人も会社も自分ひとりでは生きられない。“まんなか”でみんなを繋ぐ存在、それが株式会社mannaka。
代表取締役の柴田雄平さんは「食のプロ」であり「マーケティングのプロ」としてお客様と併走し、やがてお客様が自走できるようになってからも沿道から応援し続けるー。そんな情熱を貫いています。mannakaがどのように生まれて何を目指しているのか、そしてそれを支えるステークホルダーへの感謝の想いを語っていただきました。
「身近な人を幸せにする」ために何が出来るのか
ーーmannakaは何をしている会社なのか教えてください。
簡単に言うと“マーケティングの支援”をさせていただいています。お客様の事業戦略を突き詰めていき、運用や改善までトータルでお手伝いしています。マーケティング事業部がある企業でも、例えばデータ分析しか出来ていない場合や、事業戦略を作ったものの上手く運用されていないケース、または事業戦略と実際の経営との間にズレが出てきてしまっている……などの問題を抱えているお客様が多いんですよ。
取引先は上場企業からスタートアップの企業まで幅広く、1年間で100社ほど、月間では40〜50社ほどになります。当社にはエンジニアやデザイナーもいるので、まず最初に事業戦略を立ててから次にWEBやSNSでのPR、そしてリアルでの広告までを一手に担うことができるのが強みですね。
ーーどのような企業理念をお持ちなのでしょうか?
私たちは「身近な人を幸せにする」ということを本気で目指していて、そのために何が出来るのかを常に考えているんです。お客様に対しては「期待値を1%でも上回る」という姿勢で取り組んでおり、そのために社内でもフィードバックを重ねて、サービスの提供が終わった後ももっと出来ることはないかと考え続けています。
実は私たちはお客様を選んでいまして……。「本気で手伝いたいと思わなければ手伝わなくていい。」という理念が個人的にあるんですよね。社員にも「自分が心から手伝いたいたいと思わなければお断りしていい。」と伝えているんですよ。お客様と私たちがお互いにリスペクトの気持ちを持つことが社員のやる気にも繋がってくると思うので。
ーーmannakaが生まれるまでにどのような歴史があるのでしょうか?
中学生の頃、私が妹に3年間毎日料理を作っていたんですよ。うちは両親が離婚しているので。その経験から食に興味を持って料理の専門学校へ進学したんです。卒業後は有名なフレンチレストランに就職したのですが、そこがすごく形式ばっていて、つまらなくて半年ほどで辞めてしまったんです。
その時に「フランスのもっと大衆的な家庭料理を日本に持ち込んだら面白いのでは」と思い、19歳の頃バックパッカーとして半年間ヨーロッパへ渡航。旅先で仲良くなった現地の人の家に泊めてもらいながら、その地域の家庭料理を教えてもらったりしていましたね。
旅で出会ういろいろな人に「何のために仕事をしているのか」「仕事をしていて楽しいことは何か」を聞くと、「家族が大切だから」「自分がやりたいことだからやっている」「遊ぶために働いてる」などさまざまな答えが返ってきて。
うちは父が会社を経営していたのですが、家には全然いなかったんですよ。家で食事をしている姿も見たことがないほどで。だから「家に親がいて家族を大事にしている」とか「自分がやりたいことを感情に従ってやっている」ということが単純に面白いと感じたんです。
帰国してから外食系のベンチャー企業に入社したのですが、そこに7年間勤めてマーケティングや商品開発、サプライチェーンなどを全て学びましたね。コンビニの大ヒット商品やスーパーの人気商品を開発したりと、会社の成長に大きく貢献出来たと思っています。
ですが当時の会社は「27歳で辞める」と社長にも宣言していたんです。自分の中でリミットを作りたくて。そして宣言通りに独立し飲食店を始めたのですが、全財産を投資すると決めて家や車も全て売ってしまったので、最初の頃はお店に寝泊まりしていましたね。その1年後にマーケティングの会社を立ち上げたのですが、その前にもう1店舗飲食店をオープンしていたんです。1年間で2店舗の新規経営は目の回る忙しさでしたね。
多くの人に支えられて 今感謝を伝えたいステークホルダーへの想い
ーー感謝の気持ちをお伝えしたい、ステークホルダーの方達へのメッセージをお聞かせください。
株式会社アットファンズ・マーケティングというSNSマーケティングの企業でお手伝いを始めたのですが、代表取締役の蒔田さんから経営を一緒にやりましょうと誘っていただいて、実際に執行役員として最近入社させていただくことになったんですよ。もともとはお客様だったのですが信頼していただいて、今では名実ともに“中の人”として受け入れてもらってとても嬉しく思っています。
ーー蒔田さんに何か聞いてみたいことはありますか?
過去の経歴をもっと深掘りしたいですね。とても数字に強い方で、全て数字で示されるんですよ。どのような経歴から培われたのかぜひ知りたいですね。
ーー他にも感謝を伝えたい企業様はありますか?
株式会社ひゃくはちの社長の畠山さんからも5年越しのお誘いを受けて、現在CEOをさせていただいています。畠山さんとはひゃくはちの前身であるオプトという会社を経営されていた頃に知り合ったのですが、ずっと私のことを覚えてくださっていて、いつか一緒に経営をやりたいと思ってくれていたということが嬉しかったですね。畠山さんはとても優しい人なので、経営に関する厳しい面は私が支えていけたらと思っているんです。
ーー畠山さんに聞いてみたいことはありますか?
私生活かな(笑)。それに畠山さんが本当にやりたいことは何なのかもっと聞いてみたいですね。自分のことよりもみんながやりたいことを優先する人なので。
ーーではmannakaの社員の方達へのメッセージをお聞かせください。
私は社員のみんなに“嘘をつかないこと”と“誠実であること”を大事にしていて。腹を割って話が出来ない関係が嫌なので、何でもはっきりと言ってしまうんですよ。けれど逆を返せば、“はっきりと言える関係”を作っていくように常に意識していますね。仕事対する期待値もきちんと伝えていますよ。具体的な目標があれば、それを達成するために必要なことを一緒に考えることができますからね。
当社に早坂さんという女性がいるのですが、彼女は今29歳で来年COOになることが決まっているんです。
実はmannakaは紆余曲折ありまして、彼女が入社した当時は会社が少し荒れていたんです。人事の問題が起きたり、役員が次々に交替になったりしていて。そのような中でも早坂さんは私を信じてついてきてくれて、おかげで今は会社もどんどん伸びていっているので彼女にはとても感謝していますね。
ーー早坂さんに改めて聞いてみたいことはありますか?
社員のことで知らないことってほとんどないんじゃないかな? 普段から何でも聞くようにしているので、目標としている給与の額からご両親の職業まで知っていますよ(笑)。
ーーお取引先で感謝を伝えたい方はいますか?
当社の労務関係を全てお任せしているプライマリパートナーズ株式会社さんにはいつもお世話になっていますね。担当の新井さんがとても柔軟に対応してくださり、印鑑を一箇所押すだけのために私のところまで来てくれたりするんですよ。
ーー新井さんに何か聞いてみたいことはありますか?
新井さんは最近お子さんが産まれてパパになったので、今後のライフキャリアをどう描いているのか聞いてみたいですね。
ーー金融機関とも良い関係を築いているとお聞きしたのですがいかがですか?
城南信用金庫 大井支店の前原さんと谷さんのことかな。城南信用金庫さんからは私の3つの事業の全てに融資をしていただいていて。最初は別の大手の銀行に相談する予定だったのですが、それをやめて城南信用金庫さんのみにお願いすることにしたほどなんですよ。mannakaというよりも、私個人を対等に見てくださって評価をしていただけるのがありがたいですね。
ーー地域社会に感謝していることはあるでしょうか?
茅場町を始めとした中央区は地域の繋がりが強いエリアで。先程も隣のお店の方が寄ってくださり、当社の社員にも良くしていただいて助かっています。特に飲食店は地域に溶け込んで貢献することが大事だと考えているので、とても意識しているポイントですね。
ーーでは何か、地球規模で意識していることはありますか?
当社では化粧品の事業もしているのですが、化粧品やパッケージの成分は全て地球に還る物を使用していて。「海洋資源の保護・森林の保護・土壌汚染を防ぐ」という3つを大事に考えています。
今から未来を創る」というテーマでFutuというプロジェクトを進めているのですが、これは“Future”の最初の4文字を取り、「これから未来を創る途中にいる」という思いを表しているんです。
また最近では米粉から作られたパンの開発にも力を入れていて。
日本では小麦粉に押されて米の消費量が年々減っているので、再び米の生産と消費が拡大することを目標にして始めました。日本人はアレルギーに敏感な人が多いと言われているので、アレルギーを引き起こしやすい28品目を全て除去し、病院食としても食べることのできる米粉パンを作っています。地球規模よりも先に、まずは日本の環境に貢献していきたいですね。
ーー米粉パンの開発に携わった方たちの中でどなたかメッセージを送りたい方はいますか?
米粉パンの商品開発に協力してくださっているのが新潟の株式会社タイナイという会社さんなのですが、1年間にわたる開発期間中ずっと力になっていただきましたね。
ほとんどの工場では小ロットの商品はなかなか受け付けてもらえないものですが、タイナイさんに私の想いを伝えたところ、気持ち良く引き受けてくださったんです。米粉のみを事業の軸にしている会社って日本ではタイナイさんだけなんですよ。そのような日本で唯一の会社さんと一緒に商品開発をしていけるということはとても大きな意味がありますね。
タイナイさんはスーパーマーケットヤオコーの商品開発部の部長から紹介していただきました。そのような人と人との繋がりやご縁にも感謝しています。
ーー最後に、明日の社会を良くしていくための企業の責任という観点から、未来世代へ向けたメッセージをお願いします。
私は年齢って関係ないと思っているんです。やるべきことをした人が評価されて、やりたくない人はやらなくても良い…というような、シンプルなことじゃないでしょうか。
私自身が未来に残すものって何もないと思っているんですよ。それよりも私のそばにいる若い人たちが、それぞれ何かを残してくれるほうがいいと思っていて。大学生のメンターを何名か引き受けたり、こう見えても高校で「起業家プログラム」という授業の教師もしていまして。去年は生徒の中の1名が起業家として独立し事業を立ち上げたんですよ。私は自分が高卒のようなものなので、大学に行かなくても別にいいと思っているんです。いったんレールから外れてしまっても頑張ればここまで来られるよ、と伝えたいですね。
ーーありがとうございました。最後に読者の方へメッセージをお願いします。
やりたいことを思いきり突き詰めていけば何でもプロになれますよ。
ビジネスは頑張った分だけ結果になって返ってくるのですごくわかりやすいんです。一度で結果が出なければ何度も頑張ればいい。闘う相手は自分自身ですよ!
プロフィール
柴田 雄平
埼玉県の高校卒業後、調理師免許を取得し、外食系ベンチャー企業にて新業態開発および大手コンビニエンスストアのPB商品開発等に携わる。
大手広告代理店のデジタル系子会社にも出向し、マーケティングを学ぶ。「料理人」と「マーケッター」の2軸のスキルを得る。
2013年に独立。「飲食業界で働きたい人を増やす」をコンセプトとした土日祝日休みの飲食店2店舗を都内で運営している他、リアルな店舗・商品開発の実績と、マーケティングの知見を活かし、大手食品メーカーや地方自治体の経営・事業戦略立案から実行までの伴走型支援を行なっている。
「フルリモート、オフィスレス、社員がほぼ既婚・子どもあり」という働き方にも注目が集まっており、メディア出演多数。