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株式会社橋川製作所

https://www.hashikawa.co.jp/

〒734-0053 広島県広島市南区青崎1-4-12

「次世代を切り拓く放電加工の匠」橋川製作所の信念と未来への挑戦

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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橋川製作所 橋川社長
株式会社橋川製作所 代表取締役 橋川栄二氏

先端技術「放電加工」を武器に、製造業の可能性を追求する株式会社橋川製作所。
その舵を取る橋川栄二社長が描く未来とは?

 

技術者から経営者へ 橋川社長の軌跡hashikawa

広島市に拠点を置く橋川製作所。その舵を取る橋川栄二氏は、幼少期からものづくりに触れて育った。

創業者である父の背中を見て育ち、「経営者たるもの、体が資本」という教えを受け、学生時代には体力づくりに励み、ボディビルの大会、スクワット部での日本一を達成した経験も持つ。

体力と精神力を鍛えた日々が、後の挑戦に向かう原動力となった。

大学卒業後、橋川氏は放電加工機メーカー「ソディック」に入社。自然界の落雷現象を応用する高度な加工技術に出会い、その可能性に魅了された。

従来の機械加工では不可能な領域を補完するこの技術を通じ、製造業の未来に貢献できると確信したのである。

その後、父から受け継いだ橋川製作所に戻った橋川氏は、父の基盤を守りつつ新たな技術を軸に事業を展開。

現在では「困った時の駆け込み寺」として、多様な産業の課題解決に挑む独自の存在へと成長を遂げている。

挑戦し続ける技術の力――放電加工の可能性

橋川製作所のコア技術である「放電加工」は、自然界の落雷現象を応用した特殊な加工技術だ。

これは、金属同士が接触しない非接触加工でありながら、微細で高精度な加工を可能にする。シャープな角の加工や深い穴あけといった、従来の機械加工では実現が難しい精度が求められる場面で活躍する。

橋川氏はこの技術を「ものづくり日本の根幹を支える重要技術」と位置づけ、こう語る。

橋川製作所 橋川社長

「放電加工は、従来の加工で手が届かない領域を補完する重要な技術です。例えば、航空宇宙産業や医療分野、半導体の製造など、ミクロン単位での加工が求められる現場で、放電加工は欠かせません。確かに、この技術は学びが難しく、多くの人が挑戦を諦める分野です。しかし、私はこのニッチな技術だからこそ、大きな可能性が秘められていると信じています。簡単には手に入らないものだからこそ、私たちのような職人が価値を提供できるのです。」(橋川氏)

橋川製作所では、ロケットのエンジンノズルや高精度な電子部品など、精密加工が必要な製品を数多く手掛けている。その中でも特筆すべきは、形状記憶合金を用いた高級ブラジャー用金型だ。

この金型は個々の体型に合わせた絶妙なカーブを実現し、顧客と職人の技術が融合した製品の一例といえる。

「ものづくりにおいて、技術だけではなく、それを支える職人の情熱が問われます。私たちは個々の製品に心を込めて対応するからこそ、お客様に困った時の『駆け込み寺』として信頼されています。放電加工の可能性にかける私たちの挑戦は、これからも続いていきます。」(橋川氏)

橋川氏の言葉には、自らの技術への誇りと、ものづくりの未来に対する熱意が溢れている。

「放電加工」は橋川製作所にとって単なる技術ではない。それは、職人と顧客双方の想いを形にする手段であり、日本のものづくりを支える一翼を担う使命でもあるのだ。

人が育つ現場を目指して 橋川製作所の経営哲学

橋川製作所の特徴の一つは、「人」を中心に据えた経営である。

技術だけでなく、それを扱う職人の育成と彼らが活躍できる環境作りを重視している。その背景には、橋川氏自身が職人技術の重要性を深く理解していることがある。

橋川製作所 橋川社長

「私たちの放電加工は、機械任せでは成り立ちません。技術者が一つひとつの加工条件を見ながら、熟練の技術で微調整を繰り返して完成させるものです。データベースに頼るばかりではなく、職人の手によるチューニングが必要不可欠なんです。だからこそ、この技術を次世代に伝えることが一番の課題だと感じています。」(橋川氏)

橋川氏が特に強調するのは、「心を込めて仕事に向き合う姿勢」だ。

橋川製作所では、若手技術者を一人前の職人に育てるために、失敗を恐れずチャレンジさせる文化を大切にしているという。

「若い技術者には、まず失敗を経験させます。失敗をすることで自分に足りないものを理解し、そこから学びを得ることができます。失敗を恐れて逃げるのではなく、それを次の成功につなげる力を身につけてもらいたいですね。この姿勢を学ぶことが、人としても技術者としても成長する第一歩だと思っています。」(橋川氏)

さらに、橋川氏は「働く環境」も重要視している。会社全体で長時間労働を避け、集中して効率よく作業ができる環境を整えることで、質の高い仕事を維持している。

特に、世の中では効率化や自動化が進む中で、あえて人の手でしか作れないものにこだわる姿勢を貫いているのが橋川製作所の特徴だ。

橋川製作所 橋川社長

「我々の強みは職人技です。人間が持つ感性や判断力は、機械では代替できない部分が多い。そうした人ならではの技術を磨いていくことが、これからの日本のものづくりを支える鍵になると信じています。」(橋川氏)

技術者の成長も会社の成長も、失敗や挑戦の積み重ねによって成し遂げられるものだと橋川氏は語る。

その言葉の裏には、職人技術への確固たる信念と、人を育て、技術を次の世代へつなぐ覚悟が見て取れる。

ものづくりで未来を創る

橋川氏が思い描く未来は、技術の革新と「人」を中心としたものづくりの融合で実現される社会だ。

常に新たな挑戦を続ける橋川氏は、放電加工が持つ可能性を語る中で、次世代の役割に対しても熱い期待を寄せている。

ー日本のものづくりが直面している課題とは何でしょうか?

日本のものづくりは、かつて世界をリードしていましたが、現在では効率化や自動化に偏りすぎている部分があります。確かにこれらは重要ですが、それだけでは不十分です。

特に私たちのような中小企業が担うニッチな技術や、職人の感性を活かしたものづくりが、次世代の競争力において欠かせないと考えています。

ー次世代に期待することは何ですか?

若い世代には、失敗を恐れずに挑戦することを大切にしてほしいと思っています。放電加工をはじめ、我々が培ってきた技術やノウハウを次世代に伝えることで、彼らが新しい価値を生み出してくれることを期待しています。

また、ものづくりを通じて“自分たちが社会にどう貢献できるか”という視点を持つことも重要です。

ー放電加工の可能性について教えてください。

放電加工は、まだ解明されていない課題にも対応できる技術です。例えば、ロケットのエンジンノズルや医療機器の微細加工といった分野で役立っています。

また、新素材や特殊な条件下での加工においても、その可能性は無限です。この技術をさらに進化させることで、製造業全体に新たな価値をもたらせると確信しています。

ー地域社会ともつながりも大切にしていると伺っています。地域社会とのつながりについてはどうお考えですか?

ものづくりは決して一人ではできません。地域の企業や人々が支え合うことで成り立っています。

私たち橋川製作所は、広島という地元を拠点に活動しながら、地域全体を盛り上げる役割も担いたいと考えています。広島から発信する技術が、日本全国、そして世界へ広がることを目指しています。

人と技術と未来を紡ぐ、橋川製作所の挑戦

ものづくりは、単なる技術の積み重ねだけではない。

それを扱う人、そして支える地域や社会とのつながりの中で、初めて価値を持つものだ。橋川製作所は、技術革新を追求する企業であると同時に、人材を育て、地域とともに成長する企業でもある。

橋川氏は、製造業界が直面する課題に挑み続ける中で、ものづくりの本質を問い直してきた。

「失敗を恐れず挑戦すること」「職人技を次世代に伝えること」「地域や社会とともに歩むこと」。これらの理念を掲げ、橋川製作所はこれからも技術と人の未来を紡ぎ続けるだろう。

そして、その挑戦には、ものづくりを愛し、自らの技術に誇りを持つ橋川氏の信念が込められている。

「私たちは技術を通じて、新しい価値を生み出すお手伝いをしています。ものづくりを通じて社会に貢献し、それによって次世代がさらに豊かな未来を築けるように。そのための挑戦を、私たちはこれからも続けていきます。」(橋川氏)

橋川製作所 橋川社長

◎プロフィール
橋川栄二
株式会社橋川製作所 代表取締役社長

◎会社概要
会社名:株式会社橋川製作所
代表:橋川 栄二
所在地:〒734-0053 広島県広島市南区青崎1-4-12
創業年:1964年(昭和39年)7月1日
資本金:1,000万円
URL:https://www.hashikawa.co.jp/

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ライター:

広告代理店でディレクター・メディアマーケターとして活動後、フリーライターとして独立。広告業界時代には、多くの企業経営者やマーケティング担当者への取材を手がけ、戦略的コンテンツ企画に携わる。現在は、企業取材の執筆を中心に、ライター・編集者として活動中。

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