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廃漁網が繋ぐ関係人口 amuの「amuca®タイル」が描く地域再生の物語

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廃漁網が繋ぐ関係人口 amuの「amuca®タイル」が描く地域再生の物語
提供:amu株式会社

山口県防府市向島に誕生した「Cafe Poppy」は、廃漁網を再資源化したタイルを導入した。廃材に宿る物語を通じて地域と人を繋ぎ、通過点だった島に新たな交流拠点を生み出している。

 

山口県防府市・向島の新拠点「Cafe Poppy」と廃漁具タイルの導入

2026年1月23日、山口県防府市向島にオープンした「Cafe Poppy(カフェポピー)」が、サステナブルな店舗設計の新たな範として注目を集めている。同店が内装に採用したのは、宮城県気仙沼市のスタートアップ、amu株式会社が開発した廃漁具由来のデザインタイル「amuca®(アミュカ)タイル」だ。このタイルは、全国の漁港から回収された廃漁網やブイなどを原料とするリサイクル建材である。瀬戸内海の穏やかな風景を望む店内の壁面に配されたタイルは、単なる装飾の域を超え、海と共に生きる地域のアイデンティティを象徴する存在として、訪れる客を静かに迎えている。

リサイクル建材を超えた独自性。amuが提供する「トレーサビリティストーリー」

amuの取り組みが既存のリサイクル製品と決定的に異なる点は、製品に物語の透明性を付随させている点にある。同社はタイルの提供と合わせ、廃漁具が製品化されるまでの過程や、導入したオーナーの想いを記録したトレーサビリティレポートを公開している。Cafe Poppyの店内では、掲示されたQRコードを通じてこのストーリーを閲覧することが可能だ。来客は、目の前のタイルがかつて海でどのような役割を担っていたのか、そしてオーナーの中野なな氏・康晴氏夫妻がなぜこの素材を選んだのかを知ることになる。モノとしての消費を体験と共感へと昇華させるこの仕組みが、顧客と店舗、さらには地域との間に、数字だけでは測れない深い繋がりを生んでいる。

「いらないものはない」世界観が、過疎化に悩む島に光を当てる

 

このプロジェクトの根底には、amuが掲げる「いらないものはない世界をつくる」という強い哲学がある。本来は廃棄コストがかかる負の遺産である漁具を、美しさと機能を兼ね備えた資源へと転換する。さらに、製造過程でのCO2排出を抑えるために焼成しない製法を採用するなど、環境負荷の低減とデザイン性を高度に両立させた。この哲学は、人口減少と市街化調整区域ゆえの建築制約に直面する向島の現状とも深く共鳴している。オーナーの中野夫妻は、山口県が観光の通過点で終わってしまう現状を打破し、人が立ち止まる拠点を作りたいという切実な願いを抱いてきた。夫妻は、島ならではの空気感の中で、環境や社会に思いを巡らせる場でありたいと語る。廃漁具という地域の課題から生まれた素材が、島の新たな価値を象徴する建材として再定義された意義は大きい。

amuの事例から学ぶ、ストーリーを資産に変える付加価値の設計

amuのビジネスモデルから我々が学ぶべきは、リサイクルという機能的価値に、いかにして情緒的価値を付与するかという戦略的思考である。地域の廃材をその地域の施設に還元することで物語に必然性を持たせ、トレーサビリティを義務ではなく顧客とのコミュニケーションツールとして活用している点は特筆に値する。また、環境問題と地域活性化という2つの社会課題を1つのプロダクトで結びつけることで、多角的な支援者を獲得することに成功している。単なるアップサイクル建材の販売に留まらず、企業の思想をエンドユーザーに届ける仕組みまでを精緻に設計するその姿勢。amuの挑戦は、これからのサステナブル経営において、いかにして価値を創造し、伝えるべきかという問いに対する1つの明快な回答を示している。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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