
マルイファミリー海老名が、地域共創によるサステナブルな店づくりを推進する。神奈川県産の間伐材を活用し、環境負荷を低減しながら地域資源の循環利用を促進する試みだ。
かながわ県産木材を活用したエントランスリニューアル
株式会社丸井が運営するマルイファミリー海老名は、2025年3月10日、2F駅側エントランスのリニューアルを実施する。このリニューアルでは、神奈川県産の間伐材を活用した柱を設置し、環境に配慮した店舗空間の創出を目指す。
地元丹沢山地で育った檜や杉を使用し、森林資源の適正な管理と活用を促進する。間伐材を用いることで、森林の健康を維持するとともに、CO2の固定化にも貢献する計画だ。さらに、この取り組みは神奈川県の「かながわ木づかいエコ認証制度」への申請も予定しており、地域に根差した持続可能な経済活動を後押しする。
地域共創と環境配慮を両立する独自の取り組み
マルイファミリー海老名のリニューアルは、単なる店舗改装にとどまらない。地元の企業や関連団体との共創により、地場産の木材を有効活用する点が特徴だ。神奈川県の森林は、適切な間伐を行うことで持続可能な資源として活用できるが、その流通や利用には課題がある。今回の取り組みは、地元材の需要を高めると同時に、地域経済の活性化にも寄与する。
また、木材の温もりを感じられる空間設計にもこだわっている。エントランスの柱やパブリックスペースのベンチなど、利用者が自然の息吹を感じられるデザインとし、訪れる人々に環境意識を高めてもらう狙いもある。
サステナブルな社会を目指す丸井グループの理念
丸井グループは、サステナブルな社会の実現を企業理念に掲げ、環境負荷の低減と地域社会との共創を重視している。同社は「ビジネスを通じた社会課題の解決」をテーマに掲げ、循環型経済の推進にも力を入れている。
今回の取り組みも、地域資源の循環利用を通じた持続可能なビジネスモデルの実現を目指したものだ。間伐材を用いたエントランスのリニューアルは、その一環として、地域と連携しながら社会課題に向き合う姿勢を示している。
企業が学ぶべきサステナブルな取り組みとは
今回のマルイファミリー海老名の取り組みは、企業が地域資源を活用しながら環境負荷を低減するモデルケースとなる。持続可能な社会の実現に向け、地元の材料を使用することで地域経済を支え、森林資源の適正な管理に貢献するアプローチは、他の企業にとっても参考になるだろう。
また、企業が環境配慮とデザイン性を両立させることで、消費者に対しても持続可能な社会への意識を促すことができる。今後、こうした地域共創型のサステナブルな取り組みが広がることで、より多くの企業が持続可能なビジネスモデルを実践するきっかけになる可能性がある。