温浴ビジネスを手がけるHabitat株式会社(東京都港区六本木)は5日、同社の創業者であり代表取締役社長であった北村功太氏が2月4日に死去したことを公表した。享年29歳だった。
北村氏の死は、会社の公式サイト上で「代表取締役の逝去及び異動に関するお知らせ」として発表され、「生前のご厚誼に深く感謝するとともに、謹んでお知らせ申し上げます」と記されている。
Haitatとは
北村氏は2020年10月にHabitat株式会社を創業し、トレーラーサウナ事業や温浴施設向けDXツール「habitat」の開発を進め、事業を拡大していた。しかし、会社の経営は近年厳しさを増し、資金繰りに苦しむ状況が続いていたとされる。そんな中、昨年8月に第一子の妊娠を公表し、今年に入って無事に出産したと報じられていた。
また、関係者によると、北村氏は家族向けに遺書を残していたとされる。具体的な内容は明かされていないが、愛する家族への思いが綴られていたとみられる。妻でありタレントの小島瑠璃子(こじるり)氏は、昨年ホリプロを退社し、新たな道を模索していた矢先だった。小島氏と北村氏は2023年3月に結婚し、今年に入り第一子が誕生したばかりであった。
SNSに広がる衝撃と惜しむ声
北村氏の突然の死去を受け、SNS上では驚きと悲しみの声が多く上がっている。
ある経営者は「真偽のほどは定かではないが、資金繰りが苦しかったとの報道を見た。もしそれが事実なら、私も経営者として気持ちはわかる。だが、奥様に相談してから考えても良かったのではないか。彼女は才気あふれる方だから、損失を最小限に抑える形で事業を畳み、一時的に支えてもらうという選択肢もあったと思う」と、悔しさを滲ませた。
また、別の投稿では「移動式サウナはコロナ禍では需要があったかもしれないが、コロナが明けて需要が減少したのではないか。若い経営者によくあることだが、知識は豊富でも経験値や人脈が不足し、低迷期を乗り越える道筋を見失うことがある。それでも、若さという財産に気づいてほしかった。何回会社を畳んでも、再び成功する人もいるし、別の道を見つける人もいる。まだまだ生きることを諦めないでほしかった」と、彼の将来の可能性を惜しむ声が見られた。
さらに、「人は一つの要因だけで命を絶つわけではない。会社がうまくいかず、奥様に相談した結果、思いもよらない反応が返ってきたのかもしれない。公私ともに苦しくなった末の選択だったのではないか」との推測も広がっている。
一方で、「たとえどんなに追い詰められても、子どもがいる以上、責任を果たすべきだった。経営が苦しくても、どうにかして生き抜いてほしかった」と、無念の思いを述べる声もあった。
思いつめる前に—生きる選択肢を
経営の厳しさや人生の困難に直面した際、一人で抱え込まず、家族や友人、支援機関に相談することが重要だ。人生は何度でもやり直すことができる。たとえ事業の成功に戻れなくても、新たな道で新しい出会いや経験を得ることができる。
厚生労働省は、悩みを抱える人に向けて複数の相談窓口を設けている。
▽いのちの電話 ℡0570・783・556(午前10時~午後10時)、℡0120・783・556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル ℡0570・064・556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
悩んだときは、ぜひ周囲に助けを求めてほしい。人生は伏線に満ちており、必ず新しい展開が待っている。