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社会性、独自性のある事業が経済性へと繋がる~エイコム株式会社(株式会社アーツエイハン)飯塚吉純氏

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社会性、独自性のある事業が経済性へと繋がる~エイコム株式会社1996年に設立された株式会社アーツエイハンは、もともと映像制作やWebコンテンツ制作を手掛けていました。代表取締役の飯塚吉純さんは、2011年の東日本大震災でデジタルサイネージの有効性が認められるようになると、デジタルサイネージ事業に特化したエイコム株式会社を設立し、顔認識が可能なカメラ一体型デジタルサイネージの開発に力を入れてきました。

その努力の結実である同社の顔認識システム「BeeSight」は、中小企業が開発した革新的で将来性のある製品・技術・サービスを表彰する2019年世界発信コンペティション(東京都主催)で、サービス部門で特別賞を受賞するなど、さまざまな場で高い評価を得ており、メディアでも数多く取り上げられています。

今回は同社の事業内容や、ステークホルダーとの向き合い方などについて、飯塚代表にお話を伺いました。

 

顔認証と顔認識を兼ね備えて大幅に性能を向上させた「BeeSight TypeMⅡ」

顔認証と顔認識を兼ね備えて大幅に性能を向上させた「BeeSight TypeMⅡ」

──そもそも、顔認証と顔認識の違いは何なのでしょうか。

顔認証とは、主にセキュリティーの分野で用いられるものです。例えば、事前に登録した方がドアの前に来ると自動でロックが外れるといったもので、99%以上の精度が求められます。

顔認識とは、主にマーケティングの分野で用いられるものです。カメラで顔を認識し、性別、年齢、表情などを計測します。実際には、年齢が分からない人、性別が分からない人、怒っているのか笑っているのか分からない人もいますから、正解というものがありません。

例えば、流通店舗等で顔認識システムを導入することによって、お客さまの行動をある程度把握することができます。立ち止まった方の性別や年齢などの属性や、通行人数、注目時間などを分析することに生かしています。

 

──御社の顔認識マーケティングツール「BeeSight」の特長を教えてください。

顔認識マーケティングツール「BeeSight」の特長

 今まで大手メーカーが提供してきた顔認識システムはクラウド型でしたので、ネットワークへの接続が不可欠で、多くのコストが掛かっていました。

そういった従来の顔認識システムのデメリットを解消しようと、6年前から「BeeSight」の開発を始めました。「BeeSight」はエッジコンピューティング即ちスタンドアロンで運用することができるため、コストはクラウド型と比較して1/5~1/10に抑えることができます。OSはどこでも手軽に活用できるAndroid版と、処理速度が速いWindows版があり、用途によって使い分けも可能です。

BeeSight の顔認識データ取得のカメラ部

BeeSight の顔認識データ取得のカメラ部

さらに、サイバーリンク株式会社のAI顔認識エンジン「FaceMe」を用いて開発した新バージョンの「BeeSight TypeMⅡ」では、計測スピードを大幅に向上するとともに、横顔やマスク装着時でも認識を可能としました。さらに顔認証機能も付加し、あらかじめ登録した店舗スタッフの顔データを除外し、取得したお客さまのデータだけを用いたマーケティングを可能としました。

電子POP(小型デジタルサイネージ)

電子POP(小型デジタルサイネージ)

今までコスト面やネットワーク環境面から敷居が高かった顔認識マーケティングが、我々が提供してきた「BeeSight」によってコモディティー化してきたと自負しています。

 

数々の賞を受賞

エイコムの飯塚代表

──飯塚さんは社長として、どのような点に力を入れてきましたか。

当社は、クライアントの広報や販促のお手伝いを永年行ってきたので、自社の広報にも注力しています。ます。この広報の仕事は、経営者としての私が担当すべき大事な仕事だと思っています。

いくら商品力に優れていても、認知されていなければモノを売るのは大変です。そのため、まずは多くの方に知っていただくために、メディアに取り上げていただくことが、圧倒的に効果があります。

そのため、もっと露出を増やそうと始めたのが展示会への出展です。年6回程度、展示会には出展しています。「リテールテックJAPAN 2017」(2017年3月7日~10日)に出展したときには予想以上の反響で、フジテレビの『みんなのニュース』その後、テレビ番組では、TBS『新・情報7daysニュースキャスター』(2019年6月22日放送)、フジテレビ『でんじろうのTHE実験 女優・長澤まさみ、本気の演技で顔認識システムをだませるか!?』(2020年7月10日放送)など、これまでで計5回取り上げられています。

スタンド型のデジタルサイネージ

でんじろう氏の番組は科学的な内容でもあるため、エビデンスも必要になります。そこでも取り上げられたという背景には、幾つかのアワードを受賞していたからということがあります。これも、製品の性能を客観的にPRしてもらうために、さまざまなアワードでの受賞を狙っていくという戦略の成果です。今までの受賞実績は次のようなものがあります。

毎年10月に幕張メッセで開催されるアジア最大級規模のIT技術とエレクトロニクスの国際展示会CEATEC(Combined Exhibition of Advanced Technologies)では、 2017年米国メディアパネル・イノベーションアワード Industrial IoT 部門賞を受賞しました。

革新的なビジネスに挑む中小・ベンチャー企業を支援するビジネスコンテスト「革新ビジネスアワード2017」(主催・イノベーションズアイ、フジサンケイビジネスアイ)では、大賞を受賞しました。

中小企業が開発した革新的で将来性のある製品・技術・サービスを表彰する2019年世界発信コンペティション(東京都主催)では、サービス部門で特別賞を受賞しています。

エビデンスに基づく第三者評価が製品価値を社会に広める

エビデンスに基づく第三者評価が製品価値を社会に広める

──今後はどのようなビジネスを展開していく予定ですか。

顔認識マーケティングが今後益々増えていくと思います。まずは顔認識や認証機能が付加された、デジタルサイネージです。

街中にはさまざまなデジタルサイネージが設置されていますが、それぞれ本当に視認されているのか、それとも実はあまり見られていないのか、ということが明確に検証されているわけではありません。それを知る上で、顔認識システムは不可欠になります。また、顔認識システムをデジタルサイネージに組み込むことで、その人に合わせたコンテンツの出し分けをするということも可能となります。

今までのデジタルサイネージにそういった機能がなかった理由は、顔認識システムのコストが高かったからに他なりません。しかし、こういった顔認識に関するニーズは増えていますので、当社としてはもっとリーズナブルな製品を2021年4月にリリースする予定です。取得したデータを見やすくして、顔認識マーケティングに取り組みやすくなる仕掛けづくりを行っています。

顔認識で属性に応じて表示内容を切り替えられる

顔認識で属性に応じて表示内容を切り替えられる

デジタルサイネージには、この機能が標準で入っていくような仕組みを作り、普及させたいと思っています。毎年3万ライセンスほどを取得して、BeeSightアプリケーションの販売だけで売上高3億円を目指しています。

 

アーツエイハンのステークホルダーとの向き合い方


──社員やその家族とはどういった存在ですか。

当たり前のことですが、社員がいなければ、われわれのような小さい会社は成り立ちません。社員は一緒に新しい何かを作り上げていく仲間です。もちろん社員やその家族が生活するための収入を得るという側面も大前提にはあるにしても、やはり組織として1つになっていかないと、何かを作り上げていくことは難しいです。

──お客さまはどういった存在ですか。

当社としては、お客さまからの相談が新たなマーケットにつながることが多いです。我々が思い付かないような顔認識マーケティングの活用のお話をいただくこともあるので、大変ありがたいです。

例えば、海外航路のクルーズ船内では、ビュッフェ式のレストランの入り口にスタッフを配置して、厨房に来店者数などの情報を連絡していました。食材のロスを抑えたいからなのですが、そのために人が張り付いているのです。それを顔認識システムでできないかという相談がありました。船は半年に1回しか日本に寄港しません。そういった状況で開発するので2年もかかって大変だったのですが、デジタルサイネージの中に搭載したカメラでお客さまの情報を厨房に送るという仕組みを作り、納入することができました。

また、築地本願寺の正門の前に設置してある大型のデジタルサイネージが、どの程度視認されているのか計測したいという連絡があり、一昨年、2019年の夏に1カ月間計測しました。

店頭向けのデジタルサイネージ

店頭向けのデジタルサイネージ

エクセルシオールカフェのある店舗では、デジタルサイネージの視聴計測の依頼があり、当社のBeeSightが導入されたデジタルサイネージを一カ月間設置して、時間帯ごとの視聴者属性を計測致しました。貴重なデータを取得できたことで、エクセルシオールの系列会社である店舗設備全般を手掛ける会社に当社のBeeSightがインストールされたデジタルサイネージを導入いただきました。

──取引先にはどういったところがありますか。

デジタルサイネージの関連事業者が多いです。例えば、デジタルサイネージ向けのコンテンツ配信システム会社とは、CMS(Contents Management System)に当社の顔認識を導入し、どのぐらいの人が視認しているのを計測が可能です。また、名前出せませんが、日本の大手ハード機器メーカーから、開発中の新製品に当社製品をインストールできるかどうかテストをしたいという話が来ています。更に、数社の流通の関係の販促会社とも取引があります。


──地球環境への配慮についてはどう考えていますか。

現在のようなコロナ禍ではとくにデジタルサイネージが有益だと思っています。ネットワークを通して、人と人が接することなく情報を伝えることできますから、感染症対策には今後役に立つツールではないでしょうか。

──感謝を伝えたい金融機関はどこですか。

当社のような小規模企業の場合、民間金融機関よりも国や自治体(東京都)のほうがありがたい存在です。とくに新サービスのアプリケーション開発や、様々な展示会への出展などに関して多くの補助金の交付を受けています。

 

 

──御社の社会貢献については、どのように考えていますか。

顔認証、顔認識といったテクノロジーは決して新しいテクノロジーではありません。この以前からあるテクノロジーを簡単でローコストで導入できるようにすることが、当社の社会性であり、独自の技術も必要となり、それが最終的に売上に繋がると考えております。

──未来づくりへの貢献は、どのように考えていますか。

10年区切りで社会を見ると、大きく変わっていることが分かります。10年前と今では全く違います。アーツエイハンは起業して20年ですが、20年前のクライアント、提供しているサービスもまるで違います。時流に適応したサービスの提供が必要です。

年齢を重ねることは誰も避けられません。私1人で会社を経営していくことは到底無理です。そのためにも、少数精鋭で少しずつ成長していきたいです。少なくとも創業30年までは走り続けたいと思っています。

今回のコロナ禍も大変ですが、過去には震災もあったし、戦争もありました。交通事故に遭う人もいます。自分ではどうしようもないことが起きるということも含めて時代の変化ですから、常にベストを尽くして、精いっぱい頑張っていきたいです。

 

<企業情報>

株式会社アーツエイハン

https://eihan.com/

〒160-0022 東京都新宿区新宿1-18-13
設立:平成8年3月
資本金:49,140,222円
代表者:飯塚吉純

事業内容:
映像制作業務全般
Web関連業務全般
顔認識システム開発業務
デジタルサイネージ関連業務
イベント/PR関連業務

 

エイコム株式会社

https://aecom.co.jp/

 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-18-13
設立:平成23年12月
資本金:1,000万円
代表者:飯塚吉純

事業内容:
顔認識技術を利用したマーケティング業務
デジタルサイネージ関連業務
コンテンツ制作
システム構築
ハード機器販売

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WRITER
サイエンスジャーナリスト
小林 浩
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1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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