
90人の芸人が力を合わせ、高さ2.7メートルの壁に挑む。TBS『オールスター後夜祭』の企画に、SNSでは「感動した」と称賛が相次いだ。ところが、その一方で女性芸人のお尻を揉むように触れた男性芸人の行動が炎上。MCの高山一実が生放送中に違和感を示し、クロちゃんの「ありえないよな」という投稿にも注目が集まった。同じ企画で絶賛された芸人と、批判を浴びた芸人。明暗を分けたのは何だったのか。
マリーマリー・タコスが紺野ぶるまのお尻に接触 何が起きた?
騒動が起きたのは、10月10日深夜に放送された『オールスター後夜祭’26秋』。有吉弘行と高山一実が司会を務めるTBSのバラエティ番組だ。高山は乃木坂46の元メンバーで、現在はタレントや作家として活動。2024年から同番組のMCを担当している。
問題となったのは「物理で超えろ!リアル有吉の壁」という企画だった。出演者90人が協力し、制限時間10分以内に高さ2.7メートルの壁を乗り越えれば、賞金100万円を獲得できるという内容だ。芸人たちが互いの体を支えながら壁を登るなか、ピン芸人の紺野ぶるまが挑戦。その際、男女お笑いコンビ「マリーマリー」のタコスが、紺野のお尻に手を当て、揉むように動かす場面が放送された。
高山はこの場面で接触の仕方に違和感を示した。SNSでも、必要以上に触れているのではないか、見ていて不快だったといった批判が広がった。本来は90人が力を合わせて壁を越える企画だったが、放送後はタコスの振る舞いが注目を集めることとなった。
ワタリ119に「MVP」の声 芸人たちの奮闘が感動を呼ぶ
一方、同じ壁登り企画で視聴者から絶賛された芸人がいる。元消防士として知られるワタリ119だ。ワタリ119は、壁の上から仲間を引き上げるだけでなく、下に残された芸人を助けるために自ら降り、再び壁を登る姿を見せた。体力が求められる状況でも周囲を助けようとする行動に、SNSでは「ワタリ119がかっこよかった」「MVPはワタリ119」といった称賛が集まった。
注目されたのは彼一人だけではない。体格の大きな芸人を何人もの出演者で支え、壁の上から仲間を引っ張り上げる。誰かが苦戦すれば周囲が手を貸し、次の出演者へとつないでいく姿に「感動した」「ちょっと泣きそうになった」という反応も寄せられた。普段は互いをいじり合い、笑いを競い合う芸人たちが、この日は全員で一つの目標に向かって奮闘した。番組らしい無茶な企画から、思いがけず感動的な場面が生まれたことも、視聴者の心をつかんだ理由だろう。
「感動企画だったのに」SNSでタコスへの批判が広がる
ワタリ119らが称賛される一方、タコスの接触行為には厳しい声が寄せられた。SNSでは、今回の壁登りを高く評価しながらも、タコスの行動を残念がる投稿が見られた。特に「タコスのセクハラがなかったら普通に感動超大作なのに」という趣旨の投稿は、企画への評価と接触行為への批判が入り交じった反応を象徴している。
さらに、ほかの男性芸人の行動と比較する声もあった。出演者が女性芸人の足や腰のベルト部分を支えるなど、触れる場所に配慮していたという指摘だ。同じ状況で身体を支えながらも、相手への接し方に違いがあったことが注目された。
視聴者の評価が分かれた理由は、企画への向き合い方にもあるだろう。ワタリ119は仲間を助ける姿が称賛され、タコスは接触の仕方が批判された。どちらも生放送中の行動だったが、視聴者が受け取った印象は対照的だった。そして、問題の場面で高山一実が違和感を示したことも、今回の騒動を大きくした。MCを務める人物が生放送中に疑問を口にしたことで、視聴者の間でも接触行為への関心が高まった。
クロちゃん「ありえないよな」投稿 紺野ぶるまとの親交も話題に
放送翌日の10月11日には、同じ企画に参加していた安田大サーカスのクロちゃんがXを更新した。
「こっちは必死でやってたから知らなかったけど、何やってんだよ、ありえないよな」
具体的な名前や出来事には触れていないが、投稿のタイミングからタコスの接触行為について述べたのではないかという見方が広がった。
クロちゃんと紺野ぶるまは、ともに松竹芸能に所属する芸人だ。テレビやYouTubeでの共演経験があり、以前から親交があることでも知られている。そのためSNSでは、親しい紺野への接触に怒っているのではないかと注目された。クロちゃんが何を指して投稿したのかは明らかになっていない。一方、タコス本人の説明や、接触された紺野がどう受け止めたのかについても関心が集まっている。
今回、視聴者が問題視したのは、接触行為に加え、番組の中でそれが笑いとして扱われたことだった。高山の指摘や放送後の反応を受け、番組側がどのような対応を取るのかにも注目が集まる。
昨年は広末涼子クイズで謝罪 TBS『オールスター後夜祭』の過激な演出
『オールスター後夜祭』は、大型特番『オールスター感謝祭』の終了後に放送される深夜バラエティだ。芸人たちによる大胆な企画や、独特のクイズ、予測できない展開を持ち味としてきた。
2025年10月には、広末涼子の交通事故に関する報道を題材にしたクイズが問題となった。「時速165キロを出したことがないのは?」という問題で、選択肢の一つに広末の名前を使用。所属事務所が抗議し、TBSは不適切だったとして謝罪した。配信動画からも該当部分が削除された。
昨年は番組側が用意したクイズ、今回は出演者による生放送中の接触行為と、騒動の発端は異なる。それでも、番組が視聴者に届ける笑いのあり方が問われたという点では共通している。
同番組の大胆な企画は、芸人の意外な一面を引き出す魅力を持つ。今回の壁登りで称賛されたワタリ119の活躍も、その好例だ。一方で、出演者の振る舞いによっては、企画の評価が大きく変わることも今回の騒動が示した。
称賛と炎上 視聴者の評価を分けたもの
今回の壁登り企画で視聴者の心をつかんだのは、芸人たちが仲間を助け合う姿だった。元消防士のワタリ119が率先して仲間を引き上げ、体格の大きな出演者を全員で支える。その懸命な姿に、SNSでは称賛が相次いだ。
一方、タコスが紺野ぶるまのお尻を揉むように触れた場面には批判が集中した。同じ企画に参加しながら、一方は感動を呼び、もう一方は視聴者の反感を買った。そこには、周囲への配慮という大きな違いがある。
今回の騒動では、タコス本人による説明とともに、番組を制作したTBSの対応も注目される。高山一実が放送中に違和感を示した以上、制作側には紺野本人の意向を確認し、出演者が安心して参加できる環境を整えることが求められる。
『オールスター後夜祭』が今回生み出した最大の見せ場は、90人の芸人が力を合わせた光景だった。過激な演出を持ち味とする番組で、視聴者が心を動かされたのは仲間を助けようとする姿。その対比こそ、今回の騒動を象徴している。



