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紙の保険証は7月末で原則廃止 マイナ保険証の利用率は3割止まり 届かない「資格確認書」への対応は?

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紙の保険証、2025年7月まで
DALL-Eで作成

2025年7月31日、「紙の健康保険証」の有効期限が原則終了する。これにより、8月以降の医療機関での受診には、マイナンバーカードを用いた「マイナ保険証」または「資格確認書」の提示が必要となる。政府によれば、マイナンバーカードの交付率はすでに8割を超え、保険証との紐づけも進んでいるが、実際の利用率は3割程度にとどまる。一方で、資格確認書が「届かない」との声が相次ぎ、制度移行の混乱も一部で見られる。さらに、マイナンバーカード自体の有効期限切れにも注意が必要であり、今後の受診に支障が出ないよう、早めの確認と対応が求められている。

マイナンバーカードの普及進むも、保険証利用率には開き

2025年7月31日をもって、「紙の健康保険証」は原則としてその有効期限を終える。一部の例外を除き、8月1日以降の保険診療では、マイナンバーカードを活用した「マイナ保険証」もしくは「資格確認書」の提示が必要となる。

総務省の発表によると、マイナンバーカードの交付率は2025年7月時点で人口の約80%を超えている。このうち、マイナンバーカードと健康保険証の紐づけを済ませている人も8割以上にのぼるとされる。

しかしながら、実際の医療現場でマイナ保険証を用いた受診は約30%にとどまる。普及が進んでいる一方で、「利用されていない」現状が浮き彫りとなっている。

背景には、高齢者を中心としたカードの操作性への不安や、医療機関側の対応体制の差があるとされる。実際、街頭インタビューでも「マイナカードの機械が壊れたらどうするのか不安」「紙の保険証をまだ使っている人が多い」との声が聞かれた。

 

紙の保険証廃止後の選択肢――マイナ保険証と資格確認書

2024年度より、政府は段階的に「紙の保険証」廃止を進め、代替としてマイナンバーカードと健康保険の一体化を推進してきた。保険資格確認が円滑に行えるよう、マイナ保険証を利用すれば、受診歴や薬剤情報、特定健診結果などが共有され、より適切な診療に役立つとされている。

また、マイナ保険証には以下のようなメリットがある。

マイナ保険証のメリット

  • 過去の受診歴・投薬履歴の閲覧が可能:重複投薬の防止や病歴の把握に活用される。
  • 高額療養費制度の事前申請が不要:自動的に自己負担限度額が反映される。
  • 転職や引っ越しの際もスムーズに切り替え可能:職場や自治体変更後の保険証再発行が不要となるケースがある。

ただし、マイナ保険証を利用するには、マイナンバーカードと健康保険証の「ひも付け登録」が済んでいる必要がある。未登録の場合、自治体やマイナポータルなどで手続きを行うことが求められる。

資格確認書の遅延と、注意点

一方で、マイナ保険証を持たない人向けには「資格確認書」が自治体から交付される。これは紙の保険証の代替として、医療機関の窓口で提示することで保険診療を受けることができる。

ただし、SNS上では「資格確認書が届かない」との声が相次いでいる。背景には、自治体ごとに発送時期が異なることや、転居などで住民登録情報が更新されていないケースがあるとされる。第一生命経済研究所の谷口智明研究理事は、「引っ越し先で手続きをしていなければ、資格確認書が送られない可能性がある」と指摘している。

なお、資格確認書が未着の場合でも、厚生労働省は医療機関に対し、「2026年3月末までの暫定措置」として、期限切れの紙の保険証でも保険資格が確認できれば、10割負担を求めない運用を求めている。つまり、制度上の猶予期間はまだ残されている。

 

マイナンバーカードの有効期限が切れた場合の対処法

マイナンバーカードには「電子証明書の有効期限(5年)」と「カード本体の有効期限(10年)」がある。いずれかが失効していると、保険証機能が使えなくなる可能性があるため、以下の対処が必要となる。

有効期限切れへの対応策

有効期限が切れた項目対処方法手続き場所
電子証明書(5年)更新手続きが必要市区町村の窓口
カード本体(10年)再交付申請が必要市区町村の窓口
健康保険証の機能(紐付け)再設定が必要な場合ありマイナポータル、自治体、コンビニ端末など

電子証明書の有効期限が近づくと、事前に通知書が届くため、忘れずに更新手続きを行う必要がある。更新には原則本人の来庁が求められる。

最後に――制度移行は進行中、冷静な対応を

今回の「紙の保険証」終了は、マイナンバーカードの医療分野での本格運用を示す象徴的な出来事である。一方で、運用上の課題も残されており、制度移行には一定の時間と丁寧な周知が求められる。

今一度、手元の保険証や資格確認書、マイナンバーカードの有効期限を確認し、安心して医療を受けられるよう備えることが重要だ。

 

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ライター:

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SHOEHORN くつべらマン

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児童養護施設の職員。特に中学~新卒年齢の若者の生活・医療・福祉・自立支援に従事している。勤務時間外では、様々な職業の方へ取材活動を実施しており、大人になる若者たちへ情報を提供している。

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