日本への“高関税”示唆、トランプ氏が再び強硬姿勢

米国のドナルド・トランプ大統領は現地時間7月1日、相互関税の再開期限を「延長しない」と明言し、7月9日以降に発動される見通しとなった関税について、日本に対し「30~35%、あるいはわれわれが決める水準」の高関税を課すと発言した。これは4月に発表した24%からの引き上げで、日本との通商関係に再び緊張が走っている。
トランプ氏は会見で「日本は米国産コメを受け入れておらず、自動車分野では深刻な不均衡がある」と主張。「日本には長年、甘やかされてきた歴史がある」とも述べ、日本が米国との交渉において頑なであると批判した。さらに「新任の首相は好きだが、過去30~40年にわたって米国が搾取されてきたことを踏まえれば、日本が合意に応じる可能性は低い」との認識を示した。
対日批判の背景に“対中依存からの転換”戦略か
4月に発表された相互関税制度は、トランプ氏が掲げる「アメリカ第一」の経済政策の一環である。本来の目的は、中国を中心とする通商赤字の是正だが、日本を含む他国にも対象が拡大されてきた経緯がある。今回の発言には、米国内での支持固めや対外的な圧力戦略としての意図も透けて見える。
日本政府はこれまで、米国との協調を重視しながら慎重に対応してきたが、今回の発言は交渉戦術を大きく揺さぶるものとなる。日本が実際に高率の関税対象となれば、自動車や農産品の輸出産業に大きな打撃が及ぶ可能性がある。
インド交渉には前向き姿勢も示す 交渉戦術の“選別”か
一方、トランプ氏は同じ場でインドについては前向きな見通しを示した。現在、インド政府のジャイシャンカル外相が米国との通商合意に向けて交渉を進めており、「まもなく合意に至る可能性がある」と言及。交渉のテーブルに着く国と、そうでない国を明確に区別する姿勢を取っている。
SNSでは「再確認されたアメリカリスク」との声も
トランプ氏の発言は米国の株式市場にも影響を及ぼし、発言直後にはニューヨーク市場が軟調に転じた。SNSでは「昔からアメリカは日本に無理を言ってきた」「プラザ合意も脅しだった」といった歴史的文脈を指摘する声が相次ぐ。
特に、トランプ氏が「まさかやらないだろう」と思われていた施策を強硬に実行してきた過去から、「アメリカリスクが改めて露呈した」と警戒する声もある。一方で、「米国市場は無視できない」「リスクを分散して対応するしかない」と、現実的な視点で状況を捉える声も多い。
日本はどう対応すべきか——“黙従”からの脱却を求める声も
一般の反応には、「正直、生活に関係ないからどうでもいい」という冷ややかな声もある一方で、「これまでアメリカに黙々と従ってきたのだから、そろそろ主張すべき時では」とする意見も出ている。