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いちい経営事務所

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〒516-0021三重県伊勢市朝熊町4383番地469

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心理的安全性は「聴く」ことから。人的資本への取り組み

コラム&ニュース Tips
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(photo-acより)

心理的安全性は、発言が均等であったり、話しやすい雰囲気の職場であったり、業務以外の雑談が多いなど、「話すこと」に主眼が置かれているように感じます。

ビジネスの場で心理的安全性を高める理由は、会社の一体感を醸成することです。会社の一体感を高め、社員同士の価値観を揃えることで、厳しい外部環境の中でも会社の目標達成できる強い会社になります。

社員同士の価値観を揃えるためには、「話すこと」を重視するよりも「聴くこと」を重視する方が相応だと考えます。

そこで、社会保険労務士として顧問先で実施している研修事例を紹介しながら、価値観を共有することで心理的安全性を高める方法について解説します。

努力する人は希望を語る!

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(photo-acより)

「努力する人は希望を語る、怠ける人は不満を語る」は作家の井上靖さんの言葉です。

私も人間なので不満を語ることも多いですが、その時も後から振り返り「自分は努力が足りなかったんだな」と思うようにしています。

会社に当てはめてみても同じです。社員から会社の不満ばかり聞こえてくる会社と、前向きな希望が聞こえてくる会社、後者の方が成長できる会社に違いありません。

私は、社会保険労務士と中小企業診断士の知識を活かして、希望を語る社長・社員が増えるような会社支援をしています。

カードを使った価値観の見える化

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(株式会社トリプルバリューより)

① 心理的安全性が求められる背景

心理的安全性が求められるようになった背景から説明していきたいと思います。今までは、新卒一括採用、同じ研修、部署のローテーションで同じ価値観を持った社員を増やす人事制度が一般的でした。

長時間残業ができる正社員が重視された時代です。また、会社のビジネスモデルもある程度固定化し社長の指示の下で動いていれば成果もでやすかったのではないでしょうか。

一方で、共働き世帯の増加など、長時間拘束される働き方から、家庭と仕事を両立できる働き方へのシフト、副業・兼業など多様な働き方が認めれるようになってきました。

必然的に社員の価値観も多様になってきます。また、商品のライフサイクルも短くなり、何が売れるか分からない時代、そして、新型コロナウイルス、物価高騰、先を見通せない外部環境の中では、社長の指示よりも一人一人の社員が考えて動くことが求められています。

こういった環境変化においては、会社が一方的に押し付けた価値観をただ受け入れるだけではなく、一人一人の価値観に共感し、作り上げていくことが重要視されてきます。

一人一人の価値観に共感し作り上げていく上では、コミュニケーションが円滑にできる心理的安全性の高い職場の方がより良いということが分かってきました。

② 話すことよりも、相手の価値観を聴くことが大切

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(photo-acより)

心理的安全性は、会社の中で自分の考えや思いを気兼ねなく発言できる状態であると定義されます。

上司と部下の1on1であっても発言のしやすさ、会議であっても発言が均等であるなど、話す方に重きを置く傾向にあるようです。

前述した心理的安全性が求められる背景では、そもそも働き方が選択でき、一様化した男性から多様化した社員へと変わってきた、会社業績も現場目線のニーズが求められるようになってきた、ということを説明しました。

そして、このような変化の中では、一人一人の価値観に共感していく必要があることも説明しました。

相手の価値観に共感する作業は、話をするということよりも、相手の話を聴くということが大切になってきます。

相手の大事にしている価値観を受け入れて聴くことで、相手が安心して話せる環境を作ることができます。

つまり、話ができているということに重きを置くのではなく、相手の価値観を聴くことができているかに重きを置くことを意識しましょう。

ポイントとしては、相手の意見の背景には、その人自身の経験や大切にしている価値観があるということを意識して聴くことをお勧めしています。

例えば、仕事の進捗はじっくり進める部下と、感じたことをすぐに実行に移す上司がいたとします。

上司は、部下に「なぜすぐに行動に移さないんだ」と言ってしまうことで、部下は自分の考えを話せなくなってしまう恐れがあります。

そういった恐れを抱いたままでは、発言を促しても、部下はすぐに否定されてしまうと表面的なことしか発言しないという現象が起こります。

結果として、心理的安全性が低くなります。日々の現場ではよくあることの一つです。

仕事をじっくり進める部下の行動の背景には、理論やデータを分析するという価値観があるのかもしれません。

上司はしっかりとそれを見極め、価値観について共感する気持ちで話しを聴くことが大切です。

そして、相手の価値観を認め、お互いの価値観を活かせるようにするにはどうすればよいかに知恵を絞っていきましょう。

③ エンゲージメントカードを使って自分の価値観を知ってもらう

私は社会保険労務士として活動していますが、お互いの価値観を知り合うための研修を企画・実施しています。

そういった研修を通じて、相手の価値観を聴くということを少しの時間でも実践してもらい、職場の心理的安全性の向上につなげています。

研修では、ゲームを通じて行います。価値観の書かれたカードを引き、自分の価値観に合いそうなカードを手元に残していくという簡単なカードゲームです。

自分の価値観を話たり、相手の価値観を聴くというとハードルが高いと感じてしまいますが、カードゲームだとそのハードルを下げることができます。

具体的には、エンゲージメントカードを使います。エンゲージメントカードは株式会社トリプルバリューが開発したもので、個人の価値観の共有からチームの価値観の創造まで使用でき、アレンジも可能なので非常に有用なツールです。

個人の価値観の共有をする場合、手順は、次のとおり行います。

① カードをシャッフルして7枚ずつ配る
② 残りのカードを「カードの山」として真ん中に伏せて置く
③ カードを引く順番を決める
④ 「カードの山」から1枚引く
⑤ 自分の価値観と合わない、ピンとこないカードを手放す
  ※この際、「私は○○という価値観を手放す」と言って手放す
⑥ カードの山がなくなるまで④~⑤を繰り返す
⑦ 手元の残ったカードを使って、自分の価値観を説明する

1回30分~50分ぐらいかけて行います。徐々に大事にしたいカードが多くなり7枚を選ぶことが大変になってきます。

その作業は自分自身を改めて内省することになりますので、自分が何を大切にしてきたのかを振り返ることになります。

また。自分の価値観を説明するときは、周りは聴くことに徹するため、相手が抱いていた自分への見え方も変化していきます。

これまで、何度か研修をしてきた中で、社長が「責任感」という価値観を捨ててしまい、社員からつっこみが入ったり、経営者の親子が2グループにそれぞれ分かれて実施したときは、ほとんど同じ価値観を選んでいたりと、社員だけでなく、普段見せない社長の顔も見れて社長と社員の距離も近くなっています。

◎企業概要
・企業名:いちい経営事務所
・URL:https://ichii-keiei.com/
・住所:三重県伊勢市朝熊町4383番地469
・事業概要
①労務人事の顧問、相談業務 ②事業計画、収支計画の作成 ③補助金、助成金の申請
④介護事業所のコンサルティングなど経営全般の支援。労務部門の支援だけでなく、会社の理念、ビジョン戦略に合わせた幅広い支援が得意ですので、社会保険労務士に+αを求める経営者様は気軽にご相談ください。

◎プロフィール
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森島大吾(社会保険労務士、中小企業診断士)
1986年生まれ。三重県出身。社会保険労務士、中小企業診断士。2020年1月に「いちい経営事務所」を開設。労務相談、社会保険の手続きだけでなく、企業経営全般のサポートを行っている。経営戦略に寄与する人事戦略・労務戦略の立案から、ヒト・モノ・カネの最大化に向けた支援には定評がある。人的資本に関わりの深いISO30414リードコンサルタントの資格も取得。

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