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炭酸ボンベは値上げ、缶ビールは値下げ 2026年10月に起きる生ビール原価の逆転

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炭酸ガスボンベ 値上げ ビール値下げ
飲食店向けの生ビール用炭酸ガスボンベが、2026年10月1日納品分から値上げになる。
5kgボンベで4125円から8250円になる通知も確認されており、居酒屋やビアバーでは悲報として広がっている。
一方、同じ10月1日には酒税改正が施行され、ビールカテゴリーの缶は350mlあたり約9円安くなる見通しだ。
 

生ビール用ボンベ、10月からほぼ2倍

キリン、アサヒ、サッポロは、飲食店向け樽生ビール用の炭酸ガスボンベを10月1日納品分から値上げすると発表した。
キリンについては4月に続く今年2度目だ。
居酒屋に届いた納品通知では、規格5kg、現納価4125円、新納価8250円、差額4125円と明記されている。
酒屋からも現行の約200パーセント、という速報が出ている。
金額は取引条件で差があるが、約2倍になるケースが実際に出ている点は事実だ。
対象は家庭用の小型カートリッジではなく、ビールサーバーに接続する業務用ボンベである。
外食向けのガスは、缶の小売価格とは別のルートで動く。

 

値上げの理由はガス代だけではない

公式の理由は、サプライヤーの製造コストと物流コストの上昇だ。
ガスの中身だけでなく、アイバルブと呼ばれる残量計、耐圧検査費用、高圧ガス容器そのものの調達費が上がっている。
エネルギー不足や鉄スクラップ、容器の製造コストも背景にある。
加えて、ボンベがビールサーバー以外の炭酸水作りなどに使われ、供給が不安定になっている、とメーカーは説明する。
同じボンベでハイボールやレモンサワー用の炭酸水を作る店は多く、生ビール以外にも波及する。
メーカーは用途外使用を禁じており、家庭や水槽、美容室への転用も対象外だ。

 

店の原価は1杯4円増が現実的な目安

5kgボンベ1本で中ジョッキ約1000杯取れる、という見積もりが店主側から出ている。
値上げ幅4125円を1000杯で割ると、1杯あたり約4円だ。
生ビールの本体原価は中ジョッキ1杯150円から250円程度が目安で、ガス代はもともと小さい項目だった。
炭酸水にも同じボンベを使う店では、サワーやハイボールの原価にも乗る。
地ビールバーからは、代替がなく2倍は吸収しにくい、という声が出ている。
一方で、ガス代2倍が売価2倍を意味するわけではない、という指摘も同時に出ている。
騒ぎの大きさと1杯あたりの金額は、比例しない。

 

一方、缶ビールは酒税改正で値下げ

10月の酒税改正で、ビール、発泡酒、新ジャンルの税率が350mlあたり54.25円に一本化される。
ビールは約9.1円の減税、発泡酒と新ジャンルは約7.26円の増税、缶チューハイは約7円の増税だ。
キリン一番搾りはコンビニ想定で237円前後から228円前後、サントリー生ビールは222円から212円、プレミアムモルツは279円から270円、サッポロ黒ラベルは237円前後から228円前後になる見通しである。
家庭で飲む缶のビールは安くなり、第3のビールやチューハイは上がる。樽のビール本体も減税対象だ。

 

差し引きは原価減でも、便乗値上げの余地はある

中ジョッキ1杯あたり税が約9円下がる一方、ガスは約4円上がる計算なら、差し引き約5円の原価減になる。
発泡酒や新ジャンルの樽は増税側なので、銘柄によって逆だ。
ガス代上昇だけを見て生ビール全体が値上げ、と読むのは早計である。
ただし人件費、光熱費、食材費も同時に上がっており、ボンベ2倍という見出しは値上げの口実になりやすい。
客から見えにくいガス代を理由に、50円や100円単位で売価を乗せる店が出る可能性は残る。
確認すべきなのはボンベの表示額ではなく、1杯に落ちる金額と、店がどこまで転嫁するかだ。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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