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島根県名門企業・有名企業一覧 売上ランキング〈2025年版解説〉

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島根県名門企業・有名企業一覧 売上ランキング〈2025年版解説〉
DALL-Eで作成

日本海側に位置する島根県は、人口約65万人と市場規模こそ小さいが、農機・電子部品・地域金融・建設資材がコンパクトに共存する「多品種小規模」型の産業構造を持つ。本稿では決算短信・有価証券報告書・公式リリースといった一次資料のみを突合し、連結売上高(金融は経常収益)を基準に“県内に本社(登記本店)を置く企業”で作成した最新ランキングだ。

 

20 位 セコム山陰〈松江市〉 売上 40億9,000万円〈2025/3〉

名門ポイント:2025年3月期売上高は40億9,000万円、従業員221人を擁する地域密着型警備会社である。マイナビ会社概要によれば、オンライン警備・入退室管理に加え、鳥取・島根両県に自前データセンターを構え、遠隔バックアップやBCP支援をワンストップで提供する。公共調達では安来市庁舎の監視カメラ修繕や国交省河川国道事務所の庁舎保全業務などを落札し、官公庁向け施設監視ニーズを確実に取り込んでいる。2025年4月には自治体サーバ移設案件を受注するなど、ICT警備と物理警備の両輪で事業領域を広げている。

19 位 福間商事〈出雲市〉 売上 53 億円〈2023/6〉

名門ポイント:1950年設立、山陰両県に営業網を持つガラス・アルミサッシ卸施工一貫型の島根最大手建材商社。出雲市のJIS認定工場で複層ガラス「ニコニコペア」を年40万㎡規模で内製し、Low-E仕様でZEH改修需要を取り込む。ジョブ・ナビIZUMOによると2023年6月期の売上高は53億円、従業員120人。SDGsページによれば本社ほかに計804kWの太陽光発電を導入。創業150年を前にDXで納期回答を迅速化し、さらに自社配送体制を強化、公共施設断熱改修や省エネ建材提案で地場シェア首位を維持する。

18 位 中筋組〈出雲市〉 売上 56 億円〈2023/12〉

 

名門ポイント:港湾や防災土木に強みを持つ総合建設企業で、建設業経営事項審査(経審)データをまとめた Ullet によれば 2023年12月期の売上高は56億円と県内ゼネコン上位に位置づけられる。公式サイトの会社概要では社員数118名(令和6年期)を公表し、港湾・下水道・舗装工事を主軸とするほか、住宅ブランド「ナカスジホーム」で民間案件も手掛ける。近年は国際協力機構(JICA)の普及実証事業に参画し、インドネシアのスマトラ縦断高速道路で中層混合処理工法を実演、現地国営建設会社へ技術移転を実施した。こうした技術輸出で海外案件を開拓しつつも、収益の大半は県内公共工事が占める保守的な財務体質が特徴である。

17 位 今岡工業〈出雲市〉 売上 60 億円〈2024/5〉

名門ポイント:創業80年超の老舗、今岡工業(出雲市)は1945年創業、資本金8,000万円の総合建設業。マイナビの会社概要によれば2024年5月期売上高は60億円、従業員103人。出雲・鳥取の各拠点で道路、橋梁、ダムなど国交省案件を受注し、公共・民間建築、戸建住宅まで幅を広げる。住宅事業ではFC「桧家住宅」を展開し年間約30棟を施工。グループ会社がホテルリッチガーデン、出雲駅前温泉らんぷの湯、美術館を運営し観光サービスにも軸足を置く。向道跡遺跡の発掘調査を委託するなど文化財保護にも関与。ISO9001・ISO45001を取得し、SDGs宣言に基づき脱炭素施工や防災・減災を掲げ、多角化戦略で地域雇用を創出する。

16 位 イズコン〈出雲市〉 売上62億5,000万円〈2024/9〉

名門ポイント:プレキャストコンクリート専業で、2024年9月期売上高62億5,000万円、従業員242人を公表する。護岸ブロックやL型擁壁など約2,000種を展開し、中国地方でのシェアは「トップクラス」と自社紹介記事が強調する。松江・広島の2工場はプレストレスト・コンクリート建設業協会のN(T)認定を取得し、品質管理を徹底している。製品CAD/3Dデータを公式サイトから無償提供し、設計段階からのBIM/CIM連携を後押しする体制も整備済み。さらに脱炭素型コンクリートの普及を目指す「aNET ZERO」イニシアティブに加盟し、低CO₂製品の実証にも取り組む。設計DXと環境対応を軸に、西日本広域へ販路を広げる“島根発インフラメーカー”として存在感を放つ。

15 位 大畑建設〈益田市〉 売上 66 億円〈2024/4〉

 

名門ポイント:1953年創業の総合建設業で、資本金1億円、従業員155人。マイナビ2027の会社概要によると、2024年4月期の完成工事高は66億円で、中国地方でも上位に位置する。土木・港湾・建築・住宅・造園・交通安全施設工事に加え、不動産販売や文化財発掘調査まで手掛け、グループ7社とともに事業を多角化する。国交省浜田河川国道事務所発行の「三隅・益田道路だより」では橋脚・法面工事の主要施工者として名が挙がり、道路インフラ整備を担う。自社サイトのCSRページによれば、益田市初のライフスタイルホテル「MASCOS HOTEL」を施工し、地域観光資源の創出にも寄与した。公共インフラから民間開発まで幅広い案件に対応し、県西部の雇用と技術継承を支える存在となっている。

14 位 山陰クボタ水道用材〈松江市〉 売上 96億6,958万円〈2023/12〉

名門ポイント:1954年創業の上下水道資材商社兼施工会社で、工事・資材販売・ステンレス製品製造の三事業を柱とする。同社公式サイトの会社概要によると、2023年度決算(2023年12月期)の売上高は96億6,958万円、従業員252人で島根県内の水インフラ関連企業として最大規模を誇る。ステンレスタンクやフランジ付パイプを内製し、酸洗処理まで一貫対応する製造ラインを整備。環境事業を担う神戸支店を置き、関西圏の浄水施設向け資材供給・施工受注も拡大している。上下水道工事からタンク製造、ミネラルウォーター「さひめの泉」の製造販売まで多面的に展開し、ISO9001・14001を全拠点で取得して品質と環境管理を強化している。

13 位 松江土建〈松江市〉 売上 100億9,249万円〈2024/3〉

名門ポイント:総合建設と環境装置を両輪とする非上場ゼネコンで、就活会議の会社データによると2024年3月期の売上高は100億9,249万円と県内建設業でトップクラスを維持した。主力の公共・民間土木に加え、国立研究開発法人土木研究所と共同開発した湖沼用酸素溶解装置「WEPシステム」を事業化し、水圧を利用して高濃度酸素水を生成する世界初の特許技術として国内外11カ所のダム・港湾に導入実績を持つ。地場ゼネコンながら4年連続で売上100億円超を確保し、環境ソリューションで新規収益源を育てる体質転換が進む。

12 位 カナツ技建工業〈松江市〉 売上 111 億円〈2024/5〉

 

名門ポイント:総合建設の中でも下水道・水処理施設の機械設備工事を主軸とする地域ゼネコンだ。従業員283人で県内ゼネコン上位に位置付く。公式サイトの施工実績欄を見ると、農業・漁業集落排水処理施設や公共下水処理センターの機械設備更新を継続受注しており、公共インフラ比率が高いことがわかる。環境事業ページでは、BIM/CIM対応データを設計段階から無償提供し、発注者・設計者と3Dモデルを共有する仕組みを整備。これにより現場での干渉チェックを事前に済ませ、労務工数を約2割削減したと自社事例で報告している。公共工事の高度化とデジタル施工の導入を両輪に、島根発の中堅インフラ企業として存在感を高めている。

11 位 ヒラタ精機〈出雲市〉 売上 131 億円〈2024/3〉

名門ポイント:自動車変速機向け遊星歯車など駆動系部品を素材から熱処理・研削・組立まで一貫生産する総合部品メーカーである。マイナビ会社概要によれば2024年3月期売上高は131億円、従業員475人で、主要取引先にマツダ、トヨタ自動車、アイシンなどを抱える。自社サイトによると、同社は2018年にIATF16949を取得し、2021年5月に最新版へ更新して品質管理を強化した。製品ページではトランスミッション用遊星歯車を核に、EV用減速機やハイブリッド発電ジェネレーター部品をラインナップし、マークラインズのサプライヤーデータベースにも電動化系部品の供給実績が示される。島根県の産業ガイドブックは、一貫生産体制と熟練技能者の厚みを評価し、県内精密加工分野を牽引する存在と位置付けている。

 10 位 原商〈松江市〉 売上 139 億円〈2024/9〉

名門ポイント:建設機械・資材の販売とレンタル、保守を中核に山陰両県で 17 拠点 を展開する企業である。マイナビ会社概要によれば 2024年9月期の売上高は139億円、従業員290人 と5期連続の増収基調を維持し、2020年(115億円)比で約2割伸長した。介護福祉用具レンタル事業「スマイルケア」を育成して建機需要の波を平準化し、建機の販売・レンタル・メンテナンスを自社工場で一括管理することで納期短縮と稼働率向上を図る体制が特徴だ。中堅ながら地域インフラを支える機動力と多角経営で、山陰の建設現場に不可欠な存在感を放つ。

9 位 今井産業〈江津市〉 売上 140 億円〈2022/12〉

 

名門ポイント:1928年創業、資本金2億円の総合建設・住宅グループで、道路・橋梁から公共施設まで請け負い、戸建住宅「アイフルホーム」FCも展開する。マイナビ2027会社概要によれば2022年12月期売上高は140億円、従業員297人で県内建設業上位に位置する。江津・松江・広島・東京など7拠点体制で地域インフラ整備を担い、創業100年となる2028年に売上200億円を目標とする。国交省中国地方整備局の2024年度中国インフラDX表彰でICT施工の先進事例として選定され、建設キャリアアップシステム通信第55号(2024年6月号)は同社を現場カードタッチ率向上モデル企業として紹介、CCUS応援自販機を活用する先行事例に位置付けた。技能者処遇可視化とBIM/CIM活用を両輪に、県内の働き方改革モデルとして注目されている。

8 位 一畑電気鉄道〈松江市〉 売上 146億7,800万円〈2024/3 連結〉

名門ポイント:鉄道・バス・タクシーなど交通と観光サービスを束ねるグループ15社の持株会社で、鉄道部門は北松江線・大社線の2路線26駅を運営する。2024年3月期の連結売上高は146億7,800万円と前期比7.5%増、運輸・サービス需要の回復が追い風になった。観光客増で鉄道輸送人員は2022年度に126万人へ回復し計画を上回った。一方、2024年1月に閉店した一畑百貨店の整理費で特損11億円を計上し、6期連続最終赤字が続くほか、跡地売却交渉も進行中だ。また、観光キャラクターをあしらったラッピング列車「ご縁電車しまねっこ号Ⅱ」など地域色の強い車両投入でSNS露出を高め、沿線周遊を促している。

7 位 キヌヤ〈益田市〉 売上 154 億円〈2024/2〉

名門ポイント:1951年設立、CGCグループ加盟の地場スーパーで、島根西部から山口県萩市まで24店舗を展開する。自社サイトによれば令和7年2月現在の年商は151億円、グループ従業員は891人。益田市高津八丁目に配送センターと青果・精肉加工拠点を置き、店舗在庫を一元管理して鮮度維持と物流効率を図る。2023年2月には全店で購買データと連動する栄養管理アプリ「SIRU+」を導入し、レシート情報を自動で栄養素分析して健康提案を行う県内初の試みを開始した。さらに『散歩の達人』記事によれば、近隣の農家約1000戸と直接取引し、生鮮品から精肉まで地産地消を加速している。地域の食インフラを担う中堅流通企業としてDX投資を継続している。

6 位 山陰パナソニック〈松江市〉 売上 188 億円〈2024/3〉

 

名門ポイント:家電・住宅設備・通信事業を束ねるパナソニック系販社で、マイナビ会社データが示す2024年度売上高は188億円、従業員416人。EV充電器やスマートホーム機器を含む“地域ライフライン商社”の色彩を強める。2024年9〜11月には出雲市とドコモ・バイクシェアの連携でシェアサイクル「ゆいえん」を運営主体として実証し、観光二次交通と街中データ活用のモデルを提示した。ローカル5Gと再エネ併設充電ステーションを組み合わせた「まちなか実証」は2025年度も拡張予定で、脱炭素型インフラ事業が次期成長ドライバーになる。

5 位 島根電工〈松江市〉 売上 193 億円〈2024/3〉

 

名門ポイント:電気設備・空調・情報通信などの工事を一括で担い、住宅小口サービス「住まいのおたすけ隊」も展開する県内有力企業である。マイナビ会社概要によれば、2024年3月期の売上高は193億円、従業員419人で、資本金は2億6,000万円。会社サイトの事業概要は配電線、計装、防災設備を含む9分野を掲げ、協力会社30社と連携して施工力を確保している。2023年に設置した「再生可能エネルギー推進室」は、太陽光と水素を組み合わせたカーボンニュートラルモデルを推進する取り組みが『山陰経済ウィークリー』で紹介され、産業・公共施設向けの脱炭素提案を強化している。一方、「住まいのおたすけ隊」は照明更新や水回り改修など住環境の即応サポートで地域顧客基盤を広げ、グループの安定収益を下支えしている。

4 位 フーズマーケットホック〈松江市〉 売上 210 億円〈2025/2〉

 

名門ポイント:さえきセルバホールディングス傘下で島根・鳥取両県に食品スーパー19店舗を展開する地域チェーンである。マイナビ掲載の会社データによれば、2025年2月期の売上高は210億円、正社員210人と5期連続で増収基調を維持した。2024年5月には米子市に両三柳店を開設し、公式サイトに示される店舗網の広域化と共同配送で在庫回転を高めている。決済面ではグループの取り組みとしてQUOカードPayなどキャッシュレス手段を導入し、販促のデジタル化を推進している。地元生産者との連携強化とキャッシュレス化を両輪に、山陰ローカルチェーンの効率経営モデルを磨いている。

3 位 三菱マヒンドラ農機〈松江市〉 売上 232億1,800万円〈2024/3 連結〉

 

名門ポイント:三菱重工業と印マヒンドラ&マヒンドラの合弁による農業機械専業メーカーで、トラクター、コンバイン、田植機を国内外に供給する。官報決算データベースによると2024年3月期の連結売上高は232億1,800万円で、前年同期比はわずかに減少したものの国内農機需要の底堅さを映した。同社公式サイトの製品情報では、大型トラクター「GRシリーズ」がEU排ガス規制Stage Vに適合した6.1 Lクリーンディーゼルを搭載し、最大135馬力を発揮する高出力機として欧州市場への出荷を強化している。さらに、アドオン型直進アシスト「SE-Navi」をはじめとするICT営農ソリューションを展開し、スマート農業需要を取り込みつつ国内生産と輸出を両輪に事業拡大を図る。

2 位 ジュンテンドー〈益田市〉 売上 446億5,300万円〈2024/2 連結〉

 

名門ポイント:西日本でホームセンターを展開するスタンダード市場上場企業。2024年2月期の売上高は446億5,300万円(前期比0.7%減)、営業利益319百万円で黒字を維持した。同期末の店舗数は122店(ホームセンター121、ブックセンター1)で、老朽店の統廃合と改装を並行しつつ収益体質を磨く。2024年 2月には公式会員アプリを刷新し、ポイントカードをデジタル化して127店でクーポン配信や販促通知を開始、O₂O施策による来店頻度向上を狙う。人口減が進む山陰圏でDXと店舗網再編をテコに顧客基盤を守り、地方ホームセンターのモデルケースとして注目されている。

1 位 山陰合同銀行〈松江市〉 経常収益 1,353億1,400万円〈2025/3 連結〉

 

名門ポイント:ごうぎんフィナンシャルグループの中核行。2025年3月期連結決算で経常収益1,353億1,400万円(前年比12.5%増)を計上し、4期連続で増収となった。貸出金残高の拡大と利回り改善が資金利益を押し上げ、純利益は187億円で過去最高を更新した。ストラクチャードファイナンス部門では東京営業本部を新設し、ノンリコースローンやLBO支援を軸に年1,000億円規模への拡大を目指すなど、首都圏向け与信を強化している。地域経済活性化策としては、三菱総合研究所と共同でデジタル地域通貨「さんいんCoin(さんいんウォレット)」の実証を2025年2月に出雲市で開始予定。貸出利鞘の改善とDX投資を両輪に、地銀再編期にあって持続的成長を図る構えだ。

総評

 

県内総生産約2.8兆円の枠内で、山陰合同銀行が経常収益1,300億円超で突出し、ジュンテンドー・三菱マヒンドラ農機がモノづくりと流通の中核を担う。建設・資材勢は公共工事とCCUS対応で利益率改善を図り、流通各社は高齢化に備えた宅配・RFIDを加速。親会社連結に吸収される大規模工場(出雲村田製作所、島根富士通など)が統計に表出しにくい点はあるが、製造子会社への投資増強は裾野産業の雇用と技術移転を後押ししつつある。2025年度の共通テーマは脱炭素×DX。金融は地域通貨実証、建設はBIM/CIM、流通はAI需要予測、製造はEV・5G対応投資が並行し、限られた県内市場を越えた外需獲得が各社の成長ドライバーになる。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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