中国から輸入されたスナック菓子「フライドポテト うすしお味」から、日本で使用が禁止されている食品添加物TBHQが検出され、千葉市が12万袋の回収・廃棄を命じた。
中国産スナック菓子に国内で禁止されているTBHQを検出
千葉市は2025年6月23日、中国から輸入されたスナック菓子「フライドポテト うすしお味」(1袋45g)から、日本国内で使用が禁止されている食品添加物「tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)」が検出されたと発表した。食品衛生法に基づき、同市美浜区の輸入業者「清水物産ホールディングス」に対して、該当商品の自主回収および廃棄命令を出した。

検出された添加物TBHQとは?
TBHQ(tert-ブチルヒドロキノン)は、酸化防止剤として一部の国では食品添加物として認可されているが、日本では食品への使用が禁止されている。欧州食品安全機関(EFSA)によると、1日あたりの許容摂取量は体重1kgあたり0.7mgとされており、今回は菓子1kgあたり0.0011gの微量が検出された。
千葉市によれば、検出された量は人が一生食べ続けた場合でも直ちに健康に影響を及ぼすレベルではないとされているが、安全確保のため2025年3月31日以降に輸入された約12万袋が対象となる。
すでに流通済み、健康被害は確認されず
今回の問題は、茨城県が行ったサンプリング検査により6月19日に発覚。翌20日に千葉市へ報告が入り、迅速な対応が取られた。現在までに健康被害の報告はない。
過去にもあった添加物による自主回収例
なお、今回のように海外から輸入された食品に対し、日本国内で使用が禁止または制限されている添加物が検出され、回収や廃棄の措置が取られた事例は過去にもある。
たとえば2019年には、台湾産の乾燥マンゴーから漂白剤である亜硫酸ナトリウムが基準値を超えて検出され、およそ5万袋が回収された。また2022年には、中国産のナッツ製品から発がん性が懸念されるアフラトキシンが検出され、健康被害を未然に防ぐために全量が廃棄された。
いずれのケースでも共通するのは、検出された成分が「海外では使用が認められている一方、日本では使用が禁止もしくは厳しく規制されている」という国際的な基準の違いに起因している点である。今回のTBHQ検出も、こうした背景の一例といえる。
まとめ:輸入菓子の取り扱いには要注意
今回の「フライドポテト うすしお味」からのTBHQ検出は、国ごとの食品添加物基準の違いが引き起こした典型例である。健康被害は確認されていないとはいえ、今後も消費者・行政・業者の三者が連携し、安全な食品流通の仕組みづくりが求められる。
参照:自主回収のお願い(清水物産ホールディングス)