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22歳女、70代男性から詐取か マチアプ起点のロマンス詐欺被害400億円

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マッチングアプリで知り合った70代の男性に恋愛感情を抱かせ、「大学院の入学金が必要」などとうそを言って現金約42万円をだまし取ったとして、警視庁大崎署は7月2日までに、横浜市の会社員・広重果音容疑者(22)を詐欺の疑いで逮捕した。被害者は3年前に妻を亡くした東京都品川区の男性。「愛してるよ」というメッセージの先に待っていたのは、若い女性による典型的なロマンス詐欺だった。警察庁の統計によれば、この種の詐欺の被害は2024年に400億円を超え、その最大の入り口がマッチングアプリになっている。

 

「大学院に合格した」「がんで入院」――200万円超の被害か

報道によると、広重容疑者は2025年3月、マッチングアプリを通じて男性と知り合った。男性は妻を亡くした後、食事に行く相手をアプリで募集していたという。広重容疑者は男性に恋愛感情を抱かせた上で、「大学院に合格した」「入学金が必要」などとうそを言い、大学生だった2025年8月から2026年2月にかけて、入学金などの名目で3回にわたり計約42万円をだまし取った疑いが持たれている。大崎署によると、実際には大学院を受験する予定すらなかった。

警視庁は、このほかにも「がんになった。入院治療費が必要」などの名目で約200万円を振り込ませていた疑いがあるとみて調べており、被害総額は約250万円に上る可能性がある。広重容疑者は「全て私がやったことに間違いありません」と容疑を認めているという。

 

被害額400億円超、当初接触の34%がマッチングアプリ

警察庁が2025年5月に公表した確定統計によると、2024年のSNS型ロマンス詐欺の認知件数は3,824件(前年比142.8%増)、被害額は400.9億円(同126.1%増)と、いずれも前年から倍増した。既遂1件当たりの被害額は約1,048万円に達する。

注目すべきは、その入り口だ。当初の接触ツールとして最も多いのがマッチングアプリで1,311件(34.3%)を占め、インスタグラム(22.3%)、フェイスブック(20.5%)が続く。被害者は男性が2,415人と女性(1,409人)を上回り、年齢層は男女とも40代から60代が中心で、70代の男性被害も8.4%を占める。「出会いを求める中高年男性」が狙われやすいことが、統計からも読み取れる。今回の事件は海外グループによる非対面型ではなく、若い女性が実際に接点を持つ古典的な手口とみられるが、「恋愛感情につけ込み、金銭を無心する」という構造は共通している。

 

孤独につけ込む犯罪と、本人確認強化の動き

この事件で重い意味を持つのは、被害者が「3年前に妻を亡くし、食事に行く相手を探していた」という事実だ。配偶者との死別後の孤独は深刻で、マッチングアプリはその受け皿にもなっている。孤独を癒やす手段が、孤独につけ込む犯罪の入り口にもなる――この両義性こそ、ロマンス詐欺問題の核心である。

対策も動き出している。政府は2024年6月の「国民を詐欺から守るための総合対策」(2025年4月に「総合対策2.0」へ改定)でロマンス詐欺を重点対象に位置づけ、警察庁とデジタル庁は2024年9月、マッチングアプリ事業者の業界団体に対し、マイナンバーカードを用いた公的個人認証を本人確認の選択肢に加えるよう要請した。プラットフォーム側の本人確認強化は、なりすましや詐欺目的の登録の抑止につながる。

ただ、今回のように「実在の若い女性が登録し、恋愛感情を利用して無心する」ケースは、本人確認だけでは防げない。守りの最後の砦は、利用者自身の心構えになる。「会って間もない相手からの金銭の要求は、金額や名目を問わず詐欺を疑う」。家族や周囲も、孤独を抱える親世代がこうしたリスクに直面し得ることを理解し、日頃から話せる関係を保つことが、何よりの防波堤になるだろう。

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ライター:

東京都出身。一日中ネットに張り付いている。

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