福岡を拠点に若者たちがクリエイティブ事業を手がけるトゥースリー。地域貢献はもちろん、100年後を見据えた持続可能性への意識を語る清水さんは、まさにZ世代としての代表の風格を感じさせます。質の高いクリエイティブスキルを地方に。東京で起業したのちに福岡に戻り、トゥースリーにかける想いとステークホルダーとの関係性を伺いました。
Z世代の目線×高いクリエイティブスキルが武器に
−23(トゥースリー)を設立したきっかけを教えてください。
学生時代に福岡と東京でドローンのスタートアップ企業を2年半経営後、退任を機に福岡に戻りました。現在も大学の芸術工学部で学んでいるのですが、そこで感じたのは周囲の学生たちのデザイン・エンジニアスキルセットが第一線で活躍している人たちと遜色ない高いレベルだったこと。そして、東京で生活していると地方の企業にはまだまだクリエイティブが足りていないということも同時に感じていました。ここをマッチングすることで価値が生まれるのではと思い、トゥースリー創業に至りました。現在のコアメンバーが一緒に事業をやろうと声をかけてくれたのも大きなきっかけでした。
−トゥースリー具体的な事業内容を教えていただけますか?
企画段階からクライアントの課題に寄り添い、クリエイターたちがデザイン・開発・動画制作などで課題解決を行なっています。動画制作分野ではYouTube動画制作やシネマティックなテレビCMなどを担当。また、この半年でエンジニアのメンバーが急増しており、高齢者向けの遺言書作成ができる終活アプリ「SHUZOくん」や地元の飲食店のWEBサイト開発など、開発案件も多くご依頼いただけるようになってきています。地方に住む若者として地方創生・まちづくりにも重点を置いており、若者が根付いて地域の仕事に貢献をしていく、その体現をしていきたいと思っています。
−会社としての強みや重視していることはありますか?
Z世代の若者で形成されている企業なので、Z世代の目線からの提案ということを意識しています。我々の目線での企画を必要とされている企業とぜひ今後も伴走していきたいですね。またクリエイティブの質の高さも重要視しており、これもトゥースリーの強みと言えると思います。
100年先を見据え、持続可能なクリエイティブ事業を
−ここからはステークホルダーに対する思いについて教えてください。
電動アシスト自転車を販売している会社で、現在はIoT自転車開発のプロジェクトでご一緒しています。企画段階からロゴデザイン、装着するスマートロックの開発、モバイルアプリの開発まで、かなり密に連携を取らせていただいています。新しい事業を作り上げていくワクワク感を味わえること、今までにない新しい価値を提供していけることに感謝の気持ちでいっぱいです。ずっと信頼いただきお付き合いして下さっている理由を、ぜひ聞いてみたいですね。
佐賀県唐津市で、農家で採れた野菜を産地直送でお客様にお届けしている会社です。会社HPの制作や新規プロジェクトをご一緒しており、いつも真摯に向き合っていただいています。多くのメンバーが足繁く通っている中で、いつも快く迎えていただきありがとうございます。いつも担当させていただいている弊社のメンバーの魅力を、伺ってみたいです。
れぞれのメンバーが強いスキルを持っているので、口出ししすぎずリスペクトを持つことを意識しています。様々な場面で支えられることが多いので、日頃から感謝を忘れないよう、言葉としてしっかり「ありがとう」と伝えるように意識しています。
メンバー増加に伴い様々な化学反応が起きている中、それぞれの個人のやりたいこと・意思が集まってトゥースリーという会社ができあがっていると感じています。
福岡でもずっと昔から経営している酒屋さんが経営難に陥ったり、コロナ禍でさらに苦戦を強いられたりという状況が続いています。そういった状況において、我々若者が地域の課題に取り組むことは重要です。10年、20年先だけでなく100年先続いていく社会にするために、繋がりを広げていくことを意識しています。
トゥースリーが福岡で展開しているモデルを全国各地に広げていきたいですね。もちろん形だけでなく、想いも広げていく必要があります。Z世代は2100年くらいまで生きる可能性のある人たちです。SDGsは当たり前、さらにその際にある50年先、100年先を見据えながら持続可能なクリエイティブを生んでいきたいです。
<プロフィール>
清水淳史
ドローンのための空域マーケットプレイス”sora:share”を開発する株式会社トルビズオンで取締役を務めたのち、2020年9月に23(トゥースリー株式会社)を設立。大学では芸術工学部にて情報工学やメディアデザインを学ぶ。
<企業概要>
23(トゥースリー株式会社)
代表 清水淳史
福岡県福岡市中央区大名2丁目6-11
https://23-creative.co.jp/
<ライター>
齋藤優里花
リクルートコミュニケーションズにて結婚情報誌ゼクシィのディレクターを約3年半務めたのち独立。メディア、HP、紙媒体など幅広いジャンルにてディレクター・ライター業を請け負う。演劇メディア「Audience」の編集長も務める。