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斉藤慎二被告、示談金2300万円でも成立せず ロケバス事件で問われる「同意」の境界

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斉藤慎二
DALLーEで作成

元「ジャングルポケット」斉藤慎二被告の不同意性交等事件で、示談交渉の経緯と法廷での主張が注目されている。焦点は、示談金の額だけではない。ロケバスという密室に近い仕事現場で、何をもって同意とみなすのかという点にある。

 

 

斉藤慎二被告の公判、争点は「行為の有無」ではなく「同意の有無」

元「ジャングルポケット」メンバーの斉藤慎二被告は、2024年7月、東京都新宿区内に駐車していたロケバス内で、共演していた20代女性Aさんに性的暴行を加えたなどとして、不同意性交等と不同意わいせつの罪に問われている。

東スポWEBなどによると、斉藤被告の公判は東京地裁で開かれており、斉藤被告は性的行為があったこと自体は一部認める一方、「同意してくれていると思っていた」として、起訴内容を否認している。

この裁判で問われているのは、行為そのものがあったかどうかにとどまらない。Aさんがその行為に同意していたのか。さらに、斉藤被告が同意があると受け止めたことに、どこまで根拠があったのかということ。ただ、その一点をめぐって、法廷では双方の主張が大きく食い違っている。

 

「300万円から2300万円」示談交渉で見えた深い溝

6月2日に開かれた第5回公判では、示談交渉の経緯も明らかになった。斉藤被告側は事件後、Aさん側に示談金として当初300万円を提示。その後、金額は2300万円まで増額されたが、最終的にAさん側は示談に応じなかったと報じられている。

300万円から2300万円へ。金額だけを見れば、被告側が示談成立に向けて大きく歩み寄ったようにも映る。しかし、性犯罪事件における示談は、単なる金銭交渉では片づかない。

被害を訴える側にとって、示談に応じるかどうかは、提示された金額だけで決まるものではない。謝罪をどう受け止めるのか。被告の言葉や態度に反省があると感じられるのか。裁判の場で明らかにしたいことが、まだ残っているのか。そうした感情や意思が、交渉の行方を左右する。

金額が大幅に引き上げられても示談が成立しなかったことは、両者の認識の隔たりがいかに大きいかを示している。

 

ロケバス内で何が起きたのか 食い違う双方の主張

6月2日の被告人質問で、斉藤被告は事件当日の車内でAさんと会話を交わすなか、好意を持たれていると感じたと説明した。Aさんが笑顔で話していたこと、自分を褒めたことなどを挙げ、キスやその後の行為についても、同意があると確信していたと主張している。

一方で、Aさん側の主張はまったく異なる。これまでの公判でAさんは、身体が硬直した、抵抗した、恐怖を感じたと訴えている。事件直後に母親へ送ったLINEの内容も報じられており、そこには斉藤被告の認識とは大きく食い違う反応が残されていたとされる。

同じ車内にいた2人が、同じ出来事について、まったく違う受け止め方をしている。密室に近い空間で、映像や音声の記録が十分に残っていないとされるなか、裁判所は証言の信用性、事件直後の行動、周囲への相談内容などを一つずつ見ていくことになる。

 

「嫌と言わなかった」は同意なのか

この事件が社会的に重く受け止められているのは、芸能人の裁判だからだけではない。「嫌と言わなかったこと」と「同意したこと」は同じなのかという、性被害をめぐる根深い問題を含んでいるからだ。

不同意性交等罪では、同意しない意思を形成したり、表明したり、全うすることが難しい状態で性的行為がなされたかどうかが問われる。暴行や脅迫だけでなく、その場の関係性や心理的な圧力も判断材料になり得る。

今回の舞台は、テレビ番組のロケ中のバス車内だった。共演者同士であり、仕事の現場でもある。相手を刺激したくない、場の空気を壊したくない、今後の仕事に影響させたくない。そうした心理が働けば、明確な拒絶を言葉にすることは簡単ではない。

だからこそ、法廷で問われるのは、大声を出したか、激しく抵抗したかだけではない。Aさんが拒否の意思を形にし、それを相手に伝え、最後まで貫ける状況だったのか。また、斉藤被告が同意があると判断した過程は妥当だったのかが慎重に見極められる。

 

示談不成立が裁判に与える影響

刑事裁判では、示談の成立が量刑判断に影響することがある。被害者側への謝罪や被害回復の一環とみなされるためだ。ただし、示談が成立しなかったからといって、それだけで有罪や実刑が決まるわけではない。最終的には、起訴された事実が証拠によって認定できるかどうかが判断される。

それでも、示談交渉が初公判直前まで続いていたとされる点は見逃せない。被告側にとって、示談成立は裁判上も社会的にも大きな意味を持つ。一方、Aさん側が応じなかったとされることは、金銭では区切れない思いがあることをうかがわせる。

第5回公判での被告人質問を経て、争点はより鮮明になった。斉藤被告は同意があったと主張し、Aさん側はそれを否定する。両者の言葉の間にある深い溝を、裁判所がどう判断するのか。

次回期日は8月5日と報じられている。元人気芸人の裁判という枠を超え、この事件は「同意とは何か」「仕事現場で拒否の意思を示すことはどれほど難しいのか」という問いを社会に突きつけている。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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