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産廃業者泰幸で凄惨ないじめ 杉本竜司元専務ら殺人未遂容疑で逮捕

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泰幸のHP
泰幸のHPより

大阪府八尾市の産業廃棄物処理会社で、元専務の男らが20代男性社員に対し、ショベルカーで吊り上げ梁にぶら下げ落下させる、熱湯をかける、タトゥーを彫るといった、常軌を逸した暴行を加えていたとして、殺人未遂容疑で逮捕された。被害男性は「死ぬんじゃないかと思った」と当時の恐怖を語っている。

日常的ないじめ、エスカレートする暴行

被害男性は、職場において日常的にいじめを受けていた。「仕事が遅い」「動きが遅い」などと因縁をつけられ、プラスチックバットで殴打されたり、背中に釘を押し付けられたりするなどの暴行を受けていたという。さらに、加害者らはスマートフォンの動画で犯行の様子を撮影していた。男性は逃げても実家に追いかけるなどと脅迫され、恐怖で精神的に追い詰められていた。

「当時はなんでそこまでするんだろうとか思って怖いとか、そんときはもううつ気味でした。余裕もなくてもしかしたら死ぬんじゃないかなと」と当時の心境を報道で語っている。

ショベルカーで吊り上げ、梁から落下

警察の発表によると、元専務の杉本竜司容疑者(48)と息子の京宣容疑者(26)ら3人は、今年6月、ショベルカーで男性を持ち上げ、約9メートルの高さにある作業場の天井の梁にしがみつかせ、落下させた疑いが持たれている。男性は足に熱湯をかけられ、皮膚がただれるなどの重傷を負った。

顔へのタトゥー、スタンガン… 悪質極まる犯行の数々

男性への暴行は凄惨さを極めていた。顔面に洗浄用のスプレーを噴射して火傷を負わせたり、尻にスタンガンを当てたりしたほか、顔にタトゥーを彫るといった行為もあった。

「物を投げてきてそれが顔に当たって歯が欠けてしまった後、タトゥーを顔に入れられたり。ほぼ目スレスレの所に入れられたので、もしかしたら失明するかもしれないと言われて、ちょっと怖いなと」と男性は語る。杉本容疑者らは、これらの行為で傷害容疑でもすでに逮捕・起訴されている。

事件発生現場は「株式会社 泰幸」

事件が発生した会社は、大阪府八尾市に所在する「株式会社 泰幸」。昭和43年創業、平成7年設立の産業廃棄物処理会社だ。資本金は1000万円、従業員数は25名とHPでは開示されている。26日現在、厚生年金・健康保険適用事業所検索システムでは、被保険者数は19名となっている。

事業内容は産業廃棄物中間処理業(破砕)、産業廃棄物収集運搬業、特別管理産業廃棄物収集運搬業など。同社のHPには、「事業活動を通じ廃棄物の適正処理と豊かな自然環境の保護を大切にします」「従業員一同、一丸となって歩んでいきます」といったメッセージが掲げられている。

経営理念は、「昨今、環境問題に対する社会の関心は、非常に高いものがあります。中でも廃棄物問題への社会の目は、厳しいものを感じております。私共は、長年の廃棄物処理の経験と実績を活かしながら、また、新たな法令や規制にも柔軟に対応し、社会に貢献できるよう更に努力を続けてまいります。」と、殊勝だが、凄惨ないじめをイチ社員ではなく、専務という経営陣が率先していたとなると、内実は全く伴っておらず、泰幸こそ産廃されるべきなのではないか。

今後の捜査と再発防止への期待

男性は現在も事件のトラウマに苦しみ、「外で車とか見たら、もしかしたら(容疑者らが)いるんじゃないかなというのがあります。反省してほしい」と語る。

警察は、いじめが常態化していた可能性も含め、事件の全容解明を進めている。このような凄惨な事件の再発防止に向け、職場環境の改善や、いじめに対する意識改革が求められる。

HPには、「従業員一同、一丸となって歩んでいきます」との文言が掲げられているが、従業員一同が勤しんだのが、仕事ではなく、いじめというのはどうしようもない。いじめに加担していない社員もいただろうが、もし黙認していたのならば、非がないワケではない。

被害者が亡くならなかったことがせめてもの救いであり、一歩間違えれば、東京でおきたエムエー建装と同じような結末を迎えかねなかったことを心に刻みながら、経営理念にあるように、きちんと、社会に貢献できる会社として貢献していくことを願う。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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