
戦略立案から実行支援まで、企業ごとの課題に合わせたオーダーメイドの支援を提供する株式会社バリュー・コア・コンサルティング。「本質的価値・価値観を中心に世界を変える」を理念に掲げ、企業ごとの「勝ちパターン」を見極め、誰もが再現できる仕組みとして組織に定着させることで、売上・利益120%を超える成長を全18業種で実現してきた。「特別な才能や恵まれた環境がなくても、努力が確実に成果へと変わる社会にしたい」と語る代表の弥左氏に、同社の支援の特徴や、その原点となった自身のキャリア、そして今後のビジョンについて話を聞いた。
「戦略」と「実行」で企業の飛躍に伴走支援
株式会社バリュー・コア・コンサルティング(以下、VCC)は、戦略立案から実行支援まで、企業ごとの課題に合わせてカスタマイズして支援する総合経営コンサルティングファームだ。徹底的な分析と論理によって裏付けられた「戦略」と「実行」によって、必ず成果につながる支援を行っている。
それを実現できる最大の理由は、企業ごとの「勝ちパターン」を見極め、誰もが再現できる仕組みとして組織に定着させるという同社の支援手法にある。
半年から1年をかけて進む同社のプロジェクトでは、分析・設計・実行の3つのフェーズで構成される。最初の1ヶ月間の分析フェーズでは、現場見学や従業員インタビューに加え、トップセールスの商談音声といった各種データを徹底的に分析。顧客の心の掴み方や、雑談の切り口といった、優秀な人材が持つ暗黙知を言語化し体系化していく。弥左氏は「いかに現場で使えるかが大切」だと話し、現場に沿った分析を非常に重視しているという。
そして、2~3ヶ月目の設計フェーズでは、会社独自の「勝ちパターン」や必要なノウハウを見極め、それをもとに研修やワークショップを構築する。その内容は、エクセル資料で数千行に及ぶほど細かく設計され、プロジェクトメンバーや経営層などとのディスカッションも重ねてさらに磨き上げていく。その後は実行フェーズに入り、研修を起点にロールプレイングや課題設定、振り返りなどを通じて、現場の実務へと確実に落とし込んでいくという流れだ。
しかし、そうした研修は全員が最初から前向きに受けるわけでもなく、良いスタートを切っても1ヶ月後には続いていないこともある。そこで同社では、メンバーのモチベーションを上げるために必要な打ち手や、リーダーなどを対象にしたマネジメント研修も組み込むことで「いかに実行させるのか」までを綿密に設計している。
こうして「戦略」と「実行」の両面から、オーダーメイドかつ必要なことを先回りして細かく設計することこそ、同社の支援の最大の特徴であり、強みなのだ。これにより、企業の売上と収益性の飛躍的な向上を実現。全18業種において売上・利益が120%超えを実現している。

さらに、同社は短期的な業績向上だけでなく、5年、10年先を見据えた「自走できる組織」への変革を目指しており、支援の継続率も8割にのぼるという。その高い継続率の大きな理由が、クライアント側に生まれる「課題感」と「期待感」だという。
「メンバーが成長すると、さらに会社を伸ばすためにはエンゲージメントの向上や、根本的な理念の見直しなど、新たな課題感が見えてきます。同時に、私たちの支援では1年目の時点で『次の成長フェーズに投資すれば、成果が出るだろう』という期待を持てる状態まで持っていきますから、さらなる成長を期待して継続していただいてるのではないかと思います。
また、2年目は前年と異なるテーマで継続支援に入ることが弊社の原則となっています。最初の1年目は売上・利益を伸ばすための会社の基盤を整えるフェーズ。その次は、評価制度や経営理念、マーケティングなど、見つけた課題の改善・解消に伴走します」(弥左氏)
さらに同社は地方創生にも力を注いでいる。高いポテンシャルを持ちながらもリソース不足や属人化に悩む地方の中小企業に対し、自走できる体制づくりを支援。地域の信用金庫や地方銀行と連携することで、地域経済の活性化にも貢献。日本全国の企業に寄り添い、改革を支援している。
「センスや才能がなくても仕組みで成果は出せる」弥左氏の信念
「特別な才能や恵まれた環境がなくても、努力が確実に成果へと変わる社会にしたい」という思いを持つ弥左氏。そんな弥左氏の原点は、病と劣等感に苦しんだ幼少期に遡る。重い喘息を患い、周囲と同じようにスポーツができず、夜は発作で眠れない日々を過ごす中で、強い焦燥感を抱えていたという。
その後、中学に入る頃には喘息が改善し、バレーボールを始めた弥左氏。しかし、「スポーツに限らず、何をやってもあまりセンスがないと感じていました」と当時を振り返る。そこで、センスがない分、人一倍地道な努力が必要だと考えた弥左氏は、一人でも、部活外の時間でもこつこつと練習を重ねていった。その結果、最終的にはエースを獲得し、バレーボール推薦で高校へ進学するまでになった。
「この経験から『努力すればなんとかなる』ということを感じました。また、幼少期はスポーツができず、センスも才能もないような人間が、努力によってビッグになったらめちゃくちゃかっこいいんじゃないかと考えるようになりました。もしかしたら、この時から独立心が芽生えていたのかもしれません」(弥左氏)
その後、大学では考古学を専攻。幼少期、眠れない夜を過ごすうちに出会った『インディ・ジョーンズ』への憧れからだった。しかし、考古学者として生計を立てるのは厳しいという現実の壁に直面。そこで進路を変えたのが、不動産業界だった。選んだ理由について、「一度に動く金額が大きく、信用も必要。かつ将来的に独立する可能性ができる業界だと思った」と話す。
そうして不動産売買仲介業でキャリアをスタートさせたが、入社1年目の成績は同期300人中で下から2番目。1日に500件以上の電話営業をかけても、全く成果が出ない日々が続いた。そこで弥左氏は、要素を分解して組み立て直すという手法を取り入れる。言葉や表情といったあらゆる変数をコントロールし、地道な練習と改善を徹底的に繰り返したのだ。
その結果、トップセールスへと上り詰め、紹介率8割超の実績を残すとともに、マネジメントでも目標対比130%超を常時達成する成果を上げた。この経験を通じて「才能がなくても、仕組みを設計すれば成果が出せる」という感覚を得たのだという。

その後、自社が急成長する中で他社からマネジメントのノウハウを求められ、相談に乗るようになった。しかし、相談を受けた一社が結局うまくいかず、社員が次々に辞め、廃業してしまう。また、当時の自身の課題感からも、コンサルティングを学びたいという思いが強くなっていったという。
「メンバーの育成に注力していたものの、毎日夜中まで働いても、最大でも社内の150人にしか価値を提供できないのがもったいないと思っていました。もっとたくさんの人に届ける手段を考えたときに、コンサルティング会社だと思ったんです」(弥左氏)
そこで、日系上場総合経営コンサルティングファームである株式会社リブ・コンサルティングに入社。主に住宅関連部門でのM&A成立後の経営統合プロセス(PMI)案件を担当し、ここでもひたむきな努力によって順調に成績も伸ばしていった。
そんな中、大きな転機が訪れる。担当していた経営者から「他の会社でうまくいったパッケージなんていらん。ゼロベースでやれ」という厳しい言葉を投げかけられたのである。
「何十社も担当する中で、生産性を考えればパッケージの方が効率が良いのは確かです。しかし、本当はゼロベースで取り組む方が良いことは頭の片隅で分かっていました。それをはっきりと言葉にしていただいた。これを機に腹をくくり、クライアントにも『必ずコミットしますから、一緒にお願いします』と話すと快く承諾してくださったんです。クライアントとコンサルタントとしての目的が完全に一致した瞬間でした」(弥左氏)
そうして、「徹底的に現場を見てほしい」というクライアントの要求に応え、完全オーダーメイドの支援に切り替えることに。結果、その企業の売上を3年で20億円から110億円へと急成長させ、社内トップクラスの実績を収めた。この成功体験は「センスや才能がなくても、仕組みで成果が出せる」という考えを確信へと変えた。
この経験から、既存のパッケージに縛られず、同じ目標に向けてクライアントとともに走りたいと考えるようになった弥左氏。しかし、それには多大な時間がかかることから、独立を決意。2019年に株式会社バリュー・コア・コンサルティングを設立した。
会社を設立してもなお、幼少期の劣等感や焦燥感は、弥左氏の大きな原動力となっているという。
「どれだけ経験や実績があっても、根本にある幼少期の価値観から『クライアントにしっかり価値を提供できるか』と不安な気持ちは常にどこかにあって。だからこそ、とにかく徹底的に準備するんです。たとえば研修では、メンバーの思いや考えを想定してあらかじめ打ち手を準備したり、ターゲット別にゴールを設定してそれごとに発言内容や伝え方も全部用意しておいたり。劣等感や不安感があるからこそ、上手くいくようにとことん準備や努力をすることが私の強みになっています」(弥左氏)
仕組みと環境が、人の可能性を引き出す
——VCCの根底にある価値観について教えてください。
弥左:センスや才能に関わらず、仕組みや努力で成果を出すことができること。これが私たちが大切にしている価値観です。そして、そのために環境をどれくらい整えられるかを非常に重視しています。
幼い頃、外部環境のせいでやりたいことができない、という感覚をずっと抱いていました。その経験から、自分ではコントロールしきれない環境の部分を、どれくらいコントロールするかがとても大切だと考えているんです。
それは会社でも同じです。上司によってメンバーの成長に差が出たり、育成体制が整っていないために思うように成果が出なかったりするケースは非常に多い。また、やり方がわからなかったり、成長できないからやる気がなくなってしまったりして、そもそも結果につながらないケースも往々にしてあります。そういう意味でも、外部の環境を整えることが大事なのです。
私自身、新卒で入った会社で下から2番目の成績でしたが、良い先輩や上司に巡り会えたことをきっかけに大きく変わりました。とある先輩は、表情や話し方から不動産の案内の仕方まで、社会人としてのいろはを全部教えてくださったんです。また、当時の課長からは「これを毎日1ページずつ実践すれば、無意識でもできるようになる」と本を勧めていただきました。そうした外部の環境と、それをもとに実践する努力があったからこそ成績を伸ばすことができたんです。
そのように、努力できる環境、そしてその努力がちゃんと成果につながる環境を作りたいと考えています。

価値提供を磨き、地域、そして海外へ
——次なる挑戦に向けて、新たに取り組んでいることはありますか?
弥左:マネジメント業務を代行するAIエージェントを開発中で、今秋のローンチを予定しています。クライアントだけでなく私たちの生産性も向上させ、マネージャーが本当にやるべき業務に集中し、プラスアルファの領域にも取り組んでさらに支援を加速させていきたいと考えています。
企業ごとにオーダーメイドで支援をしている分、非常に大きな工数がかかり、それを何社も同時進行するのでマネージャーもかなり忙しく動いています。そこでAIエージェントが一部の業務を担えるようになることで、仕事が圧倒的に早くなるだけでなく、クライアントがいつでも私たちに相談できる状態をつくることを狙いとしています。
——今後のビジョンを教えてください。
弥左:近年、エンゲージメント向上の重要性が叫ばれています。私たちもエンゲージメントを高めるノウハウをプロジェクトに組み込んできましたが、改めて整理し直すと、エンゲージメントが高まるかどうかは「メンバーをどれだけ成長させるか」と「その受け皿となる組織をどう作るか」によって決まる、ということが見えてきました。
エンゲージメントが高まれば、皆さんは必ず自ら動き始めて成果にもつながっていきますから、そこにしっかりと貢献していきたい。そして、一人ひとりが、自分のやりたいことや実現したいことに向かって走れる状態を作っていきたいですね。
また、日本の地域のGDPを上げることにもコミットしたいと思っています。「地域のGDPがVCCのおかげで上がっている」と言われるようになったらすごく嬉しいです。
そしてその先、将来的には海外にも展開したいと考えています。外部環境は国によって大きく異なります。インターネット環境の整備が不足しているために情報が入ってこなかったり、そもそも事業の仕方が分からなかったり。やる気があってもそれを発揮できない環境は、海外の方が多いと感じています。将来的には、そうした国々でも外部環境の壁を取り払っていきたい。「あの国のGDPを上げたのはVCCだ」と言われるようになりたいですね。
◎企業情報
会社名:株式会社バリュー・コア・コンサルティング
設立:2019年11月14日
代表者:代表取締役 弥左 大志
所在地:〒141-0033 東京都品川区西品川1-1-1 住友不動産大崎ガーデンタワー9F TUNNEL TOKYO
URL:https://vccon.co.jp/
◎インタビュイー
弥左 大志
大学卒業後、不動産売買仲介業を約10年経験。その後、日系総合経営コンサルティングファームに入社し、複数のPMI(M&A成立後の経営統合プロセス)案件を担当。2019年に総合経営コンサルティング業として、株式会社バリュー・コア・コンサルティングを設立。



