
土壌汚染発覚の衝撃 基準値超過で調査命令へ
2026年1月に道立ち合いで実施されたボーリング調査の結果が3月3日に提出され、特定有害物質26項目のうちヒ素、フッ素、ホウ素の3つで基準値を超過していたことが明らかになった。
北海道環境生活部は「土壌汚染のおそれがある」と判断し、事業者である日本エコロジーに対し土壌汚染対策法に基づく詳細な状況調査と報告を求める命令を発出する方針。弁明期間を経て3月20日頃に正式命令の見込みで、汚染が確認されれば土壌除去や浄化が義務付けられる可能性が高い。
これにより2025年11月から中断中の工事がさらに長引くのは確実で、住民からは「湿原や河川への汚染拡散が現実味を帯びてきた」との危機感が強まっている。元々土壌汚染対策法の届け出を着工から7ヶ月遅れて提出した経緯もあり、行政側は「不十分な調査姿勢」と厳しく指摘している。
複数法令違反の連鎖 行政指導27回超を無視
当初計画の森林開発面積約0.3ヘクタールに対し実際は約0.86ヘクタール(約3倍)の無許可伐採・造成で森林法違反が発覚し、北海道から工事一部中止勧告が出された。
盛土規制法違反も追加で判明し、北海道・釧路市からの行政指導は合計27回を超える異常な多さ。鈴木直道知事は複数回の現地視察で「法令順守が大前提」「許されない」「悪質性がある」と繰り返し非難し、副知事や市長の直接対応でも改善が見られない状況が続いた。
松井政憲社長は「投資額が大きいので立ち止まれない」「境界誤認だった」「市側の審査体制が整っていない」と主張し、事業再開意向を崩さない。この強硬姿勢が不信を極限まで高め、反対運動を全国規模に拡大させた。
希少生態系への深刻な脅威 タンチョウやキタサンショウウオが危機に
釧路湿原は日本最大の湿原でラムサール条約登録地、タンチョウ(特別天然記念物)、オジロワシ(天然記念物)、キタサンショウウオ(絶滅危惧IB類)などの希少種が生息する宝庫。
土壌汚染発覚後、タンチョウが汚染地で土をついばむ姿が確認され、中毒や繁殖への悪影響が懸念されている。住民説明会での「希少種影響なし」「巣はない」という事業者側の説明が後で虚偽と判明した点も批判の的。湿原の洪水調節・水浄化・炭素貯留機能が失われるリスクが高く、環境省も国立公園拡張を検討中だ。
17万超の署名反対運動 著名人・住民の声が全国に
釧路自然保護協会など6団体連名のChange.org署名「北海道釧路市・釧路湿原南部におけるメガソーラーの駆け込み建設中止を求めます!」は17万5000筆超(2025年12月時点で17万5948筆、その後も増加)。北海道副知事に直接提出され、アルピニスト野口健氏の「一緒に現場を見に行きませんか」投稿は閲覧数1700万超。
野口健氏、冨永愛氏も賛同し現地視察で「貴重な生態系を守るべき」と訴えた。環境省野生生物保護センターの齊藤慶輔獣医師のドローン映像(タンチョウ親子が工事近くにいる様子)が全国ニュース化の火付け役に。
住民からは「湿原の水が汚染されたら取り返しがつかない」「違法行為のツケを地元に押し付けるな」と切実な声が上がり、鶴居村では事業者所有地買戻し検討で違法伐採費用7600万円要求に怒りが爆発。刑事告訴検討の動きも進んでいる。
過去トラブル歴が不信を加速 松井社長の姿勢に非難集中
日本エコロジー社は釧路以前にも京都府八幡市(2014年無許可造成)、山口県下関市(2024年許可外伐採・土砂流出)、大阪府(建設業法違反で37日営業停止)などの違反歴あり。
「常習的な法令無視」との印象が強い。一部報道で反社会的勢力との過去関係指摘も(直接的所有未確認)。松井社長の「正義を貫く」「できることは全てやった」という発言が環境より利益優先と映り、地元説明会での美化協力金200万円提案拒否も地元軽視の象徴に。こうした積み重ねが今回の大炎上を決定的にした。
再エネ vs 自然保護の転換点に
土壌汚染発覚で日本エコロジー社と松井政憲社長への批判は頂点に達し、北海道は厳正対応、国レベルでメガソーラー規制強化議論が加速。
再生可能エネルギーの推進は重要だが、釧路湿原のような国際的に貴重な湿地の破壊は許されないという反対派の声は強い。この事案は、再エネ事業の法令遵守・地域共生を根本的に見直すきっかけとなり、事業者側も社会的責任を強く問われている。



