしない」ということ。これは、建築業で職人をしていたころからの絶対的な条件です。それに加えて、「すべてにおいてお客様を優先させること」をお伝えしていますね。

メールひとつとっても、相手がそれを読んだ時にどういう気持ちになるのか、そもそも相手は何を欲しているのか、気持ちをちゃんと汲むことが重要です。

私は「超簡単! スマホでメルカリ スタートから稼ぎまくる裏技まで」という本を出しているので、受講生にもメルカリを使っている方が多くいます。「YouTubeでこうすると良いと知った」「誰かに『こうすると売上が上がる」と言われた」という方がいらっしゃるのですが、それって全部単なる「エゴ」なんです。

「売上を上げたい」という気持ちが先走り「お客様が何を望んでいるか」という肝心なことが抜けてしまっています。

メルカリのページを見た時にも「なんとなくこのページは感じがいいな」と思っていただけるよう、いろいろなところで意識して演出してほしいと伝えています。

-「お客様が望んでいること」を提供するためには、具体的にどのように考えればよいのでしょうか?

例えば、女性と一緒の部屋にいた時、彼女が寒そうにしていたらどうしますか?

この時に示す優しさって4パターンあります。

1つ目は、「寒い」といわれて自分の上着やマフラーなどを貸してあげる人。

2つ目は、寒そうにしている様子から何も言わずにエアコンのスイッチを入れて部屋の温度を上げる人。

3つ目は、「なんで今日寒いのがわかっていて薄着で来るの」って怒る人。

4つ目は、「そうだね、今日は寒いね」って共感してあげる人。

1つ目の、服を貸してあげるっていうのは、わかりやすい優しさに見えますよね。でも、相手からすると、好意のゴリ押しをされているように思うかもしれません。その状況だと「ありがとう」といわないといけないですし、相手に借りを作ってしまうことになります。

女性からしてみたら「あまりよく知らない男性の上着を着るなんてちょっと嫌」と嫌悪感さえ抱いてしまうかもしれない。でもほとんどの人が、このパターンの行動を「優しさ」だと考えているんですよね。実は居心地を悪くしているかもしれないのに。

一番良いのは2つ目です。何も言わないのに、自然と快適な状況になっている。これは非常に居心地が良い。

3つ目は、その人のことを考えて「こういうことを繰り返させないようにしよう」という優しさの表れかもしれません。しかし、モラハラと捉えられる可能性の方が高いでしょう。

4つ目は、自分がその人に対して何もしてあげられないけど、「寒い」というマイナスの感情を一緒に共感してあげるという優しさがあります。

このように、同じ状況で示す「優しさ」だけでも4種類あります。メルカリの文章を書くという状況でも、お客様本位に立ったものの見方、考え方をしたうえで表現しないとダメだという話です。

-メルカリの文章ひとつをとっても深いものがあるのですね。

現在あるネット物販のスクールは「何を売る」「どうやって売る」ということばかりにフォーカスしすぎているように思います。「これを売れば儲かりますよ」とか「このツールを使ったら稼げますよ」といった話ばかりなのです。

何が問題かというと「何を売る」だと、その「何」がなくなったらどうするのですか?「どうやって売る」も、Amazonやメルカリといったプラットフォームがなくなったら、どうするのですか?ということです。私がお伝えしたいのは、それよりも「誰」がどういう戦略を持って、どうやって売るかというのが絶対的に大事だということです。プラットフォームは確かに便利ですが、それらのツールは単なる道具。売る人にちゃんとした技術、しっかりとした信念がないと使いこなせません。

よく生徒には「一流と二流の違いを考えて」と伝えています。

例えば、レストランで考えてみましょう。昨今は「美味しいもの」ってわりとどこでも食べられますよね。じゃあ一流と二流の店の差はどこでつくかというと「おもてなし」です。

一流のお店は、先ほどの「寒い部屋」の「黙ってエアコン」のように、お客様に気づかれないように快適にする気配りを随所にしています。「何故かわからないけど、このお店は居心地が良い」と思わせるからこそ、一流の店として認められるのです。逆に「私の店はこんなに良いサービスがあってあれもこれも素晴らしいです」とアピールされても興ざめですよね。

私が、Webでスクールを開講しているのは、今までの物販に対する「自分さえよければ良い」思考を変え、ちゃんとした物販を目指してほしいからです。

「自分が何を得るか」ではなくてまず「誰になるか」を考えてほしい。まずは「お客様ありきで考えること」。それがWeb販売の健全化にもつながると考えています。

ステークホルダーへのメッセージ

取引先との向き合い方
商品を卸していただいているメーカー様方

我々の商売は、商品を卸してくださるメーカー様なしには成り立ちません。現在イチ押しの商品は、発電する『多機能ソーラーテーブル』です。

簡単組み立てで、夏でも冬でも対応できます。アウトドアでもスマホやランタンの充電などが簡単にできます。この商品は2年前に中国での展示会で見つけました。「これだ!」と思ったものの、当時の仕入れ値が260ドル!高すぎたので断念していたものです。その後、新しいバージョンが出たとご連絡いただき、防水で、軽量、10秒で組み立てられる手軽さで充電できる、これを絶対日本で売りたいと思いました。

おかげさまで、2021年の5月11日から販売開始し、1時間で200個を売り上げ、100万円を突破するなど、大ヒット製品となったのです。朝日放送の「おはよう朝日です」や読売テレビの「大阪ほんわかテレビ」からも紹介のオファーを早々にいただき、2021年6月30日~7月2日に開催の「雑貨エキスポ」(場所:東京ビックサイト)に初出展が決まりました。

他にも、とある公式グッズとしてタイアップできないかというお話もいただいています。

他にも、フリースで作った「ネコばさみ」も好評です。いろいろな柄があるので、揃えたくなるようですね。クリップ部分がワイヤーになっており、今だとマスクをひっかけるのにちょうど良いとお声をいただいています。

物販は、売る商品がなくては成り立ちません。こちらの交渉に応えていただいて、品物を開発・供給してくださるメーカーさんあってのことだと感謝しています。

社員・家族との向き合い方
社員の皆へ

従業員から見ると、働いてその給与をもらうということは、どの会社でも変わらないと思います。そうなると、どうしても大企業の方が福利厚生も手厚くて有利です。それに対して、小さな会社は「お金以外の面も含めて、この会社で働きたい」という理由づけが必要です。

従業員の「働きたい」という価値観をどうやって作っていけばよいのか?その答えは「どの会社よりも、この会社は私のことを理解してくれている」と、思ってもらうことではないでしょうか。価値観は、ひとりひとり異なるので、家族みたいに接したり、相談に乗ったりして深く話を聞くなど、相手によって心地よい付き合いを心がけています。

現在、パートに来ていただいているのは、私のスクールの生徒だった方です。苦しいこともありましたが、従業員の給与は一切カットせずに払い続けました。会社が苦しいのはあくまで自分の都合ですからね。

パートさんの支えあっての会社なので、いつも感謝です。これからもずっと一緒に頑張っていきたいですね。

未来世代との向き合い方
未来世代へ

物を販売することで、値段以上の価値をお届けできると気が付いた時、「こんなに素晴らしいことはない」と思いました。

現在販売しているソーラーテーブルも「お客様に購入価格以上の価値をお届けできる」と考えた結果、仕入れを行っているものです。

また、あるものを仕入れるだけでなく、自分のアイディアを形にする方向も考えています。

例えば、アウトドアの新たなグッズで、テントで使える扇風機とライトが一体型になったものに、虫よけ機能を付けてみるとか、新たな価値の創造です。その商品があると、お客様がより良い環境を得ることができるものを、提供することを念頭にこれからも働いていきたいですね。

未来に向けて、自分の物販をメインに、また「お客様ありき」で物を売る人を、引き続きスクールで育成していきたいです。

 

〈プロフィール〉

松本 秀樹

株式会社HRイノベーション代表取締役。

物販コンサルタント、物販スクール「HIC」「YMCA」主催者。「TBGC」メイン講師。

1970年尼崎生まれ。24歳から職人の道に入り、27歳で独立。天候によって左右される屋外の仕事だったため、物販業に着手。その後、体調不良のために職人から物販専業となる。はじめて半年で月間の売上が1,900万円、利益も250万円を超えるように。経験を生かして、講師業や著書を出版。延べ1500人以上を指導。現在も自身がプレーヤーであることにこだわり続け、海外の商品を日本に広める活動に力を注ぐ。現在の年商は7000万円超。常に最先端の方法を研究し、多くの生徒に指導をし続けている

 

【企業概要】

株式会社HRイノベーション

http://top.hri.ne.jp/

代表者:代表取締役 松本 秀樹

所在地:兵庫県尼崎市玄番北之町26−1−1218

事業内容:輸入貿易の卸業

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