
昨年12月、ポケモンカード306枚、買い取り価格で約3400万円相当を輸送中の車から盗んだとして、20代の男2人が逮捕された。警視庁久松署が5月25日に発表した。2人は容疑を認めている。
事件の経緯
逮捕されたのは埼玉県川口市の会社員・細谷達希容疑者(27)と、埼玉県越谷市の職業不詳・小林航太容疑者(26)。
日本経済新聞(共同通信)によると、2人の逮捕容疑は2025年12月21日午前11時ごろ、東京都千代田区外神田5丁目の路上に駐車していた配送中の車からカード306枚を盗んだというもの。捜査当局は防犯カメラ映像などから、小林容疑者が車内のカードを盗み、細谷容疑者が見張り役をしていたとみて調べている。
2人は輸送車がカードを回収するために複数の店を回るタイミングを狙い、運転手が店に入るために車を離れた隙に犯行に及んだ。小林容疑者は当時、トレーディングカードの輸送を請け負う会社に勤務しており、配送ルートを事前に把握していたとみられる。犯行後の2025年12月末には退職していた。
産経ニュースによると、小林容疑者は同僚が運転する配送車の合鍵を使って車を開錠し、カードを盗み出したとされる。細谷容疑者は店の前で見張り役を担い、犯行後は細谷容疑者の車で逃走した。
2人は「間違いない」と容疑を認めており、売却済み分以外のカードの行方、および転売ルートの全容解明が今後の焦点となる。犯行から逮捕まで約5か月が経過しており、その間に売りさばかれたカードが市場にどの程度流通しているかも捜査の対象となるとみられる。被害を受けた配送業者や荷主への補償についても、今後の展開が注目される。
盗難カードは埼玉の買い取り店で500万円に
FNNプライムオンラインによると、盗んだカードは埼玉県内の買い取り店で売りさばいており、約500万円を受け取っていたという。
306枚で3400万円相当というのは、1枚平均で約11万円の計算になる。希少カードが多数含まれていたとみられるが、買い取り価格が500万円にとどまったのは、業者による査定額と市場価格の乖離によるものだ。盗品と知らずに買い取った店側の法的責任については、現時点では明らかになっていない。
なぜポケモンカードが「3400万円」になるのか
ポケモンカードは近年、投資・コレクター目的での取引が急拡大している。絶版品や封入率の低いレアカードは1枚数百万円に達するものも存在し、配送物としての価値は現金に近い水準だ。国内外のオークションや専門買い取り店での流通量も増加しており、「カードが資産になる」という認識がコレクター層を超えて広がっている。
こうした高額カードを標的にした犯罪は増加傾向にあり、今回のように「内部情報を持つ元社員」が関与するケースは、物流業界のセキュリティ上の盲点を突いたものといえる。配送ルートや集荷タイミングといった業務情報が犯罪に転用されたことで、業界全体の管理体制が問われることになりそうだ。
トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)関与の可能性も
産経ニュースによると、警視庁久松署はトクリュウが関与している可能性も視野に捜査を進めているという。
トクリュウとは、SNSや闇バイト募集を通じて緩やかに繋がる匿名・流動型の犯罪グループで、強盗や窃盗など各地での事件への関与が相次いで明らかになっている。今回の事件でも、内部情報を持つ元社員と外部の見張り役という役割分担が、組織的な犯行を示唆しているとみる捜査関係者もいる。2人が単独で計画・実行したのか、背後に指示役がいたのかが捜査の焦点のひとつとなっている。



