栗山町と株式会社シロが「ほっかいどう企業の森林づくり」の一環として森林協定を締結した。5年間にわたる育樹活動が、地域と企業の未来をつなぐ取り組みとして注目されている。
協定の詳細
2024年11月より2029年3月まで、北海道栗山町と株式会社シロは、森林保全を目的とした協定に基づき、風倒木処理や間伐などの育樹活動を進めていく。これらは「ほっかいどう企業の森林づくり」制度を通じて実現したものである。北海道では2007年度以降、同制度のもと延べ84件の協定が結ばれ、1,000ha以上の森林が整備されてきた。
独自性のある取り組み
この制度の独自性は、企業と地方自治体を結びつけ、環境保全活動を通じて地域社会への貢献を促進する点にある。株式会社シロは、企業としての社会的責任(CSR)を果たしながら、SDGsの目標“陸の豊かさも守ろう”を体現することで、他社との差別化を図っている。特に栗山町では、風倒木処理と間伐を重点的に行うことで、森林の多面的機能を最大限に引き出す取り組みを進めている。
背景にある哲学や考え方
「ほっかいどう企業の森林づくり」は、環境保全と地域連携を重視する理念のもとに運営されている。北海道では、地元の森林資源を活用し、持続可能な社会の構築を目指す活動が広がっている。この取り組みは、地域住民や次世代を含む多様なステークホルダーに対して、「木育」という考え方を通じて環境意識を高めることも目的としている。
「木育とは、北海道で生まれた新しい言葉で、子どもをはじめとするすべての人が「木とふれあい、木に学び、木と生きる」取り組みを持つ。それは、子どもの頃から木を身近に使っていくことを通じて、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むことを意味する。この概念は、木を身近に使うことを通じて、木や森との関わりを考える力を育む取り組みである。
国家レベルでは、気候変動枠組条約やグリーン成長戦略、オゾン層保護のためのウィーン条約、生物多様性条約、環境保全型農業など、さまざまな取り組みが行われている。
国家レベルでの取り組みに限らず、個人レベルでも環境保全を進めることは可能である。例えば、ゴミを減らす努力や自然環境に配慮した製品を選ぶ行動、省エネを心がけることや再生可能エネルギーを選択することなどが挙げられる。これらの個々の行動が積み重なり、より持続可能な未来の実現に寄与する。
この会社から学べること
株式会社シロの事例は、企業がCSR活動を通じてどのように環境保全と地域貢献を両立させるかの好例と言える。環境活動が企業イメージの向上だけでなく、従業員の意識改革や新たなビジネスチャンスの創出にもつながることを示している。今後もこのような取り組みを通じて、他企業にも持続可能な社会づくりへの参加が広がることが期待される。