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ダイヤ工業株式会社 松尾 浩紀|50年先もお客さまが笑顔になる社会に貢献し続けたい

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ダイヤ工業株式会社代表取締役社長 松尾 浩紀

ダイヤ工業株式会社は、接骨・鍼灸院で使うサポーターなどで全国トップシェアを誇る岡山の医療用品メーカーです。徹底したユーザー目線での製品開発を行うことで、顧客のニーズに応える医療用品の提供を通じて、社会への貢献を目指しています。

今回は、ダイヤ工業株式会社代表取締役社長の松尾 浩紀さんに、JAや地元の高校生たちと一緒に取り組む製品プロジェクトやこれからの製品開発、ステークホルダーへの感謝の気持ちをお伺いしました。

常にお客さまの立場に立ったものくり

-今年で創立59年目ということですが、どのようなことをモットーにされていますか?

 松尾)当社は、主に腰や膝の悩みを軽減するサポーターを作っているメーカーです。

サポーター以外にもパワーアシストスーツや、接骨院・鍼灸院・クリニックに関するシステムの開発なども行っております。

ですが、サポーターを作ることだけが目的ではありません。

当社の製品をご利用いただくことで、これまでできなかったことができるようになったり、新たなことに取り組めるようになったりと、お客さまが笑顔になることこそが当社の目的です。

お客さまにとって、一番価値があることは何かを常に考えながら製品開発を行っております。

4つの事業部で行う独自性の高い製品開発

-事業内容を教えていただけますか?

松尾)現在、当社の事業部は4つあります。

1つめは「メディカル」。接骨院・鍼灸院・クリニックで使う医療用サポーターやコルセットを中心に院内に必要な製品やサービスを提供する部門です。

2つめは、医療用途以外の分野で、農業や産業に従事する方の負担軽減を目的とする製品やサービスを提供する部門です。こちらは、急成長分野で、社内では「新市場開拓」と呼んでいます。

3つめは、ペット向けの「アニフル」。人間用の製品開発で培ったノウハウを活かしてワンちゃんやネコちゃんの腰や首・足などのトラブルを軽減するサポーターを、研究開発している部門です。

そして、4つめは「海外」。実は、下着のように柔らかくてサポート感のある当社の製品は、世界的に見ても競合が少ない分野です。世界中の運動器のことで悩む方たちが、当社の製品を使っていただくことで、身体の負担が少ない環境で活動できればと考えています。

-やはりメディカル部門がメインなのでしょうか。

松尾)売上の面から言うと、メディカルつまり、既存の接骨院等への販売の割合が最も高いですね。メディカル業界ではすでに37年にわたり事業を行っていますので、先生方との信頼関係も少しずつ構築できてきたからだと思います。

ただ、当社は「市場性があるから事業をしよう」と考えているわけではありません。

社員がやりがいを感じて没頭できるような事業こそが、人間として成長できると考え、取り組む事業を判断しています。

ダイヤ工業株式会社 松尾 浩紀

サポーターやコルセットの知見を活かした「軽くて柔らかい」労働負担軽減アシストスーツ

-農業や産業に従事する方向けの「新市場開拓部門」が伸びているということですが、具体的にどのような製品があるのでしょうか?

松尾)農業の機械化や自動化は進んでいます。しかし、まだまだ人の手でやらなければいけないことも多いです。例えば、米農家さんだと、収穫する時に重い米俵を運ばなくてはいけないのですが、これは機械のみではできません。

また、農業では特に高齢化が進んでいるため、身体への負担が多く、作業の効率が非常に悪い状況です。

そこで、当社が開発した製品は、労働負担軽減用アシストスーツ「DARWING Hakobelude(ダーウィン ハコベルデ)」です。Hakobelude(ハコベルデ)は、岡山弁の「運べるでぇ!」(運べるよ!)に由来しています。

農業に従事する方の身体の負担を軽くすることは、日本の農業の未来を大きく左右するのではないかと考えたことが開発のきっかけです。

DARWING Hakobelude

DARWING Hakobelude のネーミングは、岡山弁の「運べるでぇ!」に由来

-DARWING Hakobelude(ダーウィン ハコベルデ)にはどのような機能があるのでしょうか

 松尾)アシストスーツといっても、機械などを使用しているわけではありません。サポーター作りに使っていた技術を活かし、高反発ゴムと人工筋肉(空気を入れると人間の筋肉のように収縮の動きをするチューブ状の人工物)を使っており、着用することで姿勢を整えたり、筋肉の動きを助けたりするものです。その結果、腰の負担が軽くなり、作業が楽になることで、翌日に疲れが残りにくくなるというメリットがあります。

お客さまのニーズから、使い心地や重さなど、日常生活で使っていただいて「これなら問題なく使える」という製品が仕上がりました。重さも約800gと軽く、衣服のように柔らかいので、着たままサポートを緩めるだけで、すぐ耕運機や軽トラに乗ることもできます。

実際にご利用になっている方からは、腰などへの負担が楽になるので、これまで作業にかかっていた時間が短くなった、狭いところも通れて利用しやすい、といったお声をいただいています。アシストスーツは大変好評で、受注生産で500枚以上を販売いたしました。現在は、ご注文いただいたらすぐにお届けできるように量産体制が整いました。

-他にもアシストスーツの種類はあるのでしょうか?

 松尾)岡山では果樹栽培が盛んで、例えばぶどうや桃の農家さんは、ずっと手を上に上げたままの作業になります。そこで、腕上げ作業からくる身体への負担を楽にするサポーター「bonbone MOTT (ボンボーン モット)」をJA岡山さまと共同開発しました。ゴムの張力で腕上げ姿勢をサポートすることで、負担を軽減できます。また、腕上げ以外の姿勢での作業も可能です。

bonbone MOTT (ボンボーン モット)

bonbone MOTT (ボンボーン モット)は地域のJAと共同開発。農業の担い手の確保にも貢献

 松尾)当社のアシストスーツを使用して、地元でスマート農業を推進している岡山県立興陽高等学校農業科と一緒に、農作業の時間や筋電(筋線維から発生する活動電位)の計測を行う実験を1年間行う予定です。

高校生の皆さんは16~18歳でとても若いのですが、さすがに100個以上のぶどうの袋掛けは大変です。「bonbone MOTTがあると、長時間作業した時でも首や肩の負担がかかりにくいので、着用していない時と比べて疲れの度合いが違う」といった感想もいただいています。未来の農業を担う若い方々のお役に立てれば嬉しいですね。

さらに、これまでの製品開発で得られた人工筋肉の知見を活かし、前かがみの姿勢による肩・背中・腰への負担を軽減するための新しいアシストスーツ「DARWING サージカルモデル」のプロジェクトもスタートしました。元岡山大学の大藤医師の監修を得て、外科手術や歯科治療など、長時間の前傾姿勢でお仕事をされる方の負担軽減ができればという思いから開発したものです。

こちらは医師だけでなく、前かがみの姿勢で肩や背中にかかる負担にお悩みの方をアシストできる製品となっています。

使っていただいた方が笑顔になる製品を目指して

-実用的と言うだけでなく、お客さまの想いを大切にされているのですね。

松尾)アシストスーツの他にも進めている事業が10件程度あります。

その中でも特に注力している事業は、車椅子ユーザー向けの歩行支援スーツの開発です。車椅子の方が、歩けるようになるものを作りたいと思っています。後天的に事故で脊椎を損傷して歩行ができなくなってしまった方のほぼ全ての方が「もう一度歩きたい」という夢をお持ちです。「散歩していたコースを歩きたい」「家族や恋人と手をつないで歩きたい」「買い物がしたい」と皆さま口々におっしゃいます。

私にとって「歩く」ことは日常の動作で、それ自体の価値を考えたことがありませんでした。しかし、「歩くことが夢」と聞いた時に何かできないかと思ったのです。

そこで、人工筋肉で作ったサポーターとシューズを組み合わせることによって、車椅子がなくてもリハビリ次第で歩くことができるような製品の開発に取り組みはじめました。当社が開発した製品で歩くことができたとしたら、どれだけ喜ばれるだろうか、社会のお役に立てるだろうかと思うと胸が熱くなります。

このような知見を得られたのも、当社の製品をさまざまな方に信頼して使っていただいているからです。当社が先生方にラブコールを送っても、先方から信頼されなければ製品を使っていただけません。先方の心を開き、信頼関係を構築するには、こちらから先に見返りを求めない行動を起こすことが重要だと考えています。

もちろん、企業として売上や利益は大事です。しかしそれ以上に大事なことは、社会に価値を提供できたかどうか。それが、当社の存在意義です。社員とも共有し、これからもお客さまと社会のお役に立つ製品の開発を続けて参ります。

 

ステークホルダーへの感謝

お客様との向き合い方
パートナーの皆さま

松尾)当社は、創業から59年という長きにわたって事業を続けることができました。これもひとえに我々の製品を販売してくださっている企業、接骨院、鍼灸院、病院のパートナーの皆さま、そして、何よりも実際に製品を使用していただいているお客さまのおかげです。いつも本当にありがとうございます。

 

当社の中心的なビジョンは「顧客志向」です。

 

メーカーは、「新しいものをどんどん開発したい」と、プロダクトアウトになってしまうことがあります。「こんな機能をつけたら」「こんなデザインにしたら」という気持ちが出てくるからです。

 

例えば、技術を駆使すれば、もっとパワーがあるアシストスーツを作ることもできますが、重くなり、ゴツゴツとしたおおげさなものになるでしょう。しかし、当社はあくまで「お客さまがどのようなものを使いたいか」を考えることが大切だととらえています。

 

お客さまが求めているものが、「軽くて、服を着る感覚で気軽に身に着けられる製品」であれば、それを提供するのが当社の役割です。

 

今後も、お客さまに対し当社の感謝の気持ちを形にして提供していくこと、それが、お客さまにとっても、社会にとっても、当社にとっても良い結果をもたらすことを願っております。

社員・家族との向き合い方
先代社長と社員の皆さま

松尾)私は、社長になって3年になります。就任当時は「売上が上がればそれで良い」という利己的で自分勝手な考えを抱いていました。

 

それを諭してくれたのが、先代社長で今は会長である父です。父が社長時代に「顧客志向」や「仲間を大切にする考え」を企業風土として根付かせてくれたおかげで、会社の雰囲気も良いばかりか、100名以上いる社員も、皆さまとても素晴らしい人材がそろっています。

 

私には、現在の社長として当社を維持するだけでなく、さらに発展させていく役割があります。社員の皆さまと一緒なら、当社の事業はこれからも多くの分野で、沢山の方たちのお役に立つことができるはずです。私はそのことに喜びを感じています。

 

この状況を作ってくれた父である会長、そして社員の皆さまに感謝を伝えたいです。

地域社会・地球環境との向き合い方

松尾)岡山という地域に根差すことが、当社が地域社会にできる貢献だと考えています。

 

1つめの地域貢献は、売上を伸ばして納税額を増やし、地域に資金を還元することです。

 

そして2つめは、SDGsへの取り組みとして、環境に配慮した貢献活動です。

 

例えば、約1年前から当社と協力してくださる企業3社で、本社社屋のある国道2号線沿いのゴミ拾いを始めました。蛍光緑色のビブスを着用し、皆で一斉にゴミ拾いを行います。

 

ゴミ拾いを始めてみたら道がキレイになるだけでなく「なんでこんなにゴミが捨てられているのだろう」「どうして吸い殻が多いのだろう」など、多くの気づきがありました。

 

自分の環境に対する行動の教訓にもつながっています。清掃中にお声がけいただいたり、SNSでも「いいね」を多くいただけたりと、地域の方との交流も深まりました。

当社のゴミ拾いのボランティア活動の様子

毎月のゴミ拾いのボランティア活動の輪は、地域社会に着実に広がっている

 

現在では、参加企業は10社を超え、地道な声かけで参加者も200人を超えています。毎月第一木曜日に一斉に掃除をしているので、国道2号線沿いの他の企業の方たちも「前から気になっていた」と快く参加を承諾いただけております。今後は企業だけではなく、いろいろな方が参加できるようになれば良いのではないか、大阪から山口まで続く国道2号線のゴミ拾い運動をもっとつなげていければ……と考えています。

 

他にも、産業廃棄物削減の観点から、サポーターづくりで余った布を利用し社員の名刺への活用も始めました。今後も、さまざまな視点で環境に配慮した取り組みを進めて参ります。

未来との向き合い方

松尾)当社は、50年先も子どもが笑顔で暮らせる世の中にしたいと考えています。

 

そのために何ができるでしょうか?現在、子どもの遊びの主流はゲームです。外で遊ぶ子どもはすごく減っています。それ自体は悪いことではありませんが、体力の面から見ると、30年前と比べて子どもの体力は著しく下がっているのではないでしょうか。運動不足は、いますぐ問題になるものではありません。しかし、40年後に今の小学生が50歳になった時にはどうでしょう。足腰の筋肉や骨は、明らかに退化してもろくなっていると思います。そうなると骨折しやすくなり、病院に行く方も増えるでしょう。医療費の大幅な上昇だけではありません。医療制度そのものの破綻も危惧されます。

 

私たちの子どもや孫たち世代が、将来笑顔で暮らすためには、子どものうちから健康に対する意識を持ってもらえると良いのですが、なかなか難しいですよね。

 

そこで、健康について特に考えなくても、日常的な動作の中で筋力を鍛えることができれば健康寿命が延びるのではないかと考えました。一例として、岡山のハウスメーカーと取り組みを行い「Chill Fit な暮らし」という提案住宅を考案しています。バリアフリーの対極にはなりますが、あえて段差をつけるなどして、日常動作で身体を使う家です。

 

意識しなくても日常的に筋肉を使うことで、健康促進につながる。当社は、サポーターメーカーとして、さまざまな企業とタイアップして、日常に溢れる物の中にそうした機能を付加していきたいと思っています。例えば、将来的には、着心地が良いのに、着ると負荷がかかり筋肉が鍛えられる服なども開発可能だと思います。

 

野山を駆け回ったり、そのために運動したりしなくても、日常生活を過ごす中で健康が手に入ることが一番良いと考えます。50年先の子どもたちが笑顔でいられるように、これからも製品開発を続けていきたいですね。

松尾 浩紀  ダイヤ工業株式会社代表取締役社長

〈プロフィール〉

松尾 浩紀  ダイヤ工業株式会社代表取締役社長

1981年生まれ、岡山県出身。2006年にダイヤ工業に入社し、2018年4月に社長就任

 

【企業概要】

ダイヤ工業株式会社

https://www.daiyak.co.jp

代表取締役社長 松尾 浩紀

設立:1963年4月

所在地:〒701-0203 岡山県岡山市南区古新田1125

事業内容:運動器のサポーティングシステムメーカー

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