
アパレル大手の株式会社アダストリア(東京都渋谷区)は、創業の地・茨城県水戸市にて、地域とのつながりを再確認する交流イベント「ADASTRIA BAZAAR!2025」を、2025年4月12日・13日の2日間にわたり開催した。
会場となった「アダストリアみとアリーナ」には、延べ約7,500人が来場し、ファッション・食・文化・サステナビリティが融合した多彩なプログラムを通じて、新たな地域共創のかたちを体感した。
サステナブル×地域共創の“お祭り”が示した新しい企業のカタチ
今年で4回目となる本イベントは、アダストリアが1953年に水戸市泉町で紳士服店「福田屋洋服店」として創業した歴史を背景に、地域への感謝を込めた“感謝祭”として定着しつつある。2023年に創業70周年を迎えた同社は、ファッションを軸に地域社会と歩む企業姿勢を打ち出してきた。
目玉企画となった「ファミリーガレージセール」では、サステナブル業態「OFF STORE」が中心となり、ストック商品やサンプル品約32,000点を特別価格で販売。さらに、衣料品を回収して再活用する「Play Cycle!」では、2日間で約230kgの衣料品が来場者から集められた。商品への圧着プリント体験なども行われ、アップサイクルの魅力を身近に感じられる機会となった。
また、同社人気ブランド「studio CLIP」や「BAYFLOW」のドリンク&フードブースでは、ハワイアンメニューや賞味期限間近の商品を販売し、フードロス削減の啓発にも貢献。ワークショップでは、「GLOBAL WORK」がリメイクを通じてSDGsを学ぶ体験を提供し、「niko and …」ではオリジナルのペットボトルホルダー作りが人気を集めた。
世代・属性を越えたファッションショーで共感と一体感

地域とのつながりを象徴する取り組みのひとつが、誰もが参加できるインクルーシブなファッションショーである。地元のプロスポーツチーム「茨城ロボッツ」や「Astemoリヴァーレ茨城」のメンバー、障がいのある方や高齢者を含む総勢26名がランウェイに登場。
「好きな服を自由に楽しむ」ことの大切さを体現したステージは、観客から大きな拍手を浴びた。主催者であるアダストリアのプロジェクトリーダー・大谷知加子氏は、「表情が明るく変わっていく様子に、play fashion!の理念を感じた」と語る。
加えて、スケートボード体験や吹奏楽コンサートも展開された。世界的インフルエンサーの増田啓士氏(通称マスッチ)によるスケボー教室には250人以上の子どもたちが参加し、初体験の楽しさに笑顔を見せた。地元・大成女子高校などによる吹奏楽演奏では、地域の若い力がイベントに彩りを添えた。
「Play fashion!」の理念が現場で息づいた2日間
アダストリアは、地域社会との共創をサステナビリティの重点テーマの一つに掲げており、水戸黄門漫遊マラソンの支援や地元スポーツチームへのスポンサー活動、水戸芸術館や水戸室内管弦楽団への支援など、多面的な地域貢献を続けている。
今後も「Play fashion!」を旗印に、ファッションの力で地域の文化と経済の活性化を進めていくとしている。