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選択的夫婦別姓制度、通常国会の主要論点に ドイツでは夫婦別姓後にどうなった?

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選択的夫婦別姓制度の導入をめぐる議論が再び熱を帯びている。最新の世論調査では賛成が42%に上り、制度導入を求める声が強まる中、通常国会での主要議題として注目が集まる。

世論調査の結果

毎日新聞が1月18日、19日に実施した世論調査によると、選択的夫婦別姓制度の導入に「賛成」と答えた人は42%、「反対」は23%、「どちらとも言えない」が34%であった。性別別では女性の賛成が47%と男性(39%)を上回った。

さらに、結婚前の姓を通称として使用する機会を増やすことに賛成する人は62%に達した。これらの結果を受け、制度導入が24日召集予定の通常国会での主要論点の一つになる見通しだ。

制度導入の背景

選択的夫婦別姓制度の議論は1990年代から始まり、国連の女性差別撤廃委員会が日本に対し同姓義務を見直すよう勧告したことが一つの契機となった。その後、国内でも女性の社会進出や個人の尊重を背景に、議論が少しずつ進んできた。

日本では、現行の民法が夫婦同姓を義務付けており、結婚によって姓を変えることに心理的・実務的な負担を感じる人が多い。特に職場や学術分野で旧姓が認識されない問題が挙げられる。

他方で、反対意見の背景には、家族の一体感が損なわれる懸念や、子供の姓を巡る議論の複雑化がある。SNS上でも、子供の姓の扱いを巡る解決策の提示を求める声が多い。

メリットと課題 ドイツの場合は

制度導入のメリットとしては、個人の選択肢が増えることによる自由度の向上や、社会的なジェンダー平等の促進が挙げられる。一方、子供の姓をどう扱うかという点や、家庭内での不和を生む可能性がデメリットとして指摘されている。

さらに、外国事例に目を向けると、ドイツでは同様の制度導入後(1993年)に婚姻率が低下し、離婚率が上昇したという指摘もある。導入前後の離婚率の推移は1992年離婚率:1.67%、93年:1.93%、94年:2.04%となっているが、因果関係までは特定できず指摘が当てはまらないという識者もいる。

ドイツにおける夫婦別姓の導入と背景

少し背景を説明すると、ドイツでは1970年代に民法が改正され、夫婦が名字を選択できる仕組みが導入された。当初は夫婦で話し合いがつかない場合、夫の名字を優先する規定があったようだ。しかし、1990年代に憲法裁判所がこの条文を無効とし、1993年から夫婦別姓を選択できる制度が確立された。現在、夫婦が選べる名字には以下の7つの選択肢があるようだ。

  1. 夫婦が夫の名字を選ぶ。
  2. 夫婦が妻の名字を選ぶ。
  3. 夫婦別姓にする。
  4. 妻が旧姓と夫の名字をつなげたダブルネームにする。
  5. 妻が夫の名字を前にしたダブルネームにする。
  6. 夫が妻の旧姓を後にしたダブルネームにする。
  7. 夫が妻の旧姓を前にしたダブルネームにする。

ただし、夫婦双方がダブルネームを持つことはできず、名字を3つ以上つなげることも禁止されている。

ドイツの子供の名字の決定方法は?

夫婦別姓の場合、子供の名字は親が出生後1か月以内に決める必要がある。決定した名字はきょうだい全員に適用される。ドイツでは、夫婦が別姓を選んでも家族の一体感が損なわれるという声は聞こえない。同じ名字であることが必ずしも家族の一体感に結びつくわけではないとされている。

このような海外での影響を考慮しつつ、日本社会特有の課題への対応が求められる。

SNS上の反応

SNS上では賛否が分かれている。

賛成派の意見には、「生まれた姓を使い続けられることが重要だ」「職場での混乱を避けるためにも選択肢を増やすべき」との声がある。一方で反対派からは、「子供の姓を巡る争いが増える」「結婚のハードルを上げ、少子化が進む可能性がある」との懸念が寄せられている。

今後の展望

通常国会では、立憲民主党が選択的夫婦別姓を可能にする民法改正案を提出する方針を示しているが、自民党内では家族制度の維持を重視する慎重論が根強い。その中でも、与野党間で共通する意見として旧姓使用の拡大が挙げられており、これを代替案として採用する動きが進む可能性も指摘されている。

今後の議論では、子供の姓に関する取り決めや家族間での不和を避けるための具体策が重要な課題となる。例えば、親権者同士の合意が得られない場合の対応や、子供の意思をどのように反映させるかといった点が注目されている。また、諸外国における選択的夫婦別姓の運用例を参考にしつつ、日本独自の文化的背景や法制度との整合性をどのように保つかが議論の鍵となるだろう。

論説

選択的夫婦別姓の議論は、日本社会の価値観の変化を反映している。しかし、感情的な賛否の対立を超え、現実的な課題にどう対応するかが重要だ。特に、子供の姓を巡る問題や、家庭内の調和をいかに保つかという視点が欠かせない。

企業や個人にとっても、この議論を単なる国会の議題とせず、自身の働き方や生活設計にどのような影響が及ぶかを冷静に見極める必要があるだろう。

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サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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