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広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏(42)が立ち上げた地域政党「再生の道」への応募者が490人に達したことが2月6日、都内で開かれた記者会見で明らかになった。石丸氏は、今年6月の東京都議会議員選挙(定数127)に向け候補者の選考を進める方針を示し、今後のプロセスについて説明した。
応募状況と今後の選考過程
石丸氏は1月15日の新党立ち上げ表明以降、都議選の全42選挙区で最大55人の候補者擁立を目指しており、現時点で490人が応募したという。応募締切は2月16日で、その後、書類審査、適性検査、ネット公開の最終面接を経て、春には立候補予定者を決定する予定だ。
応募者の年齢層では40代が最多で、9割が男性。職業別では自営業が多く、元区議も10〜20人ほどいるという。石丸氏は現職の都議にも応募を呼びかけているが、現時点で応募は確認されていない。
「再生の道」は、党の政策や理念を掲げず、政治家を生み出す「装置」としての機能を持つとし、党議拘束を設けず、他党との掛け持ちも認める方針を打ち出している。また、党の綱領として議員の任期を2期8年までに制限する考えを明示した。
識者の視点:理念なき政党の持続性は?
政治学者の白鳥浩・法政大学大学院教授は、石丸氏の新党の性格について「新たな試みを一概に否定すべきではないが、その性格を慎重に考える必要がある」とSNSで指摘する。
白鳥氏はまず、「どのような候補者を立候補させるのかが重要だ。政策について明らかにはしていないが、仮に政策的に大きく異なる候補者が集まった場合、それでも一つの政党として機能するのか」と疑問を呈する。さらに、議員任期を2期8年までと限定する点について、「それ以降も政治家を続けたい人はこの新党を離党せざるを得ないということになる。長期的な政策の実現が難しくなる可能性がある」との懸念を示した。
また、白鳥氏は「現時点で統一した理念や政策が提示されず、当選するための『装置』としての側面が強い。政治は『可能性のアート』とも言われるが、こうしたアプローチが有権者にどのように受け止められるのかが鍵になる」と述べた。
SNSの声:期待と不安の交錯
SNS上では「再生の道」に対する意見が分かれている。
期待を寄せる声の一つには、「政治家を生み出す仕組みは面白い。固定観念にとらわれず、新しい人材が政治に参入できるのは歓迎すべきだ」との意見がある。特に、既存政党に不満を持つ層の間では、「しがらみのない候補者が増えれば、政治がもっと変わるかもしれない」と前向きな評価も見られる。
一方で、懐疑的な見方も少なくない。「何をしたい、何を実現したいのかが見えない政党は投票する側としては難しい。候補者の考えを一人ひとり確認するしかない」との意見や、「候補者が石丸氏の人気にあやかりたいだけではないか」という疑念も出ている。
さらに、応募者の経済的背景を懸念する声もあり、「借金まみれのサラリーマンや経営が苦しい自営業者が、都議の報酬で資金繰りをしようと応募しているのではないか」という指摘もあった。特に、「ネズミ講のような手法に長けた人ほど、書類では自分を過大評価してアピールする可能性が高いので、選考時に慎重なチェックが必要だ」という意見には一定の共感が寄せられている。
また、日本維新の会との比較も多く、「維新の会は、新しい政治の流れを作ったが、兵庫県知事や岸和田市の例を見ると、入党する人の多くが権力志向や上昇志向の強いタイプだった。『再生の道』も同じような流れになるのでは」と懸念する声があった。
あるSNSユーザーは、「半年ほど前に、企業経営者が『社員のレベルは社長の器によって決まる』と書いていたのを思い出した。この政党も同じで、集まる人材は結局、石丸氏の理念やリーダーシップに左右されるのではないか」と述べ、党の方向性が今後の候補者の質に影響を与える可能性を指摘している。
都議選に向けた各党の動き
東京都議会では現在、自民党(30人)、都民ファーストの会(27人)、公明党(23人)が主要会派を形成しており、他の政党も候補者擁立を進めている。6月13日告示、22日投開票の選挙に向けて、各陣営の動きが活発化している。
「再生の道」が新たな政治勢力として東京都議選でどのような影響を及ぼすのか、また、有権者がこの新しい形の政党をどのように評価するのか、今後の展開が注目される。