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小塚崇彦・井上鷹・大原沙莉・狩野亮が参画 HEROs PLEDGEで進むスポーツ界の「脱プラ」革命

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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スポーツ界全体で使い捨てプラスチックごみの削減を目指すプロジェクト「HEROs PLEDGE」に、2025年6月、新たに4名の著名アスリートがパートナーとして参画した。参加を表明したのは、プロサーファーの井上鷹氏、プロボディボーダーの大原沙莉氏、元パラアルペンスキー日本代表の狩野亮氏、元フィギュアスケート日本代表の小塚崇彦氏。

海や雪、氷と向き合い続けてきた彼らは、それぞれの競技経験を通して自然環境の変化を体感してきた共通項を持つ。

「HEROs PLEDGE」は日本財団が推進する「HEROs~Sportsmanship for the future~」の一環で、スポーツイベントにおける使い捨てプラスチックごみの削減に向けた活動を広げることを目的に2024年3月に始動。すでに40名のアスリート、27のスポーツ団体が参加しており、2027年度末までに主要興行におけるプラスチックごみ半減を目指している。

 

海から始まった「気づき」 井上鷹氏と大原沙莉氏の思い

プロサーファー 井上鷹氏
プロサーファー 井上鷹氏(提供:日本財団HEROsプロジェクト事務局)

ロングボード、SUP、ショートボードの三競技をこなす“三刀流”プロサーファーの井上氏は、ビーチクリーン活動で手にしたボードがサーフィンの出発点だったと語る。SUP世界選手権での優勝経験を持ち、世界中の海と向き合ってきた井上氏は、「ビーチクリーンを特別なイベントではなく日常に。使わない、捨てない暮らしを広げたい」と語り、海洋プラスチックの再利用やSNS発信を通じた啓発活動を展開していく意向だ。

また、ボディボード世界チャンピオンに2度輝いた大原氏は、「良い波」が減っている実感から、海洋環境の変化に敏感になったという。「サーファーがもっと環境を守る存在にならなければ」と語り、マイボトルの利用促進や大会運営時の備品見直し、ギアの再利用促進など、具体的なアクションに取り組む姿勢を見せた。

プロボディボーダー 大原沙莉氏
プロボディボーダー 大原沙莉氏(提供:日本財団HEROsプロジェクト事務局)

大原氏
子供の時からサーフィン、ボディボードを通じて海の変化をダイレクトに感じ取れる環境に身を置いていました。SDGsや環境問題が話題に上がり始め、改めてサーフィン、ボディボードと環境問題の結びつきについて考えた時に、地球環境が悪くなり『良い波』が減っているのでは?という疑問を抱き始めました。

海岸の減少や異常気象に対して、サーファーとしての責任があると感じますが、同時に、海を守ろうとする高い意識のサーファーが少ないと感じます。‟サーファーは海岸環境を守る存在”という当たり前を作れるよう活動していきます。

 

雪と氷の後退を肌で感じた 狩野亮氏の危機感

元パラアルペンスキー日本代表 狩野亮氏
元パラアルペンスキー日本代表 狩野亮氏(提供:日本財団HEROsプロジェクト事務局)

パラリンピックで計4個のメダルを獲得し、紫綬褒章も受章した狩野氏は、「20年前に訪れた欧州のスキー場では、今や氷河が消え、コースが成り立たない」と語る。気候変動による積雪量の減少は、冬季競技の継続を脅かす問題だとし、「北海道の子どもたちに環境意識を育む場をつくることから始めたい」と述べた。

 

大会運営にまで環境意識を 小塚崇彦氏の実践的アプローチ

元フィギュアスケート日本代表 小塚崇彦氏
元フィギュアスケート日本代表 小塚崇彦氏(提供:日本財団HEROsプロジェクト事務局)

2010年バンクーバー五輪8位入賞、世界選手権2位の実績を持つ小塚氏は、引退後もアスリート委員会などでスポーツと社会課題の接点を探ってきた。2026年アジア競技大会のアスリート委員でもある彼は、「そもそもごみを出さない意識が重要」と強調。「小塚アカデミー」やチアの競技団体を通じて、環境啓発を軸とした大会・イベント運営のモデルづくりに意欲を示した。

 

スポーツの力で脱プラスチック社会へ

HEROs PLEDGEでは、アスリートの参画を起点に、ファンや生活者に向けて「宣言」(プレッジ)を促すサイトも設け、共感と実践の輪を広げている。スポーツが生み出す熱量を環境課題の解決へ転化するこの試みは、社会との接点を持つアスリートが先頭に立ち、生活に近い形での行動変容を呼びかけている。

2025年5月時点でのパートナーはアスリート44名、団体27組。今後も対象を広げ、環境対策の先進事例創出を目指す。競技の枠を超えた連携が、脱プラスチックという社会的目標にどこまで貢献できるか、今後の展開に注目が集まる。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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