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「鈴木宗男、引退表明からの当確劇」 ドラマを超えた政治人生に娘・貴子議員も一言「人生はドラマより奇なり」

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「宗男劇場」の真骨頂、逆転の一撃 “政治は信義と即断”を体現した男の底力

鈴木宗男
自民党HPより

2025年7月21日未明、参院選比例代表に立候補していた自民党の鈴木宗男氏(77)が政界引退を表明した直後、当選確実の報道が流れ、SNSを中心に大きな反響を呼んでいる。その騒然とした流れの中で、長女の鈴木貴子衆議院議員がX(旧Twitter)で発信したひと言が、多くの共感を集めている。

「人生はドラマより小説より奇なり。」

この投稿は、鈴木氏の政治人生がいかに波乱万丈であったかを端的に表現したものであり、親子の信頼関係とともに、思わず唸らせる含蓄をもつ一文だった。

 

“引退表明”から“当確報道”へ SNSは驚きと混乱の渦

宗男氏は21日早朝、札幌市内の選挙事務所で記者会見を開き、「もう選挙には出ません」と語り、政界からの引退を明言。「鈴木宗男の責任」として敗戦を潔く受け入れる姿勢を示していた。

ところがその数時間後、比例代表で12議席を獲得した自民党の最後の当選者が鈴木宗男氏であると、共同通信などが報じた。まさに“土壇場のうっちゃり”と形容すべき大逆転劇に、SNS上では「敗北宣言したのに当確!?」「脅威の宗男劇場」といった投稿が飛び交い、「鈴木宗男」はトレンド入りを果たした。

 

宗男氏の“すごみ”を見た瞬間

筆者自身、鈴木宗男氏の“すごみ”を間近で体感したことがある。もう10数年前のこと、宗男氏にインタビューを行った際、取材の合間に「道東の優良企業を特集したい」と相談を持ちかけた。すると氏は即座に「紹介してやる」と言い、目の前で数社の地元企業の社長に直接電話をかけ始めたのである。インタビューの時間が押し、次の来客が控えていたにもかかわらず、筆者の頼みにその場で応じ、複数社に取材の橋渡しをしてくれた。こうした即応力と段取りの鮮やかさは、いまでも記憶に鮮明だ。

他の政治家であれば、秘書を通じて後日連絡を取ってくれるか、せいぜい1社に電話する程度が通例である。だが、宗男氏は違った。話を聞きながらその場で動き、目の前で取り次いでくれていった。それが政治的なパフォーマンスであったとしても、筆者はその姿に感銘を受け、素直に「この人のファンになった」と思ったことを憶えている。

 

即断即決の現場主義

同様の瞬発力を感じた政治家としては、筆者の経験上では元衆議院議員の亀井静香氏くらいしか思い浮かばない。言葉だけではなく、その場の空気を読み、身体を動かして応じる。その行動力は、党から離れても当選し続ける政治家とはこういうものかと思わせるものがあった。話を聞けば、ファンになってしまう魅力あふれる人だった。

なお、政治家は皆そうであるが、後日、宗男事務所からはしっかりとパーティー券が郵送されてきたことも、今となっては笑い話の一つである。

政治家は皆、一定のパフォーマンスを背負って立つ職業かもしれない。しかし、宗男氏の動きには、即応・即断・即決という、かつての“政界の胆力”を思い出させる何かがあった。あれから時を経ても、北海道で“宗男さん”が必要とされている理由の一端は、こうした生身の実感にあるのかもしれない。

 

情と道義を貫いた政治家 宗男氏の軌跡と“必要性”

1983年に衆議院議員として初当選した鈴木宗男氏は、小渕内閣の官房副長官を務めるなど政権中枢で活動し、長年にわたり北方領土問題をライフワークとしてきた。一時は北方四島支援事業を巡る疑惑で政界を追われ、懲役判決も受けたが、作家の佐藤優氏と共に“塀の中”を経験しながらも、なお復活を遂げた丹力のある政治家である。

その復活劇には、多くの北海道民が「まだこの人に託したい」と感じるだけの説得力があったのだろう。北海道に利益誘導して何が悪い──そう言い切り、わかりやすく、ぶれずに、即断即決で動く。この人の道義は、(北海)道義なのだろうが、地元のために動くというその“政治の本質”をいま再び求める声が、票として結実したのだと思う。

実際に北海道の企業に話を聞くと、「鈴木宗男先生のファン」という人と毛嫌いしている人の両極端にわかれる毀誉褒貶ある人だが、支持者にファンと言わしめるだけの魅力があることだけは否定できない。

 

「最後の戦い」は続くのか 宗男氏のこれからに注目

今回の参院選は、宗男氏が「最後の戦い」「集大成」と位置づけ、復党した自民党の看板を掲げて挑んだものである。その結末が、会見で語られた「政界引退」ではなく、「当選」という形で訪れたことに、当人がどう向き合うのか。次なる一手は、早くも注目を集めている。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。株式会社東洋経済新報社ビジネスプロモーション局兼務。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。 連載:日経MJ・日本経済新聞電子版『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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