白井秀政が羽田空港に帰国、警察が任意同行

神奈川県川崎市の住宅から一部白骨化した女性の遺体が発見された事件で、行方不明となっていた岡崎彩咲陽(おかざき・あさひ)さん(20)の元交際相手である白井秀政(しらい・ひでまさ)が、5月3日午後、羽田空港に到着した直後、神奈川県警により任意同行された。
白井氏は岡崎さんの行方が分からなくなった後、国外に出国しており、逃亡の可能性も取り沙汰されていたが、今回の帰国で事態は急展開を迎えている。
警察は帰国の経緯や事件への関与の有無について慎重に聴取を進めており、今後の捜査に注目が集まっている。
行方不明直前のSOSと警察の初動
岡崎さんは行方不明になる直前、白井氏からのストーカー行為に悩まされており、その事実を警察に訴えていた。警察はこれを受けて、白井氏に対して複数回、口頭での注意を行っていたが、ストーカー規制法に基づく書面での警告、いわゆる「警告書」は一度も発せられていなかったことが伝わっている。
彩咲陽さんの親族は、事件後も白井氏が平然と自宅で生活していたことに強い違和感を抱いていたという。
「彩咲陽が行方不明になってから、白井は自宅で何くわぬ顔で生活しつづけていた。彩咲陽の親族や友人が問いただしても、白井も白井の母親もシラをきっていた。そのいっぽうで白井は3月中旬に母親に『どっか遠くにいく』と話していたようで、パスポートも取得し、4月の中旬以降は音信不通になっていた。
神奈川県警がようやく捜査に本腰を入れたのはごく最近のこと。なぜ最初からしっかりしてくれなかったのか…」
こう語るのは、彩咲陽さんの親族の一人だ。神奈川県警は4月30日に白井氏の自宅を家宅捜索し、同時に母親からも事情を聴取。以降、白井氏の行方を本格的に追っていた。
市民の怒りが署名に結集 change.orgで賛同広がる
事件の対応をめぐっては、市民からの強い批判も起きている。インターネット署名サイト「change.org」では、「岡崎彩咲陽さんの命を守れなかった警察を問う」と題したオンライン署名が開始され、川崎市を中心に全国から賛同の声が集まっている。
この署名では、警察の初動対応や判断の検証、遺族への正式な謝罪、ストーカー対策の運用体制見直し、制度強化などを強く求めている。「命の危険」を訴え続けていたにもかかわらず、声が届かなかった現実への憤りが、社会的な運動へと広がっている。
OGF関係者もSNSで反応 ストーリーで静かに共有
さらに注目されるのは、白井氏がかつて所属していたヒップホップグループ「OGF」の元メンバーのcandee や deechが事件に反応を示していることだ。複数のOGF関係者がSNSのストーリー機能を通じて、岡崎さんの事件に関する投稿をシェアしている。ただし、現時点で直接的なコメントはなく、言葉を避ける形で事件に向き合っている様子が見受けられる。
OGFについては、元々、candee snooz deechで最初は形成されていてそこからcandeeとdeechは抜けたようだ。
そこから白井やp cueteなど合計8人でogfを再結成して去年川崎のクラブを拠点に活動してましたことが伝わっている。
ただ、事件は、警察行政だけでなく、身近な人々がどのように危機を受け止め、声を上げてきたかを問う構造的な問題も内包している。
命の軽視が浮き彫りに 再発防止への覚悟が問われる
岡崎さんの命が、警察や社会の対応の遅れによって失われたという現実。その背景には、ストーカー規制法の運用の甘さ、初動判断の誤り、そして加害者と向き合う体制の不備がある。
警察の再発防止策、制度改革、市民との信頼関係の再構築が求められている。今後、社会全体がこの事件をどう受け止め、変革に向けて行動するかが問われている。
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