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トランプ政権の言葉を変えた27歳。広報官カロライン・リーヴィットが壊した“常識”

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トランプ政権 広報官
DALL-Eで作成

ホワイトハウスで報道陣に囲まれ、毅然とした口調で語る一人の若き女性。その名はカロライン・リーヴィット。2025年、ドナルド・トランプの“再登板”とともにホワイトハウス広報秘書官に就任した彼女は、わずか27歳。従来の広報スタイルを根底から覆す姿勢に、メディアも政界も驚きを隠さない。だがその言葉には、「変えることを恐れない強さ」が宿っている。

 

 

前例を壊す、という仕事

カロライン・リーヴィットが初めてホワイトハウスの報道官室に立ったのは、トランプ政権第1期(2020年)のこと。アシスタント広報官としての短い在任期間だったが、その存在感は異彩を放っていた。

2025年1月、政権交代と同時にホワイトハウスの“顔”に抜擢されたリーヴィットは、報道室の「席順」にさえ手を加える。ポッドキャスターやTikToker、保守系インフルエンサーを正面席に配置し、従来のメディア(CNN、AP通信、NBC)を「特等席」から外すという前代未聞の判断を下した。

伝統を守ることよりも、“伝わる言葉”を選ぶ。それが、彼女の信念だった。

 

“言葉”の強さは、敵をつくることもある

「その質問には答えません。なぜなら、それはバイアスのかかったフェイクフレームだからです」

2025年6月、CNN記者との応酬で彼女が放ったこの一言は、ネット上で瞬く間に拡散された。左派メディアは「報道の自由への挑戦」と非難し、右派は「強い広報官の誕生」と歓迎した。

リーヴィットの言葉は、ときに鋭く、ときに挑発的だ。しかし、その語りには迷いがない。彼女は一貫して、トランプ政権のメッセージを「速く」「正確に」「絞って」発信することを重視している。

これは現代のビジネスにおけるコミュニケーション戦略にも通じる。全方位に気を使うのではなく、「誰に何を届けるか」を明確にした発信こそが、共感と行動を生むという原則だ。

 

新メディア時代の“顔”として

SNS時代の「情報」は、テレビからは生まれない。カロライン・リーヴィットが新設した“New Media Row”は、それを証明してみせた。

TikTokの保守系インフルエンサーやYouTuberが、ホワイトハウスの記者会見で質問する。その映像が、数百万回再生される。そして翌日には「大統領の意図」が、従来メディアを経由せずに、ダイレクトに国民へ届く。

伝統を壊すということは、過去の信頼を壊すことでもある。だが、彼女は躊躇しなかった。「届かない正論より、刺さる言葉を選ぶ」。この方針が、トランプ政権の広報戦略に鮮烈な変化をもたらしている。

 

カロライン・リーヴィットという人間

リーヴィットは1997年、ニューハンプシャー州の中流家庭に生まれた。大学では政治学を学び、保守的な校風のなかで論客として知られたという。

彼女の私生活もまた、注目を集める。2023年に32歳年上のビジネスマンと結婚し、2024年夏に第一子を出産。そのわずか4日後にはホワイトハウスの職務に復帰した。

「言葉とは、伝えるものではなく、生き方を映すもの」。そう語った彼女の復帰劇は、賛否を超えて「プロフェッショナルとしての矜持」を象徴するものとして、全米で報じられた。

私生活を犠牲にしてでも責務を全うする。その姿は、政治家というより、むしろ“企業経営者”や“ミッションに生きるビジネスパーソン”に近い。

 

トランプの“声”を翻訳するという仕事

トランプ元大統領の言葉は、常に強く、鋭い。それをどのように伝え、解釈し、国民へ届けるか。リーヴィットはその“翻訳者”としての役割も担っている。

政治的な思惑を背景にした“あいまいな言葉”が求められることの多い場面で、彼女は驚くほど明確に答える。ときに政権の矛盾を突かれても、逃げず、ぶつかり合いながらもメッセージを再構築する。

それはまさに、「企業の広報責任者」が危機対応に追われるときの所作そのもの。事実を把握し、誤解を恐れず、立場を明確にする。カロライン・リーヴィットは、そうした「伝える人」の見本を示している。

 

言葉は、組織を動かす武器になる

ホワイトハウス報道官という職責において、カロライン・リーヴィットが壊したものは少なくない。だが彼女が生んだものもまた、多い。

前例よりも目的を重視し、形式よりも本質を見抜く。対立を恐れず、発信の精度を高め続ける。その姿勢は、変化の波に直面するすべてのビジネスパーソンにとって、大きなヒントとなるだろう。

「言葉は伝えるものではない。行動と意思をつなぐ、最初の一手である」

それを体現しているのが、トランプ政権の“若き顔”、カロライン・リーヴィットなのだ。

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ライター:

広島県在住。福岡教育大学卒。広告代理店在職中に、経営者や移住者など様々なバックグラウンドを持つ方々への取材を経験し、「人」の魅力が地域の魅力につながることを実感する。現在「伝える舎」の屋号で独立、「人の生きる姿」を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。​​https://tsutaerusha.com

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