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2026年ハンタウイルス集団感染 X予言投稿が再燃、コロナ初期「人から人感染未確認」との記憶が不安呼ぶ 昔から存在するウイルス

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ハンタウイルス 予言
世界保健機関(WHO)がオランダ運航のクルーズ船MV Hondiusで発生したハンタウイルス感染症の集団事例を報告したことで、ネット上では2022年に投稿された予言風メッセージが再び大きな注目を集めている。アルゼンチン出発の船で3人が死亡し、南米型アンデス株による稀な人から人への感染の可能性も指摘される中、コロナ禍の初期状況や日本国内の過去事例を思い起こす人々がコロナ再来を懸念し、戦々恐々としている。
一方で専門家は「ハンタウイルスは昔から存在するウイルスで、コロナのような新興感染症とは性質が異なる」と指摘する。
 

予言投稿の詳細 2022年に「2026: Hantavirus」と記す

2022年6月11日にX(旧Twitter)上で投稿されたアカウント「@iamasoothsayer」のメッセージが話題の中心だ。内容は「2023: Corona ended 2026: Hantavirus」というシンプルなもの。この投稿は当時から一定の関心を集めていたが、今回のクルーズ船事例が報じられた直後から急激に拡散した。引用数は2万件を超え、いいね数は11万を超える規模となっている。アカウントは活動が極めて少なく、未来予測風の短い投稿を残したままほぼ沈黙を守っていたため、「的中したのではないか」との声が相次いでいる。

一方で、既存の感染症リスクを指摘した偶然の一致とする見方も根強い。投稿の日付が本物であることから、ネット民の間で予知能力論争が再燃している。

 

クルーズ船感染の詳細 MV Hondius号で3人死亡、船は現在スペインへ

問題のクルーズ船は探検船「MV Hondius」。2026年4月1日にアルゼンチン南部ウスアイアを出港し、南極地域や南大西洋の島々を巡る航路を取っていた。乗客・乗員約147人(23カ国籍)が乗船していた。WHOの報告によると、5月2日に船内で重症呼吸器疾患の集団発生が確認され、5月6日時点で確定例と疑い例を合わせて8例前後、3人が死亡した。原因は南米型のアンデスウイルスとされ、この株は稀に人から人への伝播が確認されている唯一のハンタウイルス株だという。

症状は発熱、頭痛、下痢から始まり、急速に呼吸不全へと進行した。船は現在カボベルデ沖からスペインのカナリア諸島テネリフェへ向けて移動中。一部患者は南アフリカ、オランダ、スイスなどに搬送され治療を受けている。感染源については乗船前の南米ツアーでのネズミ接触が疑われているが、調査が続いている。乗客は厳重隔離下に置かれ、接触者追跡も世界規模で実施されている。日本人乗客1人も乗船していたが、症状は報告されていない。

 

ハンタウイルスとは 昔から存在するネズミ由来の高致死率感染症

ハンタウイルスはげっ歯類(主にネズミなど)が保有するウイルス群で、人への主な感染経路は尿・糞・唾液の乾燥粉塵を吸い込むことだ。南北アメリカ大陸ではハンタウイルス肺症候群を引き起こし、肺に液体が溜まる重症呼吸器疾患となる。このウイルスはコロナとは異なり、数十年前から科学的に知られていた存在で、1930年代以降にユーラシア大陸などで類似症状の風土病が記録され、1970年代にウイルスが分離・命名された。

南米型の致死率は30〜50%程度と高く、ワクチンや特異的治療薬は存在しない。症状はインフルエンザ様から急激に悪化するため、早期の支持療法が鍵となる。人から人への感染はアンデス株以外では極めて稀で、一般的な飛沫感染とは異なる。アルゼンチンでは2026年に入り数十件の感染報告があり、気候変動によるネズミ増加が背景にあると指摘されている。

日本国内では自然感染例は報告されていないが、海外旅行者などは十分な注意が必要だ。

 

日本での過去事例 梅田奇病など国内でも確認

日本でもハンタウイルスは過去に存在した。1960年代に大阪梅田地区で119例(2人死亡)の「梅田奇病」が発生し、後年にハンタウイルス感染と判明した。また1970〜80年代には全国21の動物実験施設で実験用ラット由来の126例(1人死亡)が報告された。

1984年以降の国内患者発生報告はないが、港湾部のドブネズミなどにウイルス保有が確認されており、未診断の軽症例が存在する可能性も指摘されている。ハンタウイルス肺症候群の国内報告はない。これらの事例は「昔から身近にあったリスク」として再注目されており、ネズミ対策の重要性を改めて認識させるきっかけとなっている。

 

コロナ禍再来かと戦々恐々 初期「人から人感染確認されていない」との類似に警戒

コロナ禍を経験した多くの人々が、今回の報道に強い既視感を覚えている。2019年末から2020年1月にかけて中国・武漢で原因不明の肺炎が発生した際、当局やWHOは当初「人から人への感染は確認されていない」と繰り返し説明していた。しかしその後、医療従事者や家族内感染が明らかになり、1月下旬には武漢ロックダウン、WHO緊急事態宣言へと急展開した。

今、ハンタウイルス報道でも「主にネズミ由来で人から人感染は稀」「アンデス株でも限定的」との表現が用いられているため、「コロナの時と同じではないか」との不安の声がX上で溢れている。日本での過去事例も「国内でもあった」と再認識され、予言投稿のタイミングの良さも相まって、検索トレンドに「ハンタウイルス」「コロナ再来」関連語が急上昇した。

ただし、専門家やWHOは「コロナのような世界的パンデミックには発展しにくい」との見解を示している。ハンタウイルスは昔から存在するウイルスで、感染経路がネズミ由来中心で空気感染の爆発力がないためだ。船内限定の事例として管理可能との判断で、国際的な公衆衛生上の脅威は低いと評価されている。厚生労働省も「国内で感染拡大するリスクは低い」と国民に冷静な対応を呼びかけている。

予防策としては、ネズミの痕跡がある場所の清掃時にN95マスクと漂白剤溶液を使用し、粉塵を吸わないよう徹底することが重要。日本では海外渡航後の発熱・呼吸器症状時に医療機関でネズミ接触歴を伝えることが推奨される。今回の事例は、気候変動や国際的な人の移動がもたらす新興感染症リスクを改めて浮き彫りにした。予言投稿をめぐる論争は続いているが、科学的な警戒と冷静な対応が求められる状況だ。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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