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岩屋外相、G20外相会合で国際協調と平和への道筋を提言 ウクライナ支援とアフリカ連携を強化

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国際秩序の回復を主導する日本の責任

G20 岩屋外相
岩屋外相 外務省HPより

南アフリカ・ヨハネスブルグで開催されたG20外相会合において、2月21日岩屋毅外務大臣は初参加となる場で、日本の立場と国際社会における責任を示した。国際社会が対立と分断に揺れる中、岩屋氏は「法の支配に基づく国際秩序の回復が重要であり、力による一方的な現状変更は認められない」と強調した。

G20は、先進国と主要新興国、さらにはグローバル・サウス諸国が一堂に会する場として、その役割が増している。岩屋外相は「全ての国が責任を共有し、対話と協力を通じて共通点を見出すことが重要だ」と述べた。

 

ウクライナ支援に対する冷静な対応と地政学的な見通し

ロシアによるウクライナ侵攻が3年を迎える中、岩屋外相は「ウクライナ国民の勇敢さと忍耐には敬意を表する」と語り、ロシアの行動を非難した。ただ、現在の国際情勢を見誤らない慎重さも求められる。米国内では、トランプ前大統領のようにロシア寄りの姿勢を見せる動きも見られる。日本としては、単に同盟国の立場に追従するのではなく、独自の視点と国益を見据えた外交方針を模索すべき局面にある。

岩屋氏は「ウクライナの和平は公正かつ持続的でなければならない」と指摘し、その実現が世界の安全保障、とりわけインド太平洋地域にも影響を及ぼすと述べた。日本としては、人道、財政、復旧・復興支援を継続するとともに、国際社会と連携しつつ、冷静な見極めが求められる。

アフリカとの連携強化──TICAD9に向けた準備

今回のG20外相会合は、アフリカ大陸で初めての開催となり、日本にとっても外交上の重要な機会となった。岩屋外相は、8月に横浜で開催予定の「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」に向け、アフリカ諸国との協力強化を呼びかけた。

ブラジル、トルコ、アルジェリア、アンゴラ、南アフリカとの個別会談を通じて、グローバル・サウス諸国との連携強化を確認。特に鉱物資源国との技術協力や人材育成への貢献を表明した。

「TICAD9では、アフリカ連合委員会(AUC)を含む共催者やアフリカ諸国と連携し、国際課題の解決策を共に模索していきたい」と述べた。

 

北朝鮮問題と中東情勢への対応

岩屋外相は、ロシアと北朝鮮の協力関係の進展に対する懸念を表明。北朝鮮兵士の戦闘参加について強く非難し、「国際社会の強力な対応が求められる」と指摘した。さらに、拉致問題の即時解決に向けた各国の理解と協力を呼びかけた。

中東情勢については、ガザ地区における停戦合意の着実な履行を重視。日本は引き続き二国間解決を支持し、人道支援や復旧・復興支援でも積極的に関与していく姿勢を示した。

経済と防災分野での日本の貢献

G20会合では、防災分野における日本の知見と技術を共有する意向を表明。岩屋外相は「大規模自然災害への備えと対応力の強化に貢献していきたい」と述べた。

さらに、サプライチェーンの多様化による重要鉱物の安定供給、債務問題への対応、途上国でのAIガバナンス構築、自由で公正な経済秩序の維持についても、G20メンバーとの連携強化を図る意向を示した。

 

今後の展望──独自の視点で国際問題に臨む

会合では、ロシアのラヴロフ外相との接触はなかったが、中国の王毅外交部長とは短時間のやり取りが行われた。詳細は明らかにされていないが、対話の継続が示唆された。

岩屋外相は、南アフリカのラモラ外相とも会談を実施し、TICAD9および11月のG20ヨハネスブルグ・サミットの成功に向けた協力を確認。日本は今後も独自の外交方針を堅持し、G20を通じて国際社会の課題解決に貢献する姿勢を示している。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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