
生成AI(人口知能)関連事業を手掛けるFIXERは7日、仙台市の「生成AI導入実証等業務」に同社が提供する生成AIサービス「GaiXer(ガイザー)」が採用されたと発表した。職員がAIに条例や規則、業務マニュアルなどの文書に関連した質問できるようにする仕組みづくりをサポートする。多くの自治体では人手不足が深刻になりつつあり、AIなど新たな技術を活用して業務を効率化することが急務となっている。
FIXERは「今回の取り組みを通じて、仙台市における生成AI技術の活用促進と業務効率化に貢献していく」としている。
仙台市では会計室会計課の会計審査業務で生成AIによる業務効率化について実証実験し、効果を検証する。FIXERは業務データなどをもとに高い精度でAIが回答できるようになる「検索拡張生成(RAG)」と呼ばれる技術を活用。職員が質問した際に、AIが会計審査関連の条例・規則・業務マニュアルなどの文書を参照し、的確に答えられるようにする。
このほか、生成AIの活用未経験者・初級者の職員約50名に対して、生成AIの基礎知識、プロンプト(指示文)作成方法についての研修を実施。eラーニングの教材も提供する。
FIXERが提供する「ガイザー」は、顧客専用の環境をクラウドに作るため情報流出のリスクが低く、政府や地方自治体、金融機関、病院などで利用されている。同社がガイザーを提供している兵庫県の姫路市役所でアンケートを実施したところ、85%の利用者が仕事時間の短縮効果を実感しているとの結果が出た。