
SDSホールディングスは、浸水への備えから被災後の復旧までを一体で支援する「浸水検知通知・防災支援サービス」を開始した。サービスは「浸水検知通知」「浸水対策支援」「復旧支援」の3つで構成される。このうち「浸水検知通知」は現在、システムの検証・実証実験を進めており、具体的な提供開始時期は今後決定する。
気候変動により、近年頻発している大雨や水害。2026年9月は首都圏でも長雨が続き、千葉県では印旛沼周辺で浸水被害が発生するなど、各地で豪雨による被害が相次いだ。鉄道や道路などの交通インフラにも影響が及ぶなか、防災・減災への備えは、住宅や事業所だけでなく社会全体の課題となっている。
「知らせる・防ぐ・立ち直る」の3本柱
今回の取り組みは同社グループが従来取り組んできた「災害が起きた後に支える」支援から、「被害を未然に軽減する」領域へと事業を広げるのが狙いだ。
「浸水検知通知」では、建物の出入口や地下駐車場、電気室などに小型の検知機器を設置し、浸水を検知した際に管理者や居住者、従業員などのスマートフォンへ通知する仕組みを想定している。車両の移動や電源の遮断、止水板の設置、上階への避難といった行動も通知に併記し、早期対応につなげる。
国や自治体による防災気象情報や避難情報が地域単位で発表されるのに対し、この通知では個々の建物で実際に浸水が始まったことを把握できる点が特徴だ。公的な防災情報を置き換えるものではなく、建物単位の情報によって補完する。
止水板の設置から被災後の復旧まで
「浸水対策支援」では、ハザードマップや過去の浸水履歴、電気設備の配置などを踏まえて建物の浸水リスクを診断する。止水板の設置、受変電設備や非常用電源設備のかさ上げ・移設、排水設備の整備などを実施するほか、簡易的なBCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)の策定や防災訓練、自治体の助成制度などの申請手続きも支援する。
「復旧支援」では、浸水被害が発生した場合の排水や片付け、清掃などの初動対応をはじめ、電気設備の点検・復旧、復電までの非常用電源による支援などを行う。罹災証明の取得や保険、補助金の申請手続きも支援し、復旧時に判明した弱点を踏まえた再発防止策も提案する。
気候変動に「緩和」と「適応」の両面から

同社グループはこれまで、省エネルギー設備や自家消費型太陽光発電設備の設計・施工に加え、非常用電源装置やLPガス災害バルクなどのBCP対策を手掛けてきた。今回のサービスでは、こうした電気設備工事の知見や施工体制を生かし、水害対策へと領域を広げる。
省エネルギーによる温室効果ガス削減を気候変動の「緩和」、水害など既に生じつつある影響への備えを「適応」と位置付け、両面から環境保全に取り組む方針だ。
対象は集合住宅の管理組合・管理会社、工場、倉庫、店舗、医療・福祉施設を持つ事業者、自治体など。「浸水検知通知」については、実証結果を踏まえて提供開始時期を決定するとしている。



