
人気グループBE:FIRSTの三山凌輝氏が、元婚約者女性から総額1億円以上の支援を受けた末に婚約を解消したとする疑惑が浮上。双方の主張と契約書の存在が波紋を広げている。
三山凌輝氏に1億円超の支援金受領と婚約破棄疑惑
ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」のメンバーであり、俳優としても活躍する三山凌輝氏(25)に、「婚約詐欺」まがいの疑惑が浮上した。4月23日に「週刊文春」が報じた内容によると、三山氏は2021年冬に年上の女性と交際を始め、翌年末には婚約。高級外車や高級時計、毎月200万円の小遣いなど多額の金銭的援助を受けていたが、2024年に浮気発覚を契機に音信不通となり、関係は事実上破綻した。
元婚約者の女性はアパレル会社を経営し、YouTuberとしても活動する大野茜里氏(通称Rちゃん)。2人は交際当初から婚約まで進展し、両家への挨拶、指輪や誓約書の取り交わしも行われた。三山氏は彼女の資金で高級品の購入や旅行を重ね、生活基盤の一部を依存していたという。
支援の背景にある“二面性”と芸能人リスク
三山氏の知人や関係者の証言によると、BE:FIRSTデビュー前から三山氏の私生活には複数の女性の影があり、慎重に交際を隠していたとの指摘もある。また、2023年に入ってからは別の女性との関係が明るみに出ており、誓約書の内容からも浮気を認め、再発時には1000万円の違約金支払いや贈与金返還義務が定められていた。
しかしながら、誓約書作成後も約束を反故にする行動が繰り返され、最終的には音信不通に。支援総額は家賃、車両、家族の医療費などを含め1億円を超えたとされる。
法的責任と芸能契約の脆弱性
離婚問題に詳しいベリーベスト法律事務所の日原聡一郎弁護士は、「婚約は婚姻の予約契約であり、不貞を理由とする婚約破棄は損害賠償請求の対象となりうる」と指摘。さらに、毎月の金銭支援や高額プレゼントが通常の生活費の範疇を超えている場合、贈与税の対象にもなる可能性があるという。
この件が芸能事務所とアーティストとの契約関係にどのような影響を及ぼすかも注視されている。BMSGおよび所属事務所は、「法令に反する行為はない」としつつも、プレゼント返還などについて「要請があれば速やかに対応する」としているが、公式な発表の有無は確認されていない。
SNSでは憶測と動揺広がる、「結婚詐欺」「デキ婚説」など波紋
今回の報道を受け、SNS上では三山氏に対する厳しい声が相次いでいる。「1億円を貢がせて婚約を解消した現役アイドルの方がよほど問題ではないか」「オーディション中に別の女性タレントと撮られた人物だったのでは」といった過去の報道を蒸し返す投稿も見受けられた。
また、元婚約者とされる大野氏が過去に投稿した「婚約者と別れました」と題する動画についても、「リョウキのことだったのか」と驚く声が上がっている。さらに、「BE:FIRSTの三山氏が近く別の女性との結婚を発表予定で、それに対する嫉妬から情報が漏れたのではないか」とする憶測まで飛び交い、当事者不在のまま議論が過熱している。
中には、「今の交際相手とできちゃった結婚(デキ婚)するから、急いで過去を清算したのでは?」という声もあり、結婚予定の女性の存在を既成事実として語る投稿が拡散されている。真偽不明のまま情報が独り歩きする現状は、当事者への批判とともに、ネット上の無責任な推測が招くリスクを物語っている。
YouTuber大野茜里(通称Rちゃん)の経歴と影響力
今回の騒動のもう一方の当事者であるYouTuber大野茜里氏(通称Rちゃん)は、若年層を中心に高い知名度を持つインフルエンサーである。本名名義の「大野茜里」として高校時代からファッション誌『Popteen』の読者モデルとして活動を開始。「あちゃめろ」の愛称で親しまれ、動画配信サービス「ミクチャ」でのライブ配信などを通じて、着実にファン層を広げていった。
その後、2013年には日本ツインテール協会の専属モデルに就任。翌年には『関東ハイスクールミスコン2014』のファイナリストにも選出され、若者文化を象徴する存在として注目を集めた。2015年に名古屋モード学園に進学し、2018年の卒業を機に、起業家としての道を歩み始めた。
同年、株式会社ariuを設立し、ファッションアイテムの輸入販売を主軸としたEC事業を展開。自身のアパレルブランド「Riu(リウ)」を立ち上げると、2019年にはYouTubeチャンネル「Rちゃん」を開設し、ビジュアルとトークを活かした動画で人気を博すようになる。
インフルエンサーとしての発信力は次第にビジネスにも波及し、2022年にはランジェリーブランド「LEMURA(レミュラ)」、2023年にはカラーコンタクトブランド「Quprié(キュプリエ)」と、プロデュース業を広げている。また、テレビ番組へのレギュラー出演や2024年12月のフォトエッセイ出版など、メディア露出も活発である。
特筆すべきは、整形に対する積極的な自己開示である。20歳以降、美容整形にかけた総額は3000万円に達すると明かしており、タブー視されがちなテーマに真正面から向き合う姿勢が共感を呼んでいる。発信者としての透明性と自己肯定を軸に、多くの女性たちに新たな価値観を提示してきた存在である。
順調だった俳優業、スキャンダルがもたらす“副作用”
三山凌輝氏は、音楽グループBE:FIRSTのメンバーとして活動する一方で、俳優としても順調なキャリアを歩んでいる。特に注目を集めたのが、2024年度上半期のNHK連続テレビ小説『虎に翼』での出演である。主人公・猪爪寅子の弟、直明役として誠実で芯のある人物像を好演し、幅広い層から高い支持を得た。
さらに2025年2月には、映画『誰よりもつよく抱きしめて』で初主演を務め、強迫性障害を抱える絵本作家志望の青年役を熱演。その演技は「繊細かつ内面的な深さが際立っていた」として高評価を得た。直近では、TBS系の法廷ドラマ『イグナイト―法の無法者―』で弁護士役としても出演するなど、俳優業でも確かな存在感を示していた。
しかし、今回の婚約スキャンダルが露呈したことで、その俳優としての評価と将来に少なからぬ影響を及ぼす可能性がある。特に公共放送であるNHKや地上波ドラマに出演する俳優には、高いコンプライアンスと倫理観が求められる。今回の件が「私生活の乱れ」として受け止められれば、以降のキャスティングにおいて慎重な判断が下される恐れも否定できない。
憶測が引き起こす“見えない代償”
三山氏に対する騒動は、金銭的・契約的な直接の損失だけでなく、“憶測”によって拡大し続ける副次的なダメージのほうが深刻である。SNSでは「別の女優との結婚報道が控えていた」「それを知った元婚約者が暴露した」など、未確認情報が飛び交い、本人や事務所が説明責任を果たさないままであることが疑念を深める一因となっている。
このような情報の氾濫は、本人に対する評価だけでなく、共演者や制作側にも波紋を広げかねない。芸能界において“信用”は、タレントの出演機会やブランド契約を左右する最も重要な資産である。今回の件は、本人の振る舞いがもたらす波及効果がどれほど大きいかを示す象徴的な事例となりつつある。
さらに、今回の件で最も大きな余波を受けているのは、三山氏の関係者にほかならない。BE:FIRSTのグループメンバー、共演俳優、制作関係者、さらには楽曲提供や振付を手がけたクリエイター陣など、広範なネットワークが構築されているなかで、スキャンダルの火の粉は予期せぬ方向にも及ぶ。
また、熱心なファンとの信頼関係の揺らぎも軽視できない。SNSでは「応援してきたのに裏切られた気持ち」「事務所の透明性が見えない」といった声もあがっており、今後の活動再開には信頼の再構築が不可欠となる。
企業側やメディア各社が、今後も三山氏を起用し続けるかどうかは、事務所の危機管理と説明姿勢、そして本人の今後の対応に大きくかかっている。憶測が事実として定着する前に、適切な情報発信と対話の場が設けられることが、騒動収束への第一歩となるだろう。