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フジテレビ系列カンテレ大多亮社長 会見で語った謝罪と被害者への思い

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関西テレビ 大田亮社長
関西テレビ大多亮社長(関西テレビHPより)

関西テレビの大多亮社長は1月22日、大阪市北区の同局で定例会見を開き、フジテレビ時代に関与したタレント中居正広氏の女性トラブルについて謝罪するとともに、当時の心情を詳しく語った。

この問題は、昨年、一部週刊誌で報じられ、大多氏が専務取締役として初期段階から問題を把握していたことが明らかになっている。

大多亮社長の経歴

大多社長は、日本のテレビ業界における成功者の一人だ。早稲田大学卒業後、1983年にフジテレビに入社。同局でプロデューサーとして数々のヒットドラマを手がけた。「東京ラブストーリー」や「101回目のプロポーズ」など、90年代を代表する名作を生み出したことで一躍名を馳せ、フジテレビの“黄金期”を支えた人物として知られる。業界関係者が言う人物評価として、「トレンディドラマというジャンルを確立させた人」と言われている。

その後、2000年代以降は管理職としてのキャリアを積み、編成局長や執行役員を歴任。2022年には専務取締役として編成を統括する要職に就いた。そして、2024年6月には関西テレビの社長に就任。関西テレビにおいても、自身の豊富な経験を活かして視聴率向上や番組開発を牽引する立場にある。

会見の様子と社長の心情

会見の冒頭、大多社長は深々と頭を下げ、視聴者や取引先、社員に向けて謝罪の言葉を述べた。「私がフジテレビに在籍していた当時の事案でございます。関係者の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます」と重い口調で語った。

続いて、当時の対応について振り返り、「この問題が報告された際、非常に重い事案だと感じました。ある種の衝撃を受けたのを覚えています。被害者のプライバシーや人権を最優先にしなければならないと強く思いました」と述べた。問題が初めて報告されたのは事件発覚後ほどなくのことだという。大多社長は即座に判断し、当時のフジテレビ社長に事案を伝えたという。

「私自身、知っている人を最小限に留めるべきか悩みましたが、社長への報告を避ける選択肢はありませんでした。その日のうちに報告した記憶があります」と語り、事態の深刻さに基づく迅速な対応だったことを強調した。

また、一部週刊誌で「ハイアット飲み」などと報道された女性社員が同席する飲み会については、「それ自体が悪いことではない」として、「女性アナウンサーや女性社員が参加する会食はあります。それは一部で報道される『性の上納』とは全く性質が異なるものと思う、私の中でそういうものはない」と否定した。さらに、関西テレビとしても「女性アナウンサーを伴った会食など、テレビ局員と芸能関係者の関係を巡る問題について社内調査を行う」とした。

被害者への思い

「何よりも、被害者である女性にとってどのような形が最善かを考え続けました」と、大多社長は心情を吐露した。事件が公になることで、被害者のプライバシーや精神的な負担がさらに増すことを避けたいという思いが強かったと述べ、「私たちができる最善のケアを模索していました」と続けた。

トラブル発覚後も中居氏の番組を続けていたことについては、「中居を守るための判断ではありません。被害者のためにどのような影響があるのかを考えた結果です。番組をズルズルやってるじゃないか、という厳しい指摘も分かっています。いつ、終わらせるのか、と常に頭の中にありました」と語り、自身の対応が賛否を呼ぶ中での苦悩を滲ませた。

会見中、大多社長の表情には時折険しさが見えた。「被害者を守るための対応だったとはいえ、結果としてその方を傷つける形になったかもしれない。漫然とやっていればという気持ちはなかったが、そのことが彼女にとって『そういうことではないんだ』ということであれば、我々の考えが至っていなかったのかもしれないし、だとしたら申し訳なく思うし、反省もしないといけない」と「責任を痛感しています」と、悔しさをにじませた。

CMへの影響

この問題を受けて、フジテレビ系列の関西テレビでもスポンサー企業がCMの提供を見合わせる事態に発展している。現在、多くの枠がACジャパンの公共広告に差し替えられており、広告収入にも影響が出ている。これについて大多社長は、「スポンサーの皆さまにご迷惑をおかけしたことを重く受け止めています」と謝罪するとともに、信頼回復に向けた努力を続ける意向を示した。

会見の透明性と今後の対応

今回の会見は、透明性を重視する方針のもと、関西放送記者会加盟社だけでなく、非加盟社やウェブ媒体、フリーランス記者など幅広い参加が許可された。フジテレビの記者会見が批判を浴びたことを意識したとみられる。

フジテレビには過去の問題から逃げることなく、真摯に向き合っていってもらいたい。被害者のためにも、できる限りの調査と再発防止策を講じるべきだ。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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