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マンガワン炎上止まらず『あさひなぐ』『二月の勝者』も配信停止へ 企業倫理の欠如が招いた「作家からの三行半」

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マンガワン炎上

小学館が運営する漫画アプリ「マンガワン」の連載作家による未成年への凄惨な性加害事件と、それに対する編集部の不適切な対応・隠蔽疑惑が波紋を広げている。ネット上での読者からの批判にとどまらず、事態はついに「主力作家たちによる作品の一斉引き上げ」という、プラットフォームの根幹を揺るがす異常事態へと発展した。

出版社にとって最大の財産であり、最も重要なステークホルダーである作家たちから突きつけられた三行半(みくだりはん)。企業倫理の欠如はいかにして自らの首を絞めることになったのか、その実態に迫る。

 

主力作家たちの決断。「組織としてあり得ない」と怒りの声

事件の凄惨さと、加害者を擁護するかのような編集部の一部対応、そして「アプリ限定の謝罪文」という不誠実な事後対応を受け、第一線で活躍する著名作家たちが次々と実力行使に出ている。

現在、明確な抗議の意思を示し、作品の配信停止(引き上げ)という異例の措置をとった主な作家・作品は以下の通りだ。

  • こざき亜衣 氏(代表作:『あさひなぐ』『セシルの女王』など) 自身のXにて、「私の著作をマンガワンから全面的に引上げたい旨を伝え、了承いただきました」と明言。さらに、一連の編集部の対応について「到底納得はできない」「組織としてあり得ない」と極めて強い言葉で不信感と怒りを表明した。現在、アプリ上から同氏の作品は検索できない状態となっている。
  • 高瀬志帆 氏(代表作:『二月の勝者 ー絶対合格の教室ー』など) こざき氏のアクションに続く形で、小学館漫画賞を受賞し、実写ドラマ化もされた大ヒット作『二月の勝者』についても、マンガワンでの配信を停止する措置が取られたことが各メディアで報じられている。

これらの作品は、プラットフォームにとって多大な利益と集客をもたらしてきた看板コンテンツである。これらを自ら引き上げるという決断は、作家側にとっても身を切る行為であり、それほどまでに今回の小学館側の対応がクリエイターの倫理観・正義感からかけ離れたものであったことを示している。

 

個人の枠を超えた業界全体の怒りと、広がるボイコット

影響は個別の作家にとどまらない。今回の事態を受け、日本漫画家協会は「漫画家による性加害およびその対応を巡り、出版社の関与が指摘されている。業界の信頼に関わる重要な問題」とする異例の声明を発表。事態を業界全体の問題として重く受け止める姿勢を示した。

さらにX上では、マンガワンで連載を持つ他の作家たちからも「明日の更新は見合わせます」「作品を引き上げることにしました」といった悲痛な声や、配信停止を示唆する投稿が相次いでいる。

作画担当として直接事件に巻き込まれる形となった鶴吉繪理氏が「作品は絵空事だからこそ現実で人を傷つける行為があってはならない」と悲痛な声明を出したように、多くの作家が「このような倫理観の欠如したプラットフォームに、自分の魂を込めた作品を載せ続けたくない」という強い拒絶反応を示しているのだ。

 

隠蔽体質が企業にもたらす最大の代償

今回のマンガワン大炎上から企業が学ぶべき教訓は、コンプライアンスの軽視は、最大のステークホルダーの離反を招き、ビジネスを根底から破壊するという冷徹な事実である。

出版社は、作家というクリエイターとの強固な信頼関係の上に成り立つビジネスモデルだ。しかし、マンガワン編集部は加害者の不祥事を矮小化し、被害者への対応を蔑ろにしたばかりか、それを批判する世間の声に対しても不透明な対応に終始した。結果として、読者からの批判だけでなく、自社の利益の源泉である作家陣からの一斉ボイコットを招くこととなった。

「セクシー田中さん」事件などでも問われた出版社の企業体質だが、今回の件は「プラットフォーム崩壊の危機」というかつてない規模の代償を支払うフェーズに入ったと言える。失われた作家と社会からの信頼を回復するためには、表面的な謝罪ではなく、第三者委員会等による徹底的な事実解明と、組織構造の抜本的な改革が不可避である。

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ライター:

Webライターとして活動。主にエンタメ系、サステナビリティ関連の記事などを扱っています。

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