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アサヒビール、7年ぶりの新ブランド「ザ・ビタリスト」を発表

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アサヒビール、7年ぶりの新ブランド「ザ・ビタリスト」を発表
DALL-Eで作成

ビール市場の変化に対応、新たな価値創出を狙うアサヒビールは21日、7年ぶりとなる新ブランド「ザ・ビタリスト」を4月15日に発売すると発表した。うま味のある苦みを特徴とし、ビール市場の変化に対応した商品展開を進める狙いだ。2026年のビール系飲料の税率一本化を見据え、需要の拡大を取り込む方針である。

新ブランド投入の背景

同社が東京都内で開催した2025年の事業方針説明会で明らかにされた「ザ・ビタリスト」は、ホップを多用し、爽快な苦みとすっきりした余韻を実現した商品だ。缶のデザインは黒と金を基調とし、高級感を演出。同社の調査では、ビールを日常的に飲む層の多くが「苦み」を求める傾向にあり、それに応える形で開発された。

また、同社は1週間に350ml缶を6本以上飲むヘビーユーザー層が市場の約7割を占めるとし、その約6割が「苦み」を重視していることを踏まえた商品戦略を打ち出している。2025年の販売目標は、1箱(大瓶20本換算)で200万箱を目指す。

「スーパードライ」の低温提供で市場競争力を強化

新ブランドの投入と並行し、主力ブランド「スーパードライ」についても新たな取り組みを開始する。飲食店向けに4度未満の低温で提供する「スーパーコールド認定店」制度を導入。品質基準を満たす店舗を認定し、2024年内に5,000店舗の認定を目指す。

さらに、家庭向け商品でも低温に対応する新パッケージを5月20日から数量限定で発売予定。温度によってデザインが変わる缶や特製タンブラー付き商品など、新たな消費体験を提案する。

2026年の酒税改正と市場の変化

2026年10月に予定されている酒税法改正では、ビール、発泡酒、第3のビール(新ジャンル)の税率が統一される。これまで異なる税率が適用されていたビール系飲料は、350ミリリットルあたり一律54.25円の税率となる。

この改正の目的は、類似する酒類間の税率格差を是正し、税負担の公平性を確保することにある。具体的には、ビールの税率は引き下げられ、発泡酒や第3のビールの税率は引き上げられることで、最終的に同一の税率に統一される。この変更により、価格面での差異が縮小し、消費者は味や品質を重視した商品選択がしやすくなると考えられている。

さらに、チューハイやワインなどの他の酒類についても税率の見直しが行われ、チューハイは350ミリリットルあたり35円、ワインは750ミリリットルあたり67.5円にそれぞれ引き上げられる予定だ。この税制改正は酒類業界全体に影響を及ぼし、消費者の購買行動や市場動向にも変化をもたらすと予想される。

アサヒビールの主力商品と多様な展開

アサヒビールの代表的な主力商品は「アサヒスーパードライ」であり、1987年の発売以来、日本国内外で広く愛されている。発泡酒では「アサヒスタイルフリー」、新ジャンル(第3のビール)では「クリアアサヒ」や「アサヒ ザ・リッチ」などが人気を集めている。

また、ビール以外にもRTD(Ready to Drink)カテゴリーの「贅沢搾り」「樽ハイ倶楽部」「ザ・レモンクラフト」などを展開。さらに、洋酒部門では「ブラックニッカ」や「ジャック ダニエル」、ワインでは「サンタ・ヘレナ・アルパカ」、焼酎では「かのか」など幅広いラインアップを揃えている。

ノンアルコール・微アルコール飲料では、「アサヒ ドライゼロ」や「アサヒビアリー」などがあり、消費者の多様なニーズに応じた商品開発を進めている。

業界全体の動向と今後の展開

ビール業界では、2026年の酒税改正を控え、各社が市場の活性化に取り組んでいる。キリンビールは「晴れ風」の業務用展開、サッポロビールは「黒ラベル」をテーマにした体験型イベントを計画。サントリーは第3のビール市場のテコ入れを狙い、「金麦サワー」を投入する。

アサヒビールは「ボリューム(数量)からバリュー(価値)へ」を掲げ、市場の拡大を目指す。今後、消費者の多様なニーズに対応しながら、ビール市場の成長をけん引する構えだ。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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