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クマの出る建設現場をAIが見守る。防除研究所が北秋田市で検知システム「BE ALERT」を導入

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bealart 熊対策
画像出典:株式会社防除研究所 プレスリリース

クマが頻繁に出没する地域で、屋外作業の安全をどう守るか。害獣・害虫対策の専門企業、株式会社防除研究所が、秋田県北秋田市の建設現場にAIクマ検知システム「BE ALERT(ベアラート)」を設置した。

AI画像認識でクマを検知し、音声で警告する仕組みで、作業員の安全確保と地域の安心につなげる狙いだ。

 

相次ぐクマ被害、屋外作業者を脅かすリスク

同社によると、近年は全国各地でクマの出没情報や人身被害が相次いでおり、特に山間部や自然環境に近い地域では、作業従事者や地域住民の安全確保が重要な課題となっている。秋田県でも出没が頻発しており、建設現場や屋外作業に従事する人々にとって、クマとの遭遇リスクへの対策が求められていた。

今回システムを導入したのは、秋田県大館市に本社を置く花岡土建株式会社だ。同社が事業を展開する北秋田市は以前からクマの出没が多い地域として知られ、山林や自然環境に近い場所での作業も多いため、作業員の安全対策が大きな課題となっていた。決められた工期の中で屋外作業を続けざるを得ない建設現場では、クマとの不意の遭遇は命に関わる。

 

AIが検知し音声で警告、24時間365日監視

「BE ALERT」は、AI画像認識技術を活用し、クマを検知した際に音声による警告を行うクマ対策システムだ。24時間365日の監視が可能で、山間部施設や工場、建設現場、自治体施設、観光施設などで、クマ被害の未然防止を目的に活用されている。

北秋田市の現場では6月に設置し、実際のクマの画像を使って作動の確認を繰り返した。早期発見と注意喚起によって、作業員の安全性向上と地域の安心につなげる取り組みを始めている。花岡土建の取締役土木部長は「この辺りはクマがよく出る地域で、現場で働く人の安全は以前から心配していた。自社が導入することで従業員の安全確保はもちろん、現場周辺の地域の皆様への安心にもつながれば」とコメントしている。人を傷つけずに音声で警告するという方式は、クマを排除するのではなく遭遇そのものを避けるという発想に立つ。

 

企業の自衛から、地域全体の被害防止へ

注目されるのは、行政ではなく建設会社が自社の判断で導入した点だ。花岡土建のコメントには「地域全体のクマ被害防止や安全対策の一助となり、少しでも地域に貢献できれば」という言葉が添えられており、一企業の自衛策が地域の安全網の一部として機能することへの期待がにじむ。

クマ被害の深刻化は、もはや一部の山村だけの問題ではない。事業活動の中で先端技術を取り入れる民間企業の動きは、人手や予算に限りのある行政の対策を補完する現実的な選択肢となり得る。現場の安全を起点に導入された装置が、結果として周辺住民の安心にも寄与するという波及の仕方も、地域での技術導入のあり方を考えるうえで示唆に富む。

 

害獣対策の専門企業が挑む、AIによる共生

防除研究所は2003年に岐阜県大垣市で設立された害虫・害獣対策および環境衛生管理の専門企業だ。全国の自治体・企業・施設向けに鳥獣被害対策や衛生ソリューションを提供し、近年はAI技術を活用した「BE ALERT」や携帯型クマ対策装置「IKAZUCHI」などの開発・展開を進めている。 同社は今後も、自治体や企業、地域団体と連携しながら、クマ出没時の注意喚起や安全対策を支援する製品・サービスを通じて地域社会に貢献していくとしている。人とクマの生息域が重なりつつある時代に、テクノロジーで両者の衝突を減らそうとする試みは、各地の鳥獣被害対策の参考になりそうだ。中山間地域の過疎化や里山の管理不足を背景に、クマの行動圏は年々人の生活圏へと近づいている。AIによる早期検知が、人と野生動物の不幸な衝突を防ぐ一助となるかが問われる。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、エンタメ関係が多め。

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