
大阪の激安スーパーとして知られる「スーパー玉出」の運営会社、株式会社フライフィッシュの元取締役が、会社法違反、特別背任の疑いで大阪府警に逮捕された。フライフィッシュは2026年5月20日、公式サイトで「当社元取締役の逮捕について」と題する文書を公表し、顧客や取引先に謝罪した。
派遣手数料を水増し、約3900万円の損害か
逮捕されたのはフライフィッシュの元取締役・浅浦哲夫容疑者と、人材派遣会社の実質経営者・中西徹容疑者である。2人は2021年8月から2022年9月にかけて、スーパー玉出の店舗スタッフに関する派遣手数料を水増しし、フライフィッシュに約3911万円の損害を与えた疑いが持たれている。
報道では、請求は19回にわたり、総額は約7823万円だったとされる。派遣会社が勤怠管理などを担っているように装い、請求額を膨らませた疑いがある。水増し分は2人で分け合っていたとみられ、大阪府警捜査2課が資金の流れを調べている。
2023年の社内監査で発覚、元取締役は一部事実を認めるにとどまる
フライフィッシュによると、事件は2023年初旬から始めた社内監査で発覚した。当時、スーパー玉出事業の実務責任者だった浅浦容疑者が個人会社を設立するなどし、各店舗に従業員派遣をおこなう取引業者へ支払っていた派遣手数料を不正に着服している疑いが浮上したという。
同社は2023年4月、元取締役に聴取を実施。不正行為の全面告白と、横領したとみられる金員の返還を求めたが、元取締役は個人会社への資金還流など一部の事実関係を認めるにとどまったとしている。
その後、派遣関連以外にも元取締役の不審な行動や資金移動が判明したため、同社は元取締役に辞任を促し、新体制を整えたうえで調査を継続した。元取締役が事実関係を争う姿勢を示したことから、社内協議を経て刑事告訴を決議し、2024年春ごろから大阪府警などへ相談を始めたとしている。
会社側は「逮捕容疑以外にも犯罪行為」と表明
フライフィッシュは公式発表で、浅浦容疑者は逮捕容疑となった事件以外にも犯罪行為に及んでいるとの考えを表明。今後も大阪府警の捜査に協力し、役職員を対象としたコンプライアンス研修、取引管理体制の強化に取り組むとしている。
会社側は「派遣関連以外」の行動や資金移動にも言及しており、捜査の進展によっては、別の資金移動や取引の実態が明らかになる可能性がある。
スーパー玉出は2018年からフライフィッシュが運営
スーパー玉出は1978年創業のスーパーマーケットで、2018年から株式会社フライフィッシュが運営する。同社の会社概要によると、本社は大阪市西成区玉出中1丁目、設立は2018年4月、資本金は4000万円。事業内容は生鮮食品を中心としたスーパーマーケット事業で、代表取締役は湯本正基氏である。
同社は2026年4月25日、スーパー玉出新世界店は4月25日をオープン。新世界店はイートインスペースや限定商品の「玉出バーガー」などを打ち出している。逮捕公表の約1カ月前には新店舗をめぐる発信が続いており、ブランド刷新を進めるなかで今回の事件が表面化した。



