日本航空(JAL)は26日午前7時半ごろ、社内外をつなぐネットワーク機器がサイバー攻撃を受け、システム障害が発生したと発表した。この影響で、全国の空港でチェックイン機が作動せず、国内線・国際線ともに運航に遅延が生じている。同日出発分の航空券販売は一時停止された。
アプリ起動せず、チェックインに支障
JALによると、サイバー攻撃により社外システムと通信しているシステムに不具合が発生。スマートフォンアプリが起動しなかったり、羽田空港や成田空港などJALが就航する全国の空港で、手荷物のチェックイン機が作動しないなどのトラブルが起きた。
ルーター一時遮断、復旧作業続く
午前9時ごろには、障害の原因となっているネットワーク間のデータやり取りを担うルーターを一時的に遮断。システムの復旧作業を進めている。JALは運航の安全性には影響はないとしているが、「ご利用のお客様にご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」とコメントを発表した。
今回被疑箇所となっているルーターは、データを指定されたサーバーへと仕分けて送り届ける機器。 ここに障害が起きるとデータをシステムへ正しく届けることができなくなり、不具合が生じるとのことだ。
11時半ごろから改善し始めている模様が伺える。12時10分現在、羽田空港の手荷物を預けるカウンターは、手荷物を預けている人が見えるなど、動きだしているようだ。
サイバー攻撃の脅威、社会インフラへの影響懸念
今回のJALへのサイバー攻撃は、現代社会におけるネットワーク依存の脆弱性を浮き彫りにした。航空機の運航システムだけでなく、鉄道や電力など、社会インフラの多くがネットワークで制御されている。これらのシステムがサイバー攻撃の標的となり、機能が停止すれば、社会生活に甚大な影響が出るのは想像に難くない。
専門家の見解:日本のシステムの脆弱性
専門家の中には、日本のシステムの脆弱性を指摘する声もある。脆弱性を悪用した攻撃は増加傾向にあり、より高度なセキュリティ対策の必要性が叫ばれている。
また、 現時点で原因は特定済み、サーバーを攻撃されてデータを破壊されたわけではなさそうなので、推測として、代替機器や別ルートのNW構成を作り、システムの動作に問題が起きないか慎重にチェックしている段階と思われる、との意見も。
今後の対策
今回の事態を受け、JALはシステムの復旧を急ぐとともに、再発防止策の検討を進める必要がある。また、他の航空会社や関連企業も、同様の攻撃に備え、セキュリティ対策を強化することが求められる。政府レベルでも、サイバーセキュリティ対策の強化に向けた取り組みが急務と言える。