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パンの通信販売と廃棄削減サービスを展開する合同会社クアッガの「rebake」は、湘南パン祭り2025に出店し、ロスパンに関するガイドブックを無料配布する。消費者にパンの食品ロスの実情を伝え、持続可能な消費行動を促す狙いがある。
rebakeの取り組みが湘南パン祭りで注目を集める
合同会社クアッガが運営する「rebake」は、2025年2月23日に神奈川県藤沢市の辻堂海浜公園で開催される「湘南パン祭り2025」に出店する。当日は、ロスパンに関する独自のガイドブック「ロスパンの教科書」を無料配布し、パンの廃棄削減に向けた消費者の意識向上を図る。
湘南パン祭りは、地元のパン職人と消費者をつなぐ場として2016年にスタートし、5,000人以上の来場者を迎える湘南エリア最大級のイベントだ。40以上のパン屋が集まるこの場を活用し、rebakeは食品ロス削減の理念を広めようとしている。
他社と異なるrebakeの独自性
rebakeは、日本最大級のパンの通信販売プラットフォームとして、廃棄になりそうな「ロスパン」を積極的に扱うことを特徴としている。通常、パン屋は売れ残りを出さないように努力するが、それでも一定量のロスが発生する。このロスパンを消費者と結びつけることで、食品廃棄を減らしつつ、パン屋の経営支援も行う。
さらに、rebakeは単なる販売サイトにとどまらず、教育的な側面も重視している。「ロスパンの教科書」はその一環であり、パン屋が抱える食品ロスの実態や背景を消費者に伝えることで、意識改革を促す狙いがある。
rebakeの背景にある理念
rebakeの根底には、「パンの廃棄削減を通じた持続可能な社会の実現」という明確なミッションがある。廃棄される食品の多くはまだ食べられるものであり、これを必要とする人々のもとへ届ける仕組みを構築することが、rebakeの社会的責任と捉えている。
また、パン屋にとっても、売れ残りの発生は経営課題となるだけでなく、心理的な負担も大きい。rebakeはその負担を軽減し、廃棄されるはずのパンに新たな価値を見出すことで、業界全体の持続可能性を高める役割を果たしている。
rebakeの取り組みから学べること
rebakeの事例は、食品業界における「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の実践例として注目に値する。企業活動を通じて環境負荷を減らしながら、経済的な利益も生み出すモデルは、他業界にも応用可能だ。
また、消費者の行動変容を促すためには、単なる啓発ではなく、具体的な選択肢を提示することが重要である。rebakeは、ロスパンの購入を通じて誰もが食品ロス削減に貢献できる仕組みを提供し、持続可能な社会に向けた一歩を示している。
湘南パン祭りでの活動をきっかけに、今後もrebakeの取り組みが広がり、パン業界のみならず、食品ロス問題全体の解決に貢献することが期待される。